姫野カオルコのレビュー一覧

  • 整形美女

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    題名から想像したストーリーとは乖離があったが、読者が勝手に求めるお約束ストーリーではなく、美人とは何?ブスとは何なの!?と考えさせられる一冊。

    登場人物は聖書の登場人物の名前から考えられているらしく、所々聖書の一節が引用されたりしている。

    個性的ななかなか面白い表現をされていたが、私には少し苦手だと感じてしまった。
    文章の相性が少し合わなかったのかもしれない。

    しかし話は終盤にかけて、なかなかに惹き付けられるものがあった。

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    2018年03月28日
  • ドールハウス

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    家族という呪縛から逃れていく過程を描いた作品は何度か読んだが、この「ドールハウス」は地味ながらもリアルな感じがする。主人公が自分の常識が世間とは違うということに気づくシーンとか、友達とのコミュニケーションに自身をなくすところとか。子供の頃、親にドリフの番組を見させてもらえなかった子がクラスで話題についていけなかったりする的な、小さなことだけど子供にとってはカルチャーショックだったりする。そんな各家庭という文化差がまるで異国の文化のように感じたりしたなあ。そういう意味で恋愛というものは、すごい破壊力のあるライフイベント。主人公に遅れた反抗期がくるきっかけとなったのだから。

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    2018年01月19日
  • 受難

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    新しい小説の世界を見た!というくらい新鮮な小説でした。
    放送禁止用語をこんなにも堂々と連呼している小説。しかも、フランチェス子と古賀さんの会話が噛み合ってないようで、でも成立している不思議な感じ。
    そして、終わり方も予想とは違って面白かった。

    期待していたくらいにこの小説にのめりこんで読んだというものではなかったけれども、読みやすかった。

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    2017年08月15日
  • すべての女は痩せすぎである

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    個人的にはエッセイはなんか暇つぶしの読み物みたいな感じに思ってしまってあまり読まないのですが、姫野カオルコさんはとてもおもしろい人だと思うので読んでみました。
    楽しめました!
    たまにはエッセイもいいですね^ー^

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    2017年05月23日
  • 終業式

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    全文が手紙やFAXで成り立っている書簡形式の作品。初っ端、女子高生同士が授業中にまわす交換ノートの手紙で始まるのだけれど、そこには「ドキがムネムネ」、「なーんちて」など、何やらわざとらしい若者言葉。よくよく読み進めてみると最初の舞台は1975年の設定なのでした。

    地の文が一行もないため、手紙文をひとつずつ解読し、時代背景も相関関係も読み解かなければならない。誰が主人公なのかさえ、かなりのページ数を繰らなければ判明しない。読み手の辛抱強さが必要です。

    主要な登場人物は主人公の八木悦子、彼女が高校時代に想いを寄せる都築宏、悦子の親友の遠藤優子、都築の親友の島木紳助の男女4人。悦子は芯のない、流

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    2017年05月08日
  • バカさゆえ…。

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    面白かったです。ですが、私は姫野さんはエッセイよりも小説のほうが好きかなー!
    最近、姫野さんのエッセイをまとめて購入して読んでいるのですが、しみじみと思いました。まあ、小説家ですから当然ですかねぇー!
    でも、読んでいて「そうそう!ごもっとも!」ということも多くて、やっぱり文筆家って、文筆業ってすごいなーと思います。私は到底、自分の気持ちをここまで微細に表現できない・・・

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    2017年04月12日
  • ツ、イ、ラ、ク

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    面白かったです。始めの小学生時代の描写には参って、女子ってめんどくさい…と読むのを辞めようかと思いましたが、諦めないで良かったです。中学時代、隼子が恋愛に陥っていく様に圧倒されました。すごい熱量でした。墜落、というタイトルはぴったりです。恋愛って陥って、どっと流されていくものだな、と改めて思いました。残酷な展開でしたが、ラストシーンで救われました。良かったです。

