姫野カオルコのレビュー一覧

  • 近所の犬

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    『昭和の犬』を読んだならこちらも!と読みました。笑った笑った。
    著者によると、『昭和の犬』は自伝的要素の強い小説で、『近所の犬』は私小説でよりエッセイに近い感じで読めますよ、と書かれてます。
    とはいえ、小説なので、あくまでもフィクション部分が含まれています。と。

    『昭和の犬』でも著者の趣味?としての【犬見】について説明されてたけど、
    犬が好きだけど飼わない。その分近所の散歩中の犬気が合えば散歩に同行したりして仲良くなる。
    犬それぞれの性格や飼い主の人生まで、楽しく書き綴られています。

    同じ犬好きとして、犬の気持ちを通訳したセリフがめっちゃわかる〜そんなこと言うよね〜犬って!と、おおいに盛り上がって笑いまくりました。
    著者がこの作品を出した頃の年齢も今の自分の年齢とほぼ同じこともあって身体的な感じ方もいちいちわかる〜!と共感。

    たのし。

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    2022年11月15日
  • 終業式

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    どん、と強い衝撃を、何度も受ける一冊。
    痛かったり、恥ずかしかったり、羨ましかったり、色々な種類の衝撃を不意討ちで、喰らいます。

    「地の文」が一切なく、登場人物が他の登場人物に宛てた手紙だけで物語は進みます。

    主人公が高校2年生であった時を起点にした、約20年間が描かれています。

    同級生への淡い恋心、先生の悪口、同級生の噂話、受験、進学…
    そんなことで埋め尽くされていた手紙の内容は登場人物達が年齢を重ねると共に変化していきます。

    別離、結婚、不倫、奪取、離婚…。
    彼らに起きた様々な出来事が、変化する手紙の内容から、推察されます。

    手紙というのは、ある程度自分を客観視していたり、
    少なくとも自分の気持ちを文章にできる程度に整理できていないと書けないもので、その上でどうしても他者に伝えたい気持ちが詰まったものなので、出来事の受け止め方や、人の心について、核心をついている表現が多く、そういう意味で、色々な種類の衝撃を受けたのだと思います。

    作中にはいくつか、投函されない手紙も登場します。これが非常によい持ち味を発揮しています。

    伝えたいと思って書いた後に思い直して、自分の中に仕舞う感情。
    これが手紙の書き手の本心を表していて、作品全体をぐっとリアルに仕上げています。

    結局投函されなかった手紙の中に
    「なんていうのかな、わがままを言ってくれなきゃ応対できないんだよ、他人は。わがままを、ありったけのわがままをぶつけることが、それが他人を好きになるということなんだ。好きな人にはわがままを言われなければ意味がないんだ。
    こんなことを言ったら相手に悪いとか、こんなことをしたら相手に悪いとか、そういうことを考えることがもう、冷たいことなんだ。」
    という文がありました。強く印象に残りました。

    とても素敵な一冊に出会えました。おすすめ。

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    2022年10月01日
  • リアル・シンデレラ

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    約10年ぶりに再読。
    やはり名作。

    2021年34冊目。

    以下は過去のレビューのコピペ。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    たまらなく、よかったです。

    倉本泉という、田舎に生まれ育った女性について取材することになった筆者。
    彼女の周囲にいた人間の視点で語られる彼女と、彼らから聞いた話を元に、筆者が書いた文章。

    泉本人の主観は、一度も描かれません。

    広く一般的に知られている「シンデレラ」は主人公が受動的過ぎて、その他の登場人物の個性が際立っている。
    シンデレラは、自分がされたことを、その他の登場人物にし返しているだけ。
    果たしてシンデレラは、本当に幸せになれるのか。

    泉は、真に幸せな、本当のシンデレラだと思います。
    決して着飾ることもなく、人から美しいと言われることもなく、自分を見て欲しいと訴えることもなく、弁解をせず、人を責めず、ただ、人の長所を素晴らしいと感じる。ただ、人の幸せを喜ぶ。

