姫野カオルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校生の頃、何げなく手に取った本。
読み終わった時、涙が止まらなかった。
別に両親に虐待を受けたわけじゃないし、充分な生活を送らせてもらってる。でも、親といるのが苦しい、と思っていた。養ってもらっているんだから我慢しなくちゃいけないと思いながら早く自立して家を離れたいと強く思っていた。そう思ってしまう自分が恩知らずみたいで苦しかった。
主人公の苦しみが自分と重なって、自分ひとりが抱えているわけじゃないんだと思えた。つらくなると本を開いて涙を流した。
主人公がある恋愛体験を通して、親からも自分からも解き放たれる物語。やや重いけど読み応えアリ。 -
Posted by ブクログ
「ツ、イ、ラ、ク」がとても良かったので、この本も手に取る。
ただ、「もうひとつの○○」なんて、本編を超えることはないので、あまり期待もしていなかったのも正直なところ。
だけど、うん、これも良かった。
『若さを失うということは、恋を期待できたころよりもずっと、焦るほど、恋に酷似した状態を期待するということだろう、おそらく』なんてフレーズは私らの歳になると沁みますね。。。
作者曰くこの小説集の主役は“時間”だと。
同じ時間を生きながら、それぞれに通過した時間はそれぞれに違うのだということを改めて知るのだけれど、一方、重ねてきた歳月の重さは誰にでも同じだけの呻吟を与えるのだということも、また思う。 -
Posted by ブクログ
姫野カオルコは天才だった。
ごめん、過去形で。
この人は、処女のまま
エロ小説でデビューし
そのまま孤独に処女道を貫いた
(いや、貫いてないから処女なんだけど)
エロ教の修道女のような
孤高の存在である。
処女を描いた三部作シリーズまで
完成させてしまった。
3冊とも素晴らしかった。
んで、中盤の彼女は
「自分ってイケてるんだけど
なんでモテないの?
なんで抱いてくれないの?」
という孤独を切々と綴った
自伝なんだか小説なんだか
よくわからんジャンルに突入。
姫野カオルコがイケてるかどうかは
あえてコメントしません。
しかし、このジャンルを