川上和人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
鳥類学者のフィールドワークの大変さや鳥類学の有用性などを、とにかく面白おかしく知ることができた。
鳥たちの楽園である島は、必ずしも人間にとっての楽園ではなかったり。島での調査があっという間に灰燼に帰してしまったり。
いや~大変なお仕事だぁ〜。
キョロちゃんに関する脳内講座では、学者さんの思考過程を楽しくなぞらせてもらった。キョロちゃん、ナマズ丸のみの可能性、、、!?
受動的に鳥学道が始まり、舌先三寸と八方美人を駆使して、受け身の達人として、多くの仕事を引き受ける。でもそこには情熱もあって。心と体のフットワークの軽さに感心する。そこにシビれる!あこがれるゥ!
そして何より
鳥、、、めっちゃ好きですやん。 -
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」から何冊か読んでいる、川上本。
今回は無人島でいままで人が定住したことがない、南硫黄島の探索がテーマ。島全体が生物学的な標本で「人の手を入れない」保存がされている、南硫黄島。川上氏は10年前の探索に続き二回目の上陸を果たす。
自然相手、生物相手にデータを取り観測を行うのがどれだけ大変なことかが描かれる。南硫黄島、硫黄島、北硫黄島、それぞれの自然相の違い、それをつなげる海鳥の行き来。外部からの刺激を取り込み、受け止め、それを自らの自然相とする。自然の奥深さが描かれる。
近年の観測では、ドローンが多用され、空中から海鳥の営巣を確認するなど多様されているよう。実際の探索では島の山頂まで探索ルートを切り開き、捕まることのできるロープなどを設置してそれを頼りに鳥類学者や昆虫学者が実地調査を行う。(調査終了後はロープ類はすべて撤去される)
「バッタを倒しにアフリカへ」「バッタを倒すぜアフリカで」も自然相手の観測がどれほど大変か、同じ背景の本で、本書を読んで思い出した。
ドローン画像をみた、学者連の感想は、「僕らの見たのは探索路の周辺の線上のものにしかすぎないんですね」。
次回、今回の探検から10年後の調査が待たれる。 -
Posted by ブクログ
「無人島、研究と冒険、半分半分。」から約2年。
調査結果の報告には何年もかかるので、前作でも調査プロセスを細かく書いていた。
生態系調査に無人の「西ノ島」を選ぶという着眼点は良かったが、2013年の噴火で陸地の99%が溶岩に覆われてしまった。
2019年には新たな観察のためカメラや録音機を設置してきたが、2020年の再噴火で機材だけでなく島自体が破滅した。
研究テーマは「植物も虫も絶滅した土地にどのようにして生態系が生まれるのか」に変わった。
研究成果はずっと先まで出ない。
しかし、地球上でこんな環境はないのだから、とてもラッキーなことだとポジティブに捉えなくてはならない。
島は溶岩と火山灰に覆われてしまったので陸上生物だとエサがない。
しかし周りの海には魚がいて、海鳥には食料がある。
死んだ鳥はどうなるかと言うと、以前なら虫や細菌に食べられていたが、今や風化するだけになっていた。
そんな環境だが、5種類の海鳥が生きていて繁殖までしているのが観察できた。
ここに根付いた海鳥の糞や、別の土地から来た鳥が運んできた虫や植物の種が、「西ノ島」の新たな生態系を作っていくのでしょう。
海鳥の繁殖が上手く進み数が増えると予想したが、以降の調査で繁殖に失敗していることが分かる。
どのように繫栄するかでなく、どのように絶滅するかの歴史を見るようで心配になる。
10年や20年では殆ど何も分からないでしょうが、人的影響を極力排除した「西ノ島」が今後どうなっていくのか調査報告が楽しみ。
なお、2020年にはいつ絶滅してもおかしくない程の危機だったオガサワラカワラヒワだが、
ネズミ駆除の対策が功を奏し個体数が回復してきているらしい。
オガサワラカワラヒワは、西ノ島でなく、無人島の母島列島だけで生きながらえている鳥だ。
保全活動を続けてくれている人たちに(*ᴗˬᴗ)⁾⁾感謝❤ -
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
-
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
感想としては、めっちゃ鳥好きやん、が最初に思い浮かぶ。
こういう本を自分も書きたいなと思う。日頃の自分の仕事や、自分の仕事の体験を切り取って面白く描く。他の人が気付きにくいことを伝える。ユーモアを交えて書く。面白くて気付きになる記事とか本を書きたい。
森見と似たような文体やなと思った。列挙の時に3.4個目からふざけ出す点とか、めっちゃふざけた内容をいかにも真面目なトーンで説明したりとか、自虐の中に自己肯定があったりとか。伝えたいことは伝わるようにかく。しかも面白く書く。そんな方針がありそうで良い。
この人はいっぱい本を出してる。たしかに売れそうな本やった。他にも読んでみたい。まあでもゆっくりでいいかな。
今回、エッセイ?をちゃんと読んだのは初めてかもしれん。思考の生理学はエッセイかもしれんが。こういう本を自分は書きたいと思ってるんかもしれない。いっぱい読みたいと思う。
今回の読書は堅苦しくなく、楽しく、気づくことが多くてとてもよかった。 -
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
