姫野カオルコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
約10年ぶりに再読。
やはり名作。
2021年34冊目。
以下は過去のレビューのコピペ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たまらなく、よかったです。
倉本泉という、田舎に生まれ育った女性について取材することになった筆者。
彼女の周囲にいた人間の視点で語られる彼女と、彼らから聞いた話を元に、筆者が書いた文章。
泉本人の主観は、一度も描かれません。
広く一般的に知られている「シンデレラ」は主人公が受動的過ぎて、その他の登場人物の個性が際立っている。
シンデレラは、自分がされたことを、その他の登場人物にし返しているだけ。
果たしてシンデレラは、本当に幸せになれるのか。
泉は、真 -
Posted by ブクログ
ネタバレお酒大好きで甘いの苦手な私にとって、とってもとっても楽しくて共感しまくりの1冊でした!
そして勉強になった!これからの「食」がもっと楽しみになった(^-^)⊃⌒♡
激太りしたので絶賛禁酒中(年明けてからほぼ毎日飲んでた)やけど、目標体重まで行ったら絶対にヒメノ式レシピと共にお酒を嗜むゾ!!!とさらにダイエットへの意欲湧いた!!!ヒメノ式レシピ、全部美味しそうすぎて読みながらお腹なってた笑
ふきのとう大好きすぎて早く春になってほしいと願うばかり。あとかんずりも気になる!絶対手に入れる!!!!
表題作の「ケーキ嫌い」に関しては頷きすぎて首もげるかと思うくらいに共感した!世の中の人(私もやけど) -
Posted by ブクログ
ネタバレ一読後、胸の中に美しく青い星空が広がるような気がしました。そして、その星々を映すこれまた美しい湖。湖に浮かぶ一艘の小舟。小舟の中には………
倉島泉(せん)というリアル・シンデレラのお話です。泉ちゃんは、ちゃんと両親揃っていて、可愛い妹もいて、傍目には何不自由なく暮らしています。けど、母親は今でいう毒親で、その暮らしは童話のシンデレラ同様、辛いものでした。傍目にわかりにくいだけ、シンデレラより悲惨だったのかも、です。
毒親の心ない言葉に、もう死んでしまいたい、自分なんていない方がいいんだ、と思いつめていた泉ちゃん。十二の冬、そんな泉ちゃんに魔法使いがやってきます。
「死はすぐそこにある -
Posted by ブクログ
作者がTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』をよく聴いていて、番組アシスタントの中澤有美子さんをモデルにして書いた小説とのこと。私も中澤さんが大好きなので読んでみました。
『リアル・シンデレラ』というタイトルから受ける印象とはかなり違っていましたが、文庫版あとがきで作者もそのことについて書いていました。「リアル」や「シンデレラ」に持たせた意味の認識の違いが大きかったみたいだと。明治大正昭和をまたぐ女性の一代記などでは全くないと。気になる方は、まずはあとがきから読んでみてください。
その上で、幸せな人生とはどんなものか、自分はどんなふうに生きて、どんなふうに幸せになりたいかを考えさせられる小説でし -
Posted by ブクログ
ネタバレしたたりそうに熟れて美しい表紙や題名が想像をかきたてる。連作短編集。上流の人ってこんな世界で生きてるんだろうか。お金以外のところに不自由な印象を受けた。
・反行カノン・・・冷静な田鶴子さんが可愛い男子高校生の藤沢さんに恋する話。田鶴子さんは高校生がハマるほどステキな女性なんだろうなあと想像。
・フレンチ・カンカン・・・田鶴子さんの夫の妹、栞さんと藤沢先生。上流に暮らす栞さんの心が空洞のように感じる。
・三幕アリア・・・お手伝いさんの娘、牧子ちゃんと偶然食事を一緒にした藤沢さん。大金持ちでダンディーで最後までステキだった。牧子ちゃんの幼くて一生懸命な思いがせつなかった。
・輪舞・・・田鶴子さんの -
Posted by ブクログ
この小説は僕にとって危険すぎる
悪い意味で個人的にインパクトを受けたということで、評価5
出版社に務めていて年収は1000万を超えるにもかかわらず、不自由な結婚生活を強いられている小早川という男の話
お嬢様として育てられた妻は、日本語が話せるけど独自の論理思考を持つため一般的とは異なったコミュニケーション能力が必要
そしてそのリクエスト内容も優先順位が決まっていると思われるが、夫の小早川は釈然としないものを感じる
度重なる引っ越しによる住宅家のローンと過大な教育費、そして意味不明な妻のリクエストの解読
散歩に行こうとするものなら、そんな事よりも家の中のあれをして欲しいこれをして欲しいと自由 -
Posted by ブクログ
ウチはウチ、ヨソはヨソ。
誰でも一度は聞いたことがありそうな言葉ですが、この言葉と共に葬り去られた「謎」が、世の中に一体どれ程あったのでしょうか。
主人公ヒカルがいうように、虐待というのは違うような、でもすんなり受け入れることは不可能、といった両親の謎の言動について、投稿という形で相談と回答が交わされます。
これを読んだ人の反応は大きく3つに分かれるのではないでしょうか。信じられない派、わかる派、そんな酷い?派です。(一部重なることはあると思いますが)
しかしながら、本書において、この両親が酷いかどうか、謎の解決というものはあまり重要ではない気がします。
最後の方に書かれているように、親子の -
Posted by ブクログ
姫野カオルコさんの本はどの本も大好きですが、この本は、ちょっといつもの姫野カオルコさんの作品とはちょっと違う感じがしました。
主人公・泉さんの個性的なところは姫野さんって感じなのですが、お話自体が、おお、、、こういう終わり方のお話もアリなのか、姫野さん!!っていう感じでした。
編集者が取材していくというスタイルで、いろんな切り口から泉さんのことが語られていて、、、そして切なかったです。
確かに、シンデレラの話って、自分のことをコケにしてきた意地悪な継母とその娘達への復讐に満ちていて、本当にそんな嫌な奴がシンデレラ?という考え方もあるのかもしれません。私はそこまで考えたこともなかったので、それも