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    2017年03月30日
  • 昭和の犬

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    風変わりな両親の元で育ったイクの幼少期から50代までの話。

    現代ではネグレクト、虐待ともとれる環境で育ったイク。悲惨な環境だが、周囲の人たちとの交流がありそれほど悲壮感は感じない。が、楽しいエピソードではない。

    色々な犬がその都度登場するが、決して感動的な犬との心温まる話ではない。あくまでも日常に犬がいた、という感じ。

    前半は退屈であったが、後半、イクが成長してからの話は引き込まれた。
    両親や、家主、おじいさんとマロンの話は温かさを感じる。
    前半が退屈で、少女時代のイクがみじめだったが、読んでいて最後の最後にこんなに気持ちが温かくなるとは思いもよらなかった。

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    2017年03月29日
  • 桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク

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    『ツ、イ、ラ、ク』の番外編。

    短編で、『ツ、イ、ラ、ク』の出来事に少しでも関わった人物が主となって裏側を語るのだけど、立場も年齢も時代もバラバラ。
    「青痣」なんかは誰が、誰について語っているのかなかなか分からなかったけど、とても引き込まれる。

    私は準子と河村先生がやっぱり好きだから、この2人の物語は永遠に読める気がする。
    共感とか、親近感とか、そんな感じでは全然ないんだけど、むしろ次はどんな想定外のことをしてくれるんだろうという、自分とは違う考えの人の行動に興味があって。
    あ、この時の行動はこんな意味があったのか、、ということが多いからかもしれない。

    本編でも短編でも、書き方のリズムが独

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    2017年01月29日
  • お金のある人の恋と腐乱

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    テーマは理解できるのですが、姫野カオルコさんの作品の中ではいまいちだと思いました。
    なんだかつながりがあるようでないので(ないのかな)、とてもわかりにくかったです。私だけでしょうか?
    私が「お金のある人」や「上流階級」ではないからわからなかったのかなー・・。共感できる部分もあんまりなかったし。
    この著者の文章なので、読み進めることはできましたが、他の作品ほどの驚きや感銘はまったくなかったです。
    姫野さん!得意分野で書いて下さい!是非お願いします!

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    2016年12月28日
  • 終業式

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    角川文庫の読むべき100冊だか何だか、特集されてて、なんとなく目に留まったから買ってみた。
    表紙にもひかれたのかもしれないな。

    それで、開けてみてびっくり。
    なんかおバカ風の手紙のやりとりが続く。
    ぇ、これって今はやりの携帯小説みたいなやつ?
    ぇ、なんか失敗した!!って思った。正直。
    ちょっと読むの面倒くさくて、ぇぇ、、、って思ったけど電車の中だったしとりあえず読み続けた。

    そしたら普通になったし、それなりに面白くなってきたから不思議なもんだね。
    読み進めて、ほんっとに、全編手紙だけなんだ!!
    ってわかった時は、ちょっとあんぐりしました。
    やるなぁ。
    まぁ確かに、自伝なんてそんなもんだし、

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    2016年09月07日
  • 昭和の犬

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    ネタバレ

    これは、直木賞を受賞するほどなのだから、面白い小説。

    でも、その面白さは、エンターテイメント性は持っていない。タイトルのとおりに、昭和の犬(猫)と、主人公との関わりが、各年代、その時代を象徴するような、米産TV作品をともなって語られるストーリー。

    何か事件が起るわけではなく、主人公は、淡々と年を重ねていく。そういったお話。そこには犬がいる(猫がいる)ということと、海外ドラマ。それぞれ、楽しいと思う。知っていても、知らなくても。

    あえて、ネタばれ、推論するよう伏せた婉曲表現が多様されるのだが、カートゥーンの『トムとジェリー』についての、主人公(作者)の解釈は、面白かった。

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    2016年07月25日
  • 終業式

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    全編に渡って登場人物たちがやり取りした、手紙、メモ、faxなどで構成したユニークな小説。高校から結婚、それぞれの進路をゆくキャラクターの人生が綴られる。

