川上和人のレビュー一覧

  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    研究者が美しい論文や人生を変えた論文を語るアンソロジー。時にそれは高い壁であり励ます存在でもあるのだと感じた。論文を「作品」と表現した箇所があり納得。理学系に馴染みがない方にはやや読みにくいかもしれないが、研究者の人生、論文への愛を感じられる稀有な一冊だ。

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    2025年11月28日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
    大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて

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    2025年11月24日
  • 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)

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    川上先生、今回は小笠原諸島。鳥のことを話すには島のことを話さねばならず、島のことを話すには鳥のことから始めねばならない。(ちなみに、鳥と島の誤植はなかった。)
    タイトルからして、読まないわけにはいかない。その話術も、その論の展開も、そのトリビアの披露のしかたもみごと!
    修飾や修辞を取り去ったら、全身の毛を刈られたスタプーみたいに、かなり痩せちゃうんですけど、ね。

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    2025年10月22日
  • トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ

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    2018年刊。そんじょそこらのトリビア本にあらず。あの川上和人プラス専門家2人という執筆陣。そこに鳥好きの漫画家マツダユカが加わっている。
    トピックスは83。1トピックあたり見開き2ページ、洒落た解説に4コマのカラー漫画、そして3行のつぶやき。申し分のない構成。
    たとえば、「ミミズクのミミは耳じゃない」というトピック。ミミズクのミミのように見えるのは羽角(うかく)。耳は別のところにある。川上センセいわく、「食パンのミミに聴覚的機能がないのと同様に、ミミズクのミミも耳ではありません」。最後には、「そういえば、トトロにもミミがありますが、位置的に耳ではなさそうです」。

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    2025年10月18日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    噴火によりできた西之島や小笠原諸島の島々での調査、そして著者の日常について。
    学者さんの書いた小難しい本だと思っている人、その認識間違ってます。
    とにかくユーモアのある文章で綴られているので、フィールドワークや研究について楽しくスルスルと読める。そして、こんなに楽しくサラッと書かれているけど、大発見だったりするからすごい!

    著者の言葉のセンスが独特で毎回ツボ。
    第四章 「鳥類学者、カッパと戯れる」は特に笑った。単語のひとつひとつが可笑しい。仮説というか妄想というか、まさかカッパの祖先や進化について読むことになるとは。

    ユーモアたっぷりの研究者の本はやっぱり面白い。
    未知の世界が広がっていて

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    2025年09月03日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    なんと「小説新潮」に連載。2023年1月号~24年12月号、24回分。小説よりもはるかにおもしろい。
    冒頭「はじめに」では、飛島、粟島、舳倉島でのフィールド調査の話。悪天候のせいで、なかなか島には行きつけない。これもフィールワークの醍醐味か。(しかし、島と鳥は紛らわしい。これに烏が加わると、スペルミスがあってもすぐにはわからないや。)
    息抜きの回もある。NHKラジオの「子ども科学電話相談」の出演の回と、筑波で開催された日本鳥学会の回がそれ。どうしてこれだけおもしろい話になってしまうのか、不思議だ。

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    2025年08月24日
  • 鳥類学は、あなたのお役に立てますか?(新潮文庫)

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    鳥類学者・川上和人さんによる“鳥類学エッセイ”シリーズ第2弾。

    前回よりも筆がノリノリな気がする。

    覚えておいた方がいい事メモ
    ・著者はナッツが好き   
    ・著者はパンはミミ派   
    ・オニには角があるが肉食の可能性がある   
    ・上陸前に「噴火は収まりました」とは口にしないほうがいい   
    ・魔法の呪文は「オガサワラカワラヒワ」

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    2025年08月08日
  • 鳥類学は、あなたのお役に立てますか?(新潮文庫)

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    魔法の呪文はオガサワラカワラヒワ!

    子ども科学電話相談の鳥担当、バード川上のエッセイ!相変わらず文が上手で読みやすいから読書初心者にも動物好きにもおすすめ!鳥の話がメインではあるけど、例え話が先生の好きな映画やアニメばかりでたのしーい(*ˊ˘ˋ*)映画好きにもおすすめだね!

    鳥の専門家なのに専門用語があまり出てくることも無く、柔らかい表現が多いのがさすが!この本で鳥への興味が増す人多いんじゃないかな

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    2025年07月30日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    2025年出版。鳥類学者だが、学者としての研究力よりも一般向けの周知・普及が得意と自覚している筆者による本。学術誌とは良い意味で大幅に違う。様々に鳥類の事が描かれていながら、専門性に過ぎず読んでいて眠くならない。脱線と言うか、話の展開がおもしろいなぁ。鳥とは全く関係の無い妄想や経験なども書かれていて飽きさせない。でもやっぱり頭良いんだなぁ、と自然に思わされる。楽しく読ませて頂きました。

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    2025年07月29日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    居ながらにして、離島の学術冒険旅行に
    ご同行させていただける鳥類学者の川上和人さん。
    今回も まごうことなき抱腹絶倒の学術調査という名の冒険旅行を堪能させてもらえました。

    今回印象的であったのが
    第五章 鳥類学者は屋内でも羽ばたく
    の「2 ラジオに出ようよ」の「ラジオ子ども電話相談室」でのエピソードたち、
    その時の川上先生と子どもたちのやり取りと息づかいが届いてきます。

