姫野カオルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み始めはいまいち・・・ と思った。 でもだんだんよくなった。何も起こらない、というか、起こってるけど、起こってない。そんな小説は好きです。
コタツに入ってテレビを見る。ただそれだけに幸福を感じる。それってとっても素敵だなと思った。そして、それを感じて、なんとなく察して、自然に一緒にやってくれる男性に、そんな人に、出会いたいものです。
二つめの『お午後お紅茶』どんな話かと思いきや、うーん。最後まで!でも、小説としてうまいなぁと思った。この本の中で一番良かったのは、『魚のスープ』
姫野カオルコ、大人だな。この、なんだか微妙な短編集は、とっても微妙で。ラストもなんだか微妙で。でも、それが、真実っ -
Posted by ブクログ
この人の作品もまだ一部しか読んでないな。直木賞候補にもなった『ツ・イ・ラ・ク』はビックリするほどに面白かったけど、他の作品は結構揺れがあって好き嫌いが分かれる。
地味に女に持てる製薬会社の課長と板前志望の女の子の不思議なデートを描く表題作、こじゃれ感を装ったものを憎む美容師小林君のタタカイ「お午後のお紅茶」、学生時代の女友達の招待で妻とスウェーデンへ行くことになった男の物語「魚のスープ」、以上の3篇が収められている。
痛快なのは「お午後のお紅茶」。小林君が勤める青山の美容院そばのレストランが標的となるのだが、いかにも「おしゃれでしょ」って感じの店で女主人は偉そうでしかも味付けは濃いし、なんか押 -
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ネタバレ東京大学誕生日研究会レイプ事件に着想を得た小説。
東京大学に通う男がヤリモクでインカレを作る。バカな女を見下しながらヤリたく、お茶の水女子と大妻女子とで飲み会をしまくる。
加害者側も両親や兄弟に至るまで細かく掘り下げる。事実なのかな…
被害者側、心理描写なども掘り下げる。事実なんかな…
事件は、加害者の一人が一瞬付き合ってその後セフレ状態の女の子を呼び出して、レイプ…とまでいかず、裸にひん剥いて転がして蹴ったり、隠部にドライヤーを当てたり、カップラーメンをぶっかけたりする。
逃げ出して通報して発覚。
ただ、被害者側がノコノコ東大生の家に行く時点で…などと叩かれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文章とか表現があまり好みではなかったー。
被害者・加害者の家族や友人がバンバン出てくるし、その中で意外と接点がある人たちもいたりして、ごちゃごちゃしてる。どんな人たちに囲まれて生きてきたかを書きたかったんだろけど、分かりづらかった。
それと、ラブリーな女性なのだ。とか、つるつるぴかぴかのハート(しかもこの表現お気に入り)とか、作者の表現がなんというか、うん、私にはしっくり来なかった。
この事件については全然記憶になくて、
この本を読む前にネットニュースを見たし、
この本がフィクションだけどほぼノンフィクションであることも知っていたから、展開はだいたい分かってた。
分かってたからこそ、(いい意 -
Posted by ブクログ
読む前から分かってた通り胸糞系ではあったけど、作者の意見が所々挟まれてる形式だったからか、それほど読後感が悪いものではなかった。
ノンフィクションではないからリアルである必要はないけど、それを差し置いても2016年の大学の様子にしては時代錯誤的だと感じて、序盤はいまいち入り込めなかった。
ただ、ラストにかけて、この事件は輪姦事件じゃなくて、だけど/だからこそ、人の尊厳を傷つける、それがよく伝わってきた。相手を尊敬せず下に見ているからこそ雑に性的暴行のようなことが出来てしまう。
人を見下すことの醜悪さが伝わってきたし、それに無自覚な人の心中を、ぴかぴかでつるつるした心の裡と表現したのが、とても -
Posted by ブクログ
ストーリーを知っていたので、その事件当日がいつ来てしまうのか、とどんどん気が重くなりながら読み進めた。
こういう認知の歪みによる性犯罪についての作品(事件)を読むと、いつか未来の息子娘をどう育てればまともな倫理観を育むことができるのだろうか、と杞憂してしまう。
特に本作に登場する家庭はどれも、どこにでも存在する家族の形であって、そこからどんな子どもが育つか、などというのは結局ガチャのように思える(例えばつばさの兄ひかるは本作では「まとも」だ)。
ただきっと「ぴかぴか」に育ててはいけないのだろう。自身の価値観を信じて疑わない「ぴかぴかのハート」にならないように。そして傷つけてくる人がいることに気