    注目してほしいのは、キャラごとの書きわけ。浪人時代に読書に耽っていた者は大人になってもやたら「文章引用」したがるし、高校から女の子っぽい子は七面倒臭〜い感じで成長していっているなどなど。
    「あー、いるよなこういう人…」
    って同感しながら読めます。
    ただ、キャラが煮えきらず、個人的には☆3つ。
    新感覚の小説に巡り会いたいときに読む本。

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    2016年02月24日
  • 昭和の犬

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    かつて放映されていた海外テレビドラマのタイトルと様々な飼い犬をアイコンとして描く、昭和後期に生きる女性の半生記。フォレストガンプ的な波乱万丈さはないが人々が織りなす細かなエピソードの積み重ねが心に触れてくる

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    2016年02月21日
  • 部長と池袋

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    姫野カオルコさんが気になって読んでみた。
    Part1は良かった。
    バラエティありすぎて、ついていけない内容もあり。

    気を取り直して、別の作品を読んでみようと思った。

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    2016年02月04日
  • 昭和の犬

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    犬が主人公の話でも、ペットとして飼っていた犬との喜怒哀楽の思い出をつづった話でもない。主人公の柏木イクの傍らにいる犬との関わり合いを通じて「昭和」の時の流れを感じる作品、といえばいいのだろうか。

    たぶん柏木イクと同世代ぐらい(現在50~60歳ぐらい)の読者であれば、懐かしさなんかも加わって感慨深いところがあるのかなーと想像するけど、私の歳(30半ば)ぐらいだと表題の海外ドラマを含めて当時の描写全般にあまりピンとこなくて、それほど楽しむことができなかった。イクの父親のキャラクターが独特で面白かっただけに残念。

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    2016年01月31日
  • お金のある人の恋と腐乱

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    姫野さんの「整形美女」がそこそこ面白かったので二冊目。
    普段はタイトルと表紙絵、裏表紙にある作品内容で決めるけれど、今回はタイトルと表紙絵で決定。

    いいね、この果実が熟れて、朽ちかけている感じ。
    美味しそうに艶やかで甘い香りを誘うように放ちながら、中では休むことなく腐敗をつづけるという、見えないところは悪臭に満ち腐り切っているというところ。
    こういう上辺と中身が大違いなひと、大好き。人間はこうでなくちゃね。

    四篇の短編の書き出しと書き終わりがバトンを渡すように繋がった作品。
    全ての物語に「藤沢さん」が出てくるが、全て別の「藤沢さん」。
    「藤沢さん」以外の人物は主人公に当たる「わたし」、それ

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    2015年11月09日
  • 喪失記

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    食事をするだけの男女。
    なんだか憧れる。食の好みが一致していないと、こんな楽しみ方はできないだろうけど。
    食べながら色々なことを話す。子供の頃のこと、個人的なこと。告白しているようで、スッキリ整理できそう。
    信頼していないとできない話かも。
    理津子は堅物というのかな? それがまた個性的でいいんじゃないのか。
    我慢しているようでいて、自分に正直であるように感じる。

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    2015年09月28日
  • 終業式

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    ストーリー自体は面白かったし、手紙など書かれたもののみで話が進んでいったのでそれによって見えてくる事実とかがあって面白かった。
    ただその分、イメージをしにくかったのと、感情移入がしにくかった。
    一つ一つの手紙を切り取ればとてもいい言葉はたくさんあったが全体的に長くて結局何が印象に残ったかわからないといった印象。

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    2015年09月25日
  • ああ、禁煙vs.喫煙

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    新聞に掲載されたコラムをまとめたもの。従って、一つ一つのコラムは短く、あっさりとした内容で、気軽に読めて良かった。
    私も、喫煙者は世間で考えられているほど、肩身の狭い思いはしていないように感じる。庶民的な寿司屋では、未だに喫煙可が大多数と言うのが衝撃的だ。

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    2015年08月19日