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昭和三十三年滋賀県に生まれた柏木イク。気難しい父親と、娘が犬に咬まれたのを笑う母親と暮らしたのは、水道も便所もない家。理不尽な毎日だったけど、傍らには時に猫が、いつも犬が、いてくれた。平凡なイクの歳月を通し見える、高度経済成長期の日本。その翳り。犬を撫でるように、猫の足音のように、濃やかで尊い日々の幸せを描く、第150回直木賞受賞作。
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Posted by ブクログ
まさしく昭和 まだ犬が外で飼われていたころの懐かしの時代 当時の様子が思い起こされる 風景と共に心情もよみがえった
比較的淡々と綴られていますが表現力がすばらしいので、最後まで楽しんで読めました! なんとなく理不尽な家庭環境で育ち、おとなになった主人公が回想したり、思い出を語ったり。 うまい具合に犬が絡んでくるところも癒されポイントでした。 タイトル通り!
不遇な幼少期を過ごした人は、当たり前のことに突然驚き、幸せを感じ感謝の気持ちで胸が一杯になる事がある。 犬や猫には心を許せるから、話をしたり泣いたりそれは大人になっても変わらない。 中年になった主人公の身体がバラバラになってから出逢った犬、マロンが、主人公の様子に心から笑う、というシーンに、初めて泣...続きを読むいてしまった。 これは泣くような物語ではないと思って安心していたのに。 そんなひと時が、これからの生きるエネルギーになる。幸せを感じるセンサーの基準が、私と主人公は似ている。
ずっと読みたかった本がやっと読めました。犬の話だからか、松田洋子さんの相葉奈美の犬の絵柄のイメージで読んでました。陰鬱な雰囲気とか合っている気がして。最近は外国の吹き替えドラマはもう地上波では観られない、というような記述がありましたが、普通にNHKとかでやってますよね。
ひとりで遊ぶ子供が、犬(ときに猫)の傍らで、時の流れを、静かに語る(過去を振り返って語る)話。 著者の自伝的要素が強いとのこと。 「昭和の犬」という題名には「昭和」という時代を指す年号が入っているが、昭和全時代の流れを語るわけではなく、話は昭和30年代から始まり平成20年まで続く。 章タイトルは、...続きを読む章のエピソードの頃に流行っていた海外のテレビドラマのタイトルらしい。 ちなみに、著者は滋賀県出身だが、香良市と紫口市は架空の市名だとのこと。 『獲得したものを数えるのではなく、彼らの厚情により、被らなくてすんだ不幸を数えれば、それは獲得したものとちがい目に見えないが、いっぱいいっぱいあるのではないか。』
昭和の犬なんて題名だから下手したらヤクザものじゃないかと思ったけど違った。 そんなわけで字面通りに犬の話である。やはりネコよりは犬派であるという自負のもとに読んだわけだが、昭和の犬は決して忠犬というわけでもなく、もはや東南アジアの野犬というレベルで、これはもうネコ派に移りかねない。確かに昭和のイヌは...続きを読むそこまでかわいくなかったかもしれない。 が、イクさんが癒されるように最後には必ずお前なら分かってくれるみたいな安心感が犬にはあって、寂しかったり辛かったりした時には犬しかいないというか、この本のラストに至ってなんだかんだ言っても犬だなってなるんだからもう犬派なら読まないわけにはいきません。
気難しく割れて家族をビクビクさせる父親、ブラジャーを買い与えず娘を嘲笑う母親、今なら毒親でネグレクトだけど、それも昭和、犬を放し飼いにして人を噛んだり保健所に連れ去られたり、引っ越しの時にどこかに行ってしまったり、夕ご飯の残り物をあげるか鑑賞するものでしかない犬、それも昭和。私は昭和を知らないから、...続きを読む感情移入とか同情はせずに、戦後の粗野で雑で価値観の違う、そういう時代だったんだなと鑑賞しながら読む本。
好きな作家の一人、姫野カオルコさんの直木賞受賞作(スピーチ、面白かったです)。 受賞作の本作より、個人的には「リアルシンデレラ」の方が好きでした。 それにしても、著者が描く人物は「聖人」。 何故こんなにも、清く生き続けられるのか。切なくも、羨ましく思います。 主人公のイクは戦後に生まれ、両親の...続きを読む愛に恵まれずに、そしてそれを受け止め、ただ、自己の不甲斐なさ故に愛されないのだと思いながら育った女性。 そんなイクの5歳から、中年期までが描かれた作品です。 イクの父は理不尽な理由で怒りを撒き散らす人物ですが、犬を手懐けることに長けた人物。 小さな頃から犬と共に生活してきたイクもまた、犬を愛し、犬に心を癒される性格。 私自身、犬が大好きなので 「犬を見たり犬にふれたりすると、ふれた面‐てのひらや腕の内側や頬や‐から内側に向かって、ふくふくとした気持ちが生えてくる」 という描写が、 私に「ふくふくとした気持ち」をおもいださせ、それだけで嬉しくなりました。 そして、相対的には決して幸福で恵まれていたとは言えない人生を送ったイクが思うこと。 「獲得したものを数えるのではなく、彼らの厚情により、被らなくてすんだ不幸を数えれば、それは獲得したものとちがい目に見えないが、いっぱいいっぱいあるのではないか。」 自分の欲深さや傲慢さを、姫野作品はいつも指摘してくれます。 2014年8冊目。
令和になって3年。昭和は随分昔の話となった。いつのまにか…。 昭和の50年余りの間に、生活の様子も、犬の飼い方もとても変わった。 地味なイク…昭和はこんな子ばかりだったようにも思うけど…が犬猫と関わりながら時に癒され成長して、大人になってもマロンに癒されるところはなんだかいい。 生活様式とか犬猫の飼...続きを読むい方とか変わっても、犬猫と人間の繋がりって変わってないのかもしれない。
読み始めは、自伝的エッセイ的で懐古主義的な苦手ジャンルと感じていたが、後半、ストーリーとしては何も起こらないのに、妙に感傷的な気持ちにさせられる。 昭和という時代背景を、いつも近くにいた犬たちの温度・湿度を通して伝えてくる、さすが直木賞と感じる作品。
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昭和の犬
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