川上和人のレビュー一覧
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川上和人さんの本は2冊目。
前の本に続いて言い回しが面白くて、馴染みのない鳥類学の話でも楽しく読める。
印象に残ったことは2つある。
①結果だけではなくプロセスにも価値がある
②生物にはそれぞれの役割があり、皆に輝ける場所がある
①結果だけではなくプロセスにも価値がある
冒頭のコンニャクの話や、本書内に散りばめられた研究のエピソードから、華々しい結果の裏には、たくさんの人の汗と涙があることが分かる。
科学の世界も、私がいるビジネスの世界も、結果がすべてという風潮があるが、そうは思わない。
「誰が何を思って行動したか」で、結果も変わると思うのだ。
例えば本書では、計画が上手くいか -
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Posted by ブクログ
鳥類学者といっても具体的に普段どういった仕事をしているのかいまいちイメージが掴みにくいところがあるが、その疑問を楽しく解消させてくれる本。
特に孤島での調査は詳細が想像できていなかったので、待ち時間に何をしているかから始まり具体的に島ではどんなことをするのかまで知ることができて興味深かった。
あと印象に残っているのは生態系に関する話。
特定の生物を保護して外来種を排除するという簡単な話ではないことはなんとなく想像できるけど、実際どういった事例があるのかを読みやすく楽しい文章で教えてくれる。
この人の本はいつも文章が面白くて読んでて楽しいので好き。 -
Posted by ブクログ
バード川上のエッセイである。
彼の研究そのものよりは、それに付随するというかそれまでにいたるあれやこれやが軽妙な筆致で書かれていて、とても面白い。
そのものよりと書いたが、かなり肉薄していて細やかな内容の話も含まれている。研究の手法などもわかりやすく説明されているし、研究内容についても結構詳しい。けれども、お勉強的かというと、そうではない気がする。じゃあ、具体的にどうなのかというと、なんかこう難しい。
面白い本。
それだけは確かなのに、ではその面白さを具体的に書こうと考えると、スルッと手元から逃げてしまう。とてもふしぎだ。ただ、これだけはいえる。
この本は面白い。 -
Posted by ブクログ
鳥類学者のフィールドワークの大変さや鳥類学の有用性などを、とにかく面白おかしく知ることができた。
鳥たちの楽園である島は、必ずしも人間にとっての楽園ではなかったり。島での調査があっという間に灰燼に帰してしまったり。
いや~大変なお仕事だぁ〜。
キョロちゃんに関する脳内講座では、学者さんの思考過程を楽しくなぞらせてもらった。キョロちゃん、ナマズ丸のみの可能性、、、!?
受動的に鳥学道が始まり、舌先三寸と八方美人を駆使して、受け身の達人として、多くの仕事を引き受ける。でもそこには情熱もあって。心と体のフットワークの軽さに感心する。そこにシビれる!あこがれるゥ!
そして何より
鳥、、、めっち -
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」から何冊か読んでいる、川上本。
今回は無人島でいままで人が定住したことがない、南硫黄島の探索がテーマ。島全体が生物学的な標本で「人の手を入れない」保存がされている、南硫黄島。川上氏は10年前の探索に続き二回目の上陸を果たす。
自然相手、生物相手にデータを取り観測を行うのがどれだけ大変なことかが描かれる。南硫黄島、硫黄島、北硫黄島、それぞれの自然相の違い、それをつなげる海鳥の行き来。外部からの刺激を取り込み、受け止め、それを自らの自然相とする。自然の奥深さが描かれる。
近年の観測では、ドローンが多用され、空中から海鳥の営巣を確認するなど多様