    そんな彼女の美しさに気付いた、ある人から、泉はシンデレラにしてもらい、舞踏会に連れていってもらえます。

    真の純粋さ、真の美しさに触れる事ができます。
    なので、色々な種類の涙が出る一冊です。

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    2022年09月01日
  • ケーキ嫌い

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    ネタバレ

    お酒大好きで甘いの苦手な私にとって、とってもとっても楽しくて共感しまくりの1冊でした!
    そして勉強になった!これからの「食」がもっと楽しみになった(^-^)⊃⌒♡

    激太りしたので絶賛禁酒中(年明けてからほぼ毎日飲んでた)やけど、目標体重まで行ったら絶対にヒメノ式レシピと共にお酒を嗜むゾ!!!とさらにダイエットへの意欲湧いた!!!ヒメノ式レシピ、全部美味しそうすぎて読みながらお腹なってた笑
    ふきのとう大好きすぎて早く春になってほしいと願うばかり。あとかんずりも気になる!絶対手に入れる!!!!

    表題作の「ケーキ嫌い」に関しては頷きすぎて首もげるかと思うくらいに共感した!世の中の人(私もやけど)は、手土産にケーキとお菓子を選択するの本当に謎すぎ!一瞬はお酒とか缶詰とかにしようかな〜って思うのにお酒嫌いやったら…缶詰も種類多いし好みじゃなかったら…ってなって結局“無難“なケーキやお菓子にしてしまう。なんでケーキとかお菓子は“無難“やと思い、嫌いな人がいるだろうと思わんのやろう〜〜私はケーキとかお菓子が嫌いというか好みではない!でも種類にはよって好きなのもあるから難しい。オレンジピールが入ってるものはすごく好き。和菓子も全般好き。と、好みは個人で本当に違うんよな〜姫野さんも作品内で幾度となく繰り返していた!

    ただ、姫野さんに共感しまくりの私ですが、私はまだまだ未熟者で、組み合わせ(お酒・食事ともに)にこだわりはあんまりなく、ただただ食べることが好きなんやな〜〜と実感した。姫野さんは自分の好みの軸がしっかりしてて、読んでて楽しすぎた!かっこいい大人!!!(感想がすでに幼稚すぎる)途中から姫野さん、絶対大食いとか早食い嫌いやろな〜と思ったら案の定やって嬉しかった!!私は大食いも早食いも激辛も大好き(大食い早食いは見る専)

    私も自分の範囲内でいろんなお店に行ったり、自炊したり、自分の美味しいものに出会いたいなって思った!これだ〜〜〜!!みたいなの。ダイエット中やからこそワクワクが止まらん!!

    あと、日本酒のネーミングはまじで採用されてほしい。わかりやすすぎた。私もウルサイッ!ってなって説明とかも聞き流してしまいがち。日本酒選ぶときはスッキリしてて辛口or東北か九州、四国あたりの日本酒飲みたいな〜くらいの気持ちで飲んでる。日本酒についても勉強したいな!と意欲が湧いた!姫野さん案のネーミング、めちゃくちゃ分かりやすかった〜〜(2回目)

    お酒好き食べるの大好きな私にとってずっとずっと楽しい時間でした(^-^)⊃⌒♡それこそ「彼女は頭が悪いから」を読んでたので、姫野さんを知れて嬉しかった!!!

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    2022年08月02日
  • リアル・シンデレラ

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    ネタバレ

    一読後、胸の中に美しく青い星空が広がるような気がしました。そして、その星々を映すこれまた美しい湖。湖に浮かぶ一艘の小舟。小舟の中には………

    倉島泉(せん)というリアル・シンデレラのお話です。泉ちゃんは、ちゃんと両親揃っていて、可愛い妹もいて、傍目には何不自由なく暮らしています。けど、母親は今でいう毒親で、その暮らしは童話のシンデレラ同様、辛いものでした。傍目にわかりにくいだけ、シンデレラより悲惨だったのかも、です。

    毒親の心ない言葉に、もう死んでしまいたい、自分なんていない方がいいんだ、と思いつめていた泉ちゃん。十二の冬、そんな泉ちゃんに魔法使いがやってきます。
       「死はすぐそこにあるゆえ、あわて死にするべからず」
       「生きてるあいだは生きてるあいだをたのしく過ごすざんす」
       「あなた、あなたの靴で生きてるあいだ歩きなさい」
        さらば、あさにけにかたときさらず。