    きっと この子どもたちは
    鳥のことだけでなく、これからの地球のことを
    考えていく人間になっていくことでしょう。

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    2025年07月22日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    島々を巡る鳥類学者が綴った科学エッセイ、第3弾。
    相も変わらず著者の脳内&活動は目まぐるしい様相をしめす。
    そんな研究者の日常を、小ネタを交えて綴る。
    ・はじめに こんにゃくドリフト
    第一章 鳥類学者は窮地に笑う
    第二章 鳥類学者は偶然を愛し偶然に愛される
    第三章 鳥類学者、エデンを夢見る
    第四章 鳥類学者、カッパと戯れる
    第五章 鳥類学者は屋内でも羽ばたく
    ・おわりに 鳥類弱者の心得

    鳥類学者は今日も頭を巡らせ、行動する。
    島を巡る研究の話に、映画やコミックの言葉を投下する。
    それでも、ちゃんと鳥類学に戻る、面白真面目なエッセイ。
    日本海沿岸の島々では、猫のマシュマロを拾いまくり、
    噴火で

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    2025年07月12日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    鳥類の話もあるが、研究の小ネタもいっぱいあって面白い。
    西ノ島の研究の話は以前海洋生物で少し聞けたが、この本で鳥類の研究も知れるとは思っていなかったので読めて嬉しかった。鳥類は飛来できるので戦略が異なっていて興味深かった。
    アナドリでハワイと日本は地理的隔離はないのにも関わらず、貧栄養海域が障壁となっていたというのが面白い事例だなと思った。
    川上さんの研究領域の専門性だけでなく、様々な本や映画が内容に組み込まれていて、表現が好きだなと思った。他の本も読んでみたい。
    あと発想の転換や、一見関連がなさそうなものからヒントを得るようなところがすごいなと思い、読みながら感心する箇所が多かった。

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    2025年07月11日
  • 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)

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    鳥類学者。
    存在しているだろうと言う事は想定しても、実際どんな人かは知らない?
    著者は偶然にも自分と同い年。
    なので、彼の自虐がストレートに伝わり面白かった。

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    2025年06月16日
  • 鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない

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    あいかわらずめっちゃおもろい、川上先生本
    そして、いつ見てもエエシャツ着てますよねぇ
    学会でもすんごい目立つ柄のシャツきてるんで、
    ちょっと嬉しくなりますねぇ。作業着みたいな人多いんで。
    そんなことはともかく、同世代、鳥屋、映画と特撮とアニメその他、
    なんせ分野が被り倒しているので、文章悉くツボってきます。
    とりあえず、オープニングから現住地の島の話ですし、
    たまりませんな。しかも、ラジオも聴いてますがな!!
    特にこの前の生き物空想バトル最強対決はめちゃおもろかった。
    まあ、そんなことはともかく、
    研究者の研究と妄想の面白いところを余すことなく
    垂れ流、、いや、シェアしてくださっているところに

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    2025年05月28日
  • 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)

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    このエッセイを読んでみて一番感じたのは言葉の選び方がうまく、鳥類学という馴染みのない世界のことでも時に突っ込んでみたくなったり、時に専門家的に書いてありメリハリがあって読みやすかった。
    途中で紹介のために鳥のイラストがあるけれども、鳥の名前のをほとんど知らない私はスマホ片手に名前を調べながら読んでいたが、調べながらの方が鳥がどんな色をしているかなど詳しく知ることができてよかったとかんじた。
    途中で某お菓子の鳥について真剣に考察しているときには笑ってた

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    2025年04月13日
  • 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)

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    面白い!
    もう、語りがとても魅力的。面白い先生の生物の授業を受けている感じです。
    カールに話も最後まで聞けてよかった笑

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    2025年03月23日
  • 無人島、研究と冒険、半分半分。

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    絶海の孤島、南硫黄島への二回にわたる実地調査の様子を描くエッセイ。筆者の軽妙な語り口で愉快な道中のように錯覚してしまうが、状況を想像するとだいぶハードであったことがうかがえる。
    現地の調査の様子が描かれているのはは2007年と17年の二回。四半世紀ぶりの調査となり、ルート構築や外来種問題などへの配慮など手探りな状況で行われた初回の調査、ノウハウが溜まりある程度洗練された工程と10年の間に発展したテクノロジーにより新たな発見も生まれた二回目の調査はどちらも面白い。
    次回の調査は2027年だろうか。どのような新しい発見があるのか楽しみだ。ライブ配信とかされないかな。通信の関係で無理か。

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    2024年11月18日
  • 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)

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    ジャンルはなんでしょう?
    お仕事体験談?ノンフィクション?いや、フィクションもあるかも・・・。


    なんて、とても楽しく読めた。
    昭和感たっぷりの、逆に知らない人は勝手に置いていく我が道を進む態度に好感を持つ。

    知る人ぞ全く知らない鳥類学。
    あってもなくてもいいのかもしれない鳥類学。いや、ないと気付かぬところで足掬われそうな、そんなニッチな学問。


    楽しいから再読中。
    恐竜も読むよ。

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    2024年09月05日
  • トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ

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    友人に「面白いよ」と紹介してもらいました。専門家が一般人の興味をそそりそうな野鳥にまつわる面白い話をたくさん掲載しているトリビア本。雑学をちょちょっと集めて書いたトリビア本ではないので、とても読み応えがあるのです。
    その上、マツダユカ氏のマンガがめちゃくちゃ面白くて、電車の中で読んでたらちょっとヤバかったと思う。私はカイツブリの育児の話が好き。

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    2024年08月25日
  • 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)

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    書き口が巧みで笑ってしまう。軽くておもしろいです。研究のためなら絶海の孤島から熱帯雨林まで。過酷な環境で知への探求が止まらない。極めるってかっこいい。

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    2024年08月31日