川上和人のレビュー一覧
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理論物理学、微生物学、幹細胞発生学、宇宙物理化学、生命流体力学、地質学・岩石学、火山学、古脊椎動物学、代数幾何学、ニュートリノ天文学など、様々な分野の19名の理系研究者が「偏愛論文」について語るアンソロジー。
自分は文系で、理系の学問についてはあまり縁がない中、いろんな研究分野のユニークな論文のエッセンスが知れてとても興味深かった。また、研究というものの面白さを改めて感じた。
中でも、川上和人「そういえば、最近ケンケンしてないな」、仲野徹「衝撃と痛恨の秘話 幹細胞の可塑性とは何だったのか」、西本昌司「スカスカ・グサグサの岩石」、小林快次「羽を生やした恐竜」、小林武彦「私の愛する論文たち 老化は -
Posted by ブクログ
とても面白かった。小笠原諸島に生息する固有種の海鳥の調査をメインに研究されている鳥類学の先生のエッセイ。
小笠原諸島に属する火山島、西之島で大規模な噴火が起こり、島の生態系が一旦リセットされるという事態が起こる。マグマが流れ火山灰が降り注ぎ、生物のいなくなった島に、新たなる生物が漂着し新たなる生態系が産まれる奇跡の一幕に立ち会うために鳥類学者は島を目指す。
絶滅に瀕した固有種の鳥の調査のためにあちらこちらの無人島へフィールドワークに出かけたり、出かけた先で見つけた骨や羽毛をなんとなく採取して保管しておいたり、鳥の分布、鳥の形、鳥の生態について、とにかく脳が手すきな間も四六時中研対象のことを面 -
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Posted by ブクログ
初めましての本屋さんの棚で、面白いタイトルだと思い購入しました。
めちゃくちゃ笑ったし恐怖しました!
これは素晴らしい作者さんに出会ってしまった、と大型書店さんで追加で著書を2冊購入し、安心して最後まで読み終えました。
知らない世界の事ばかりで、本を読んで世界が広がっていく感覚をこれでもかと味わいました。
早く次の本を読みたいけれど、この1冊の余韻にもう少し浸っていたいから、別ジャンルの本を読もうかなー。
いやしかし、この本を読んで鳥類学者になりたかった鳥好き人間かのような錯覚になっているので、
急いで買いに行った2冊のうちの1冊を読みたいと思います! -
Posted by ブクログ
しまった、農繁期なのでまたもや見逃していた、新しいエッセイが出ていたのか。みんな私より先に読んでいたのかと思うと、なんか悔しい。そして今回も、Kazuさんのレビューに敵わない。
猫丸さんのレビューを読むと、こども電話相談室の回答者ばかりではないラジオ出演があったり、検索すると色々な読み物も出てきて、ずいぶん遅れをとってしまったことがわかった。
前回は川上先生の、ちょっと難しめの本を読んでいたので、またお気楽に読める本があるのは嬉しい。
西之島の話だが、どうやら論文発表するまで本に詳しい内容を書くことはできないらしい。(だから前回→『無人島、研究と冒険、半分半分』→あんなに遅かったの??)
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勉強が足らず理解出来ないところもあったけれども、とても面白く、また魅力的な着眼点に満ちたアンソロジーだと思う。
博士たちが愛してやまない論文を紹介している。
実にシンプルである。
しかし、博士たちが愛しているだけあって、その多様さは目を見張るものがある。
博士たちは論文を愛している。博士いわく……
その論文は美しい。
その論文は執筆した科学者の野心と信念が詰まっている。
その論文はこの分野においてすばらしく重要だった。
その論文は卓越した面白い他にない着眼点でもって作成された。
その論文は結果的には誤謬であったが、この論文があったからこそ反証的に研究が進み発展した。
その論文はいまは亡き仲間が -
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今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて -
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2018年刊。そんじょそこらのトリビア本にあらず。あの川上和人プラス専門家2人という執筆陣。そこに鳥好きの漫画家マツダユカが加わっている。
トピックスは83。1トピックあたり見開き2ページ、洒落た解説に4コマのカラー漫画、そして3行のつぶやき。申し分のない構成。
たとえば、「ミミズクのミミは耳じゃない」というトピック。ミミズクのミミのように見えるのは羽角(うかく)。耳は別のところにある。川上センセいわく、「食パンのミミに聴覚的機能がないのと同様に、ミミズクのミミも耳ではありません」。最後には、「そういえば、トトロにもミミがありますが、位置的に耳ではなさそうです」。 -
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噴火によりできた西之島や小笠原諸島の島々での調査、そして著者の日常について。
学者さんの書いた小難しい本だと思っている人、その認識間違ってます。
とにかくユーモアのある文章で綴られているので、フィールドワークや研究について楽しくスルスルと読める。そして、こんなに楽しくサラッと書かれているけど、大発見だったりするからすごい!
著者の言葉のセンスが独特で毎回ツボ。
第四章 「鳥類学者、カッパと戯れる」は特に笑った。単語のひとつひとつが可笑しい。仮説というか妄想というか、まさかカッパの祖先や進化について読むことになるとは。
ユーモアたっぷりの研究者の本はやっぱり面白い。
未知の世界が広がっていて -
Posted by ブクログ
島々を巡る鳥類学者が綴った科学エッセイ、第3弾。
相も変わらず著者の脳内&活動は目まぐるしい様相をしめす。
そんな研究者の日常を、小ネタを交えて綴る。
・はじめに こんにゃくドリフト
第一章 鳥類学者は窮地に笑う
第二章 鳥類学者は偶然を愛し偶然に愛される
第三章 鳥類学者、エデンを夢見る
第四章 鳥類学者、カッパと戯れる
第五章 鳥類学者は屋内でも羽ばたく
・おわりに 鳥類弱者の心得
鳥類学者は今日も頭を巡らせ、行動する。
島を巡る研究の話に、映画やコミックの言葉を投下する。
それでも、ちゃんと鳥類学に戻る、面白真面目なエッセイ。
日本海沿岸の島々では、猫のマシュマロを拾いまくり、
噴火で -
Posted by ブクログ
鳥類の話もあるが、研究の小ネタもいっぱいあって面白い。
西ノ島の研究の話は以前海洋生物で少し聞けたが、この本で鳥類の研究も知れるとは思っていなかったので読めて嬉しかった。鳥類は飛来できるので戦略が異なっていて興味深かった。
アナドリでハワイと日本は地理的隔離はないのにも関わらず、貧栄養海域が障壁となっていたというのが面白い事例だなと思った。
川上さんの研究領域の専門性だけでなく、様々な本や映画が内容に組み込まれていて、表現が好きだなと思った。他の本も読んでみたい。
あと発想の転換や、一見関連がなさそうなものからヒントを得るようなところがすごいなと思い、読みながら感心する箇所が多かった。