    魔法使いは3つのお願いを叶えてくれると言いました。泉ちゃんの願ったねがいは
        1、妹が丈夫になりますように
        2、大きくなったら、お父さんとお母さんと離れて暮らせますように
    3つめのお願いは、物語の最後まで明かされません。

    傍目には、毒親に虐げられ、可愛い妹の引き立て役で、実家の旅館を再建した功労者なのに掃除婦、雑役婦のように見られ、何もいいことのない、不幸な女にしか見えない泉ちゃん。でも、彼女は実に賢く美しい、本物の姫で、自らの王国をきっちり繁栄させました。自分の靴で自分の人生を歩いた。誰も必要とせずに。   

    泉ちゃんの願った3つ目のお願いは
        3、自分の周りにいる自分じゃない人にいいことがあったら、
         自分もうれしくなれるようにしてください

    うん、羨んだり妬んだりをパワーにするのもアリだけど。他人の幸せも自分の幸せ、幸せが2倍。すごく豊かだよね。

    泉ちゃんは途方もなく幸せなのでした。そして、馬車に乗って消えてしまう。
    けれど永遠に、人々の記憶に存在し続けるのです。

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    2022年06月09日
  • 桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク

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    さびしい、痛い、触れたい、うれしい、たのしい。そういうのがひたひた溢れてる。
    恋ってまっすぐなんだと思う。好きな人と思う存分セックスするのはなによりも気持ちがいい。
    まっすぐでふたりきりで寂しい。好きな分だけ、ずっと寂しい。
    大人になると思い出す。幼い、でも全てが満ちていたあの頃の鮮度は、もう二度ともどってこないこと。
    懐かしてくさびしい、これは大人のための物語。

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    2022年04月23日
  • リアル・シンデレラ

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    ネタバレ

    不遇に生まれて幸せに生きるとは。幸せは環境、他者によってもたらされるものなのか、はたまた自分が自分のまま、人を蹴落とさず自分の靴を履いて今あるものを教授するのか。泉のように生きられたらと思わなくないけど、スタンダードな幸せから価値観ズレた泉が悪意ある噂でエンタメとしてコンテンツ化されるくだりはとても怖かったです。

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    2022年04月06日
  • リアル・シンデレラ

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    作者がTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』をよく聴いていて、番組アシスタントの中澤有美子さんをモデルにして書いた小説とのこと。私も中澤さんが大好きなので読んでみました。
    『リアル・シンデレラ』というタイトルから受ける印象とはかなり違っていましたが、文庫版あとがきで作者もそのことについて書いていました。「リアル」や「シンデレラ」に持たせた意味の認識の違いが大きかったみたいだと。明治大正昭和をまたぐ女性の一代記などでは全くないと。気になる方は、まずはあとがきから読んでみてください。
    その上で、幸せな人生とはどんなものか、自分はどんなふうに生きて、どんなふうに幸せになりたいかを考えさせられる小説でした。

    幸せとは何かと問われたら、自分が心地よくいられることだと答える人は多いと思います。私もそうです。
    そうではない幸せの形が、この小説の中にあります。

    こんな人生を歩んだ人のモデルになった中澤有美子さん、ラジオで声を聞いたことしかありませんが、とても素敵な女性です。ラジオもぜひ聴いてみてほしいです。

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    2022年02月16日
  • お金のある人の恋と腐乱

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    ネタバレ

    したたりそうに熟れて美しい表紙や題名が想像をかきたてる。連作短編集。上流の人ってこんな世界で生きてるんだろうか。お金以外のところに不自由な印象を受けた。
    ・反行カノン・・・冷静な田鶴子さんが可愛い男子高校生の藤沢さんに恋する話。田鶴子さんは高校生がハマるほどステキな女性なんだろうなあと想像。
    ・フレンチ・カンカン・・・田鶴子さんの夫の妹、栞さんと藤沢先生。上流に暮らす栞さんの心が空洞のように感じる。
    ・三幕アリア・・・お手伝いさんの娘、牧子ちゃんと偶然食事を一緒にした藤沢さん。大金持ちでダンディーで最後までステキだった。牧子ちゃんの幼くて一生懸命な思いがせつなかった。
    ・輪舞・・・田鶴子さんの遠縁でお花の家元の長女、澪さんが色々疲れてバリ島へ。2話に出てくるPさんと、インドネシア人と日本人のハーフの藤沢くんとのあれこれ。何て大人なお付き合い。最後に澪さんは家元を継いで3話の藤沢さんとご結婚!澪さんお幸せに。

