姫野カオルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
姫野カオルコの作品に出てくる女性は今まで抑圧されていたのが、何かのきっかけでぷっちんと切れて解放されるっていう印象を受ける。
厳格で家に縛りつけようとする両親。結婚ははしたないことと戒めるけど、それって現実的なのかねえ。お家存続のほうが大事じゃないか。
祖先が大事にしてきた家よりも自分たちの独占欲が強いってのがちょっと違和感。
しかし、そんな親に育てられながらも、ラストでは”ふつう”の方向に進もうとするのがちょっと救われたかなあと思った。
それにしても主人公の彼氏みたいな男がどうしようもないな。
なんでちょっと病んでそうな年上で、しかも美しくない人と付き合い始めるかなあ。結局こいつはフリー -
Posted by ブクログ
この表紙はどうよと思うけど、皆さんのレビューも良かったし、何より久し振りの姫野カオルコなんで購入。
背表紙にある短い紹介文を見て、普通に読めば、主人公・倉島泉の不遇の中にも満ち足りて生きる様に目が行って、『さびしさに対する鈍感さは、斬っても殴っても倒れない強靭さに映る』という表現に唸り、終章、彼女がある人にしたお願いの3つ目を知ると、それはもう何と言ったら良いのか、その清らかさの極みに深く感じ入る。
それだけでも十分なのだけど、このお話が単なる聖女の物語に終わらないのは、泉について語る人々の生き様の対照的な生臭さがお話に膨らみを持たせるから。
そこに描かれる様々な男と女の所業、深芳と潤一の結ば