姫野カオルコのレビュー一覧
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あくまで推論だが、変奏曲は恋愛小説の文学史案内ではないか?
最初の桜の章では他の章にはない多くの謎から始まっているが、これは現在の恋愛に対する謎である。なぜ、今私はここにあるのか?という問いに対して求められるのは答えであり、答えはいつも過去にあるのだ。だから物語に他の物語が介入すると言う特殊な設定が組み立てられる。過去、つまりライラックの章は近代文学の成熟期である大正時代の特殊な恋愛から答えを導き出すストーリーが編み出される。そして、耽美的な美を備えた大正の物語は関東大震災という文学の転機点から第二次世界大戦という断絶を経て、悲劇的な物語へと一変する。柘榴の章は娼婦になった洋子の登場だが、ここ -
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出版社/著者からの内容紹介
忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと。
森本隼子、14歳。地方の小さな町で彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは――。姫野カオルコの新境地、渾身の思いを込めて恋の極みを描ききった、今年度最強の恋愛文学
忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと。すべての人の記憶に眠る、官能の目覚め。狂おしいまでの恋の痛み、恋の歓び。今年度最強の恋愛文学 激しく切ない渾身の950枚 森本隼子、14歳。地方の小さな町で、彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは。体温のある指は気持ちいい。濡 -
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タイトルがいいなぁと思い手にとってみたけど…思ってたのと違った。
2000年に文庫になったので文章自体はそれ以前に書かれたものゆえ時代が違うからなのかもしれないけど、
著者の文章の書き方があまり好みでなかったみたい。
内容自体は、なるほどねー。と思うこともあったんだけど。
基本的にけんか腰に読めて面白いとは思えなかったわ。うーん。
私がそもそもわりと結婚する事に疑問を抱いていないタイプだからなのかもしれないけど、
結婚に対してフラットな立場から書いているというわりに、ともすれば結婚に対する憎しみがあるんじゃないかというような…著者の嫌悪感が大きい過ぎるような。
結婚するものという前提に対し