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    2021年02月07日
  • 謎の毒親(新潮文庫)

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    じっくり、じんわり読める。お手紙方式をとっているからか、余白があって、なおじんわり、とした読後。ひとことで表せない、家族というものについて。複雑な心境を、「謎」という言葉が置き換わって、ミステリーの様相も呈して進む。家族と他人、人間のつながり、感情の持って行き場、昇華のされ方。良かった。

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    2020年11月21日
  • 結婚は人生の墓場か?

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    この小説は僕にとって危険すぎる
    悪い意味で個人的にインパクトを受けたということで、評価5

    出版社に務めていて年収は1000万を超えるにもかかわらず、不自由な結婚生活を強いられている小早川という男の話

    お嬢様として育てられた妻は、日本語が話せるけど独自の論理思考を持つため一般的とは異なったコミュニケーション能力が必要
    そしてそのリクエスト内容も優先順位が決まっていると思われるが、夫の小早川は釈然としないものを感じる
    度重なる引っ越しによる住宅家のローンと過大な教育費、そして意味不明な妻のリクエストの解読
    散歩に行こうとするものなら、そんな事よりも家の中のあれをして欲しいこれをして欲しいと自由な時間は一切ない


    やべぇ、自分の夫婦生活を追体験したようで読んでいて手が震えた
    ちゃんとした医者に行ったらPTSDって言われるレベルじゃなかろうか?
    そのくらい私にとっては恐ろしい話だった

    この小説をフィクションと思わず、世の中には頭のおかしい女がいるという事を世間は知っておいたほうがいいと思う

    小説独自の気持ち悪いところは、犬に関するエピソード
    登場人物の一人と同じく吐き気をおぼえた
    雪穂はペットを飼う資格のない人だよな
    そして、一見円満に見える親子関係もそれを踏まえるととても恐ろしい風景に見えてくる


    個人的にはホラー小説だよこれは

    京極夏彦の「厭な小説」の一遍「厭な彼女」に通じる怖さ
    会話が成り立っているようでまったくのコミュニケーションができていない

    人間と同じ姿形をした違うナニカみたいだな

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    2020年11月18日
  • 謎の毒親(新潮文庫)

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    不可解な話の連続でホラー小説でも読んでいるかのような気味の悪さをたびたび感じたけれど、それらの謎に対する回答者たちの推理が見事で、なるほどこんな見方があるのかと感動すら覚えた。
    特にタクシーの話は意味不明すぎて頭痛がしたけれど、その回答が特に素晴らしくて電車内で思わず「なるほどなあ」とつぶやきが漏れてしまった。
    エピソードも回答もすべてが面白いし、綺麗な文体のなかに垣間見えるシニカルさもまた良くてとても楽しませてもらいました。

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    2020年03月26日
  • 謎の毒親(新潮文庫)

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    ウチはウチ、ヨソはヨソ。
    誰でも一度は聞いたことがありそうな言葉ですが、この言葉と共に葬り去られた「謎」が、世の中に一体どれ程あったのでしょうか。

    主人公ヒカルがいうように、虐待というのは違うような、でもすんなり受け入れることは不可能、といった両親の謎の言動について、投稿という形で相談と回答が交わされます。
    これを読んだ人の反応は大きく3つに分かれるのではないでしょうか。信じられない派、わかる派、そんな酷い?派です。(一部重なることはあると思いますが)
    しかしながら、本書において、この両親が酷いかどうか、謎の解決というものはあまり重要ではない気がします。
    最後の方に書かれているように、親子の縁は切れないので脱却はできない。でも軽減することはできる。この小説も脱却物語ではなく軽減物語でした。
    ヒカルはずっと自分の中にしまっていた両親の「謎」を大人になってやっと取り出し、正解は無いのを承知で、文容堂の人達の回答と共に少しずつ整理していきます。

