無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
ひとりで遊ぶ子供が、犬(ときに猫)の傍らで、時の流れを、静かに語る(過去を振り返って語る)話。
著者の自伝的要素が強いとのこと。
「昭和の犬」という題名には「昭和」という時代を指す年号が入っているが、昭和全時代の流れを語るわけではなく、話は昭和30年代から始まり平成20年まで続く。
章タイトルは、章のエピソードの頃に流行っていた海外のテレビドラマのタイトルらしい。
ちなみに、著者は滋賀県出身だが、香良市と紫口市は架空の市名だとのこと。
『獲得したものを数えるのではなく、彼らの厚情により、被らなくてすんだ不幸を数えれば、それは獲得したものとちがい目に見えないが、いっぱいいっぱいあるのではないか。』
Posted by ブクログ
昭和の犬なんて題名だから下手したらヤクザものじゃないかと思ったけど違った。
そんなわけで字面通りに犬の話である。やはりネコよりは犬派であるという自負のもとに読んだわけだが、昭和の犬は決して忠犬というわけでもなく、もはや東南アジアの野犬というレベルで、これはもうネコ派に移りかねない。確かに昭和のイヌはそこまでかわいくなかったかもしれない。
が、イクさんが癒されるように最後には必ずお前なら分かってくれるみたいな安心感が犬にはあって、寂しかったり辛かったりした時には犬しかいないというか、この本のラストに至ってなんだかんだ言っても犬だなってなるんだからもう犬派なら読まないわけにはいきません。
Posted by ブクログ
好きな作家の一人、姫野カオルコさんの直木賞受賞作(スピーチ、面白かったです)。
受賞作の本作より、個人的には「リアルシンデレラ」の方が好きでした。
それにしても、著者が描く人物は「聖人」。
何故こんなにも、清く生き続けられるのか。切なくも、羨ましく思います。
主人公のイクは戦後に生まれ、両親の愛に恵まれずに、そしてそれを受け止め、ただ、自己の不甲斐なさ故に愛されないのだと思いながら育った女性。
そんなイクの5歳から、中年期までが描かれた作品です。
イクの父は理不尽な理由で怒りを撒き散らす人物ですが、犬を手懐けることに長けた人物。
小さな頃から犬と共に生活してきたイクもまた、犬を愛し、犬に心を癒される性格。
私自身、犬が大好きなので
「犬を見たり犬にふれたりすると、ふれた面‐てのひらや腕の内側や頬や‐から内側に向かって、ふくふくとした気持ちが生えてくる」
という描写が、
私に「ふくふくとした気持ち」をおもいださせ、それだけで嬉しくなりました。
そして、相対的には決して幸福で恵まれていたとは言えない人生を送ったイクが思うこと。
「獲得したものを数えるのではなく、彼らの厚情により、被らなくてすんだ不幸を数えれば、それは獲得したものとちがい目に見えないが、いっぱいいっぱいあるのではないか。」
自分の欲深さや傲慢さを、姫野作品はいつも指摘してくれます。
2014年8冊目。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