姫野カオルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりに声を出して笑える小説を読んだ。
まず、オトコとオンナの関係論を“ヤル・ヤラレル”の二元論に還元する潔さ。
物語の主要な部分はその二元論についての対話篇なのだが、主人公自体は男女の渦の中心から外し、外したままで終わると思わせて終盤でまさに中心に投げ入れ、さらにハッピーエンドで締めくくるその手腕は、舌を巻かざるを得ない。
貞節論や性価値の貨幣交換性や自慰論など、中学生レベルの性に対する疑問でも、少し異なる観念で照らすと異なって見えるのが改めて思い知った。
巨乳の修道女という萌え的な設定も、突っ込みどころ満載の状況や会話も、最後まで飽きることなく楽しませてくれた。
ただ、ちょっと長いかな…。短編とまではいかずとも、中編程度のほうが途中で萎えずに一気に読めたかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ70年代を描いた懐かしさあり、やましさあり、そして共感もありの短編集。「オー!モーレツ」「お元気ですか、先生」「少年ジャンプがぼくをだめにした」などの6編が収録されています。
70年代と言えば、安保闘争がちょうど70年代初頭の頃の出来事であり、フォークソングが流行したり、サイケ調のファッションが流行したのって70年代のことでしたよね(だから「サイケ」ってタイトルなのね)。
この短編集は、ただそれらの世相や出来事をなぞり、「そういう時代だった」や、当時を生きた人たちのノスタルジーだけには終わらない作品たちで構成されています。(もちろん作中には懐かしい言葉もポンポン飛び出していて、それはそれでおもしろいけれど)むしろ、70年代を検証した小説集であるといえそうです。読みながら、「どんな時代だったのか?」を考えてしまいます。
私がすごいと思った作品は「お元気ですか、先生」です。一見ほのぼのとしたタイトルなんですが、中身がすごい。ここに登場する小学校の教師はなんて恣意的な教育をするんだろう。えこひいきにヒステリー。まるで教師の天下?読めば読むほど、ここに登場した先生とは違うパターンであるけれど、自分の小学校時代の担任を思い出してしまいました。
気分で怒る、なぐる、セクハラは当たり前、詳細は書けないけれど今なら教育委員会から指導されてもおかしくないようなお仕置きもあり、今思えば非常に理不尽だと思えるような決まりも作られたし、そしてもちろんえこひいきもあり...。
おそろしいことに、そんな教師が他クラスや学年の担任にもゴロゴロ。
この短篇でこのように描かれたと言うことは、こんな教師が70年代では当たり前だったのか?と思ってしまう。
また、「オー!モーレツ」は作者の小学校時代を思わせる作品。どこまでがフィクションなんだろう?なんて不謹慎なことを考えてしまいそう。