    心のキズにも、見えやすいものと見えにくいものがあると思いますが、この小説はそんな自分でも分かっていないキズを浮き彫りにしてくれるような、もやもやした何かに形を与えてくれるような本だと思います。


    にしても、自分も似たような事があったにもかかわらず、特にキズになっていない所をみると、親子の数だけ形があるという事でしょうか。
    自分の親は毒親ではないと思うのですが、ヒカルの両親に対する振る舞いが自分とそっくりなのが謎といえば謎でした。
    毒親でないなら、もしや自分が毒子?(そういうものがあるのかは知らないのですが)なのか。

    正直読んでいて苦しい本でした。そして良書。

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    2020年01月18日
  • 何が「いただく」ぢゃ!

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    食の雑誌『dancyu』の連載をまとめた異色の食エッセイ
    「好きなものの魅力を伝えたい」という意思が伝わってきます。
    高価な珍味ではなく、身近な、普段口にするものを「いかに食べるか、いかに飲むか」の切り口で、様々な読者に伝わるよう、工夫しながら語ります。
    僕は、どちらかというと食にはこだわりがなく、酒も飲まないのですが、平素ネットでの批判や、糾弾形のニュースばかり目にして疲労が溜まっていたところ、こんな語り口調の一冊が、オアシスのように感じられて、心地が良かったです。

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    2019年09月04日
  • ドールハウス

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    ネタバレ

    普通の恋愛小説と思って読んでたら、普通の恋愛小説ではなかった、というか恋愛小説と思って書かれては無いんですね これ。

    ちゃんと伏線はあったけど、何も疑わずに読んでた、普通に結ばれるエンドかと思ってた。

    主人公は、親から逃げる為に、相手の男性を無理やり好きだと思い込んでる。感じかな
    親からも、相手の男性からも逃れることで、自分を確立できたね。

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    2019年07月23日
  • 謎の毒親(新潮文庫)

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    幼い頃の両親の謎な行動について、主人公が相談投稿し、返信をもらう、という構成の作品です。

    私はモラハラな父親と過保護な母親という「毒親」育ちなのですが、読んでいてツライ部分もあり、読み飛ばしてしまったところもあるのですが、回答の文章に救われて泣けました。

    タイトルに「毒親」とつけるところに作者は悩んだかもしれませんが、私のように「毒親」と付いているから手に取った人もいるはずです。

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    2019年07月09日
  • レンタル(不倫)

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    軽薄さと甘ったるさにチョップ!
    けど、軽薄さと甘ったるさを取ったら、世の中はスカスカになっちゃうなぁ。
    「しおしおのぱー」が思いの外、面白かったから、星を五つにしよう。

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    2019年05月27日
  • 喪失記

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    姫野カオルコ。凄まじい作家だ。

    主人公のような人物を、現実には「こじらせた」人と言うのだろう。しかし、小説の中では、その凄まじさはたとえようがない。

    これでもか、これでもかとつらいエピソードが続く。
    性の貧困は、自分観の貧困、人間関係の貧困も招くからだ。

    その中でも後の救いとなる、大西と食べるシーンは量感的で圧倒される。

    あとがきを読んで、初めて主人公が救われたことに気付く。身体を取り戻したのだ、と。大西のおかげで。

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    2019年05月14日
  • ドールハウス

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    読んでいてもどかしく、苦しくも、最後の主人公の痛快な笑いによって、読後は救われる小説。題名の通り、まさに現代の『人形の家』か。

    あとがきにあったように、未熟を掬う(救うではない)物語である。的確に描写する=掬うほど、救いになることはない。その順番を間違えてはいけない。

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    2019年05月10日
  • 謎の毒親(新潮文庫)

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    こんな面白い形の小説読んだことがない。形式も面白いし、内容もめちゃくちゃ面白い。そして、出てくる親の行動が本当に謎としか言いようがなくて、まさに「謎の毒親」。ただ、読んでる自分が男であり父であれば、このおかしな父の行動の中にほんの少し自分を垣間見たりもするかもしれないし、それは痛みを伴うかもしれない。相談相手からの回答は示唆に富んでいるし、これは、というような慧眼と言える内容もあって、とても深みがある。単に毒親を描いただけではない読み応えのある凄い小説だと思う。面白かった。

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    2019年02月07日