鳥類学者の著者が、小笠原諸島の更に南の無人島である南硫黄島の自然環境調査隊に参加した一部始終を纏めた1冊。著者の作品に触れるのは3冊目です。
個人的に、島への憧れのようなものは持っているのですが、火山列島のような絶海の孤島感のある島(まぁ列島なんで孤島じゃないですが)はちょっと怖さの方が先に立ちますね。。
さて本著、著者の軽妙な語りにはより磨きがかかり、純粋に娯楽として楽しめる1冊に仕上がっています。
まず、「鳥類学者」に抱くイメージとお茶目な文体のギャップ。挟まれる写真やイラスト。「ちょっと脚色」された文章(どの程度なんでしょうね(笑 等々。
「読むぞ!」とスイッチを入れていなくてもすーっと入ってくる文章で、1章も短めなので、寝る前にちょっと読むのにピッタリです。
そして、娯楽と言いながらも単に笑えるという意味の面白さだけでなく、知的側面で考えさせられる面白さも備えているのが良いところ。
鳥類学者としての匠の目が存分に発揮され、元有人島であった北硫黄島を「南硫黄島のパラレルワールドなのだ。もしも南硫黄島に人が住んだらどんな世界になるのか。そんな運命の分岐点の反対側を見せてくれる島だ。」と表現するのは思考の深さを感じさせます。
無人島に調査隊が踏み入れることを「自然に対してインパクトを与えながら、そのマイナス以上の成果を出さなくてはならない」と評したのも、なかなか研ぎ澄まされた言葉でカッコ良いなぁ!と感じました。
鳥好きだけでなく、島好きや旅好きにもオススメできる1冊です。
しかし、南硫黄島とまでの贅沢は言わず、その手前の小笠原諸島まででも旅行に行ければ良いんですが、ハードル結構高いんですよね。。同じ「都内」なのになぁ。。 -
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ猫丸さんのリンクから、川端裕人さんのレポートを読めてとても面白かった。感謝です。川上和人さんは、鳥類学者だけれど、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 鳥獣生態研究室 主任研究員、という肩書きをお持ちなのです。
森林の研究機関で、なぜ海鳥を?という疑問も、こちらで解決できます。
この本はなんと、2007年と2017年の、あの南硫黄島の調査を書籍化したものだった。NHKのドキュメンタリーで見た、あれ・・・見てません?随分昔の出来事だが、私はよく覚えている。当たり前だが、とても放送できなかったキタナイお話も、この本では余すところなく語られている。さらに10年後といえば2027年だが、はたして川上和人先生は三たび上陸を果たされるだろうか。
あいかわらず好調な書きっぷりだが、なにしろかなり以前の話である。なんだかなぁ。それでも、今さらながら記録してくれたことはありがたい。私も、ずいぶん前に入手しておきながら、つい面白そうな小説に手が出て、なかなか読もうとしなかったことは反省する。
詳しいことは、kazuさんのレビューがあまりに秀逸なので、もうここで書くことがないです。(やる気が・・・) -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
第1章 いつも見かける気になるあいつ
第2章 食べることとは、生きること
第3章 鳥たちの恋愛事情
第4章 育て!鳥の子
第5章 けっこうすごい鳥のからだ
第6章 鳥にまつわるエトセトラ
<内容>
鳥に関する様々なトリビアを1ページにマンガ、もう1ページに解説という感じで紹介していくもの。2018年刊なんですね。鳥については調べているつもりですが、身の回りの野鳥ってけっこう知らないことだらけ。またこないだ読んだ「鳥の会話」に関する対談集で、シジュウカラの文法がわかったって書いてありましたが、この本を読むとどうも2018年頃には鳥業界では周知の事実だった感じがしました。 -
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
以前読んだ「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」が面白かったのでこちらも!
上陸調査がほとんど行われたことのない絶海の孤島・南硫黄島。二度に渡る学術調査の様子や鳥類学者視点での発見などが綴られています。
相変わらず「はじめに」から面白い書きっぷりでした。
クスクス笑いながら知見を深められて、まさか伏線回収まで体験するとは!
知らないことだらけ、目からウロコでした。
自然豊かに木が生い茂ってるのが原生だと思ってたら、そうじゃない場合もあると知ったのも驚き。
南硫黄島→北硫黄島と調査を進め、その目で現地を見て比較出来たからこそ導きだせた事実。
人を筆頭にすべての存在が影響を及ぼしあって生態系が変化していくんだと、しみじみ感じた。
そのなかでも小笠原諸島における海鳥の機能の大きさがすごい!!
すごい事が書かれているのに小難しくなく、こんなに楽しく読ませてしまう川上さん、本当にすごいです。
ユーモアとともに知的好奇心を満たしてくれる読書時間でした。
それと…、今回カツオドリの可愛さに目覚めてしまいました♪
-
無人島、研究と冒険、半分半分。
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
西ノ島については2021年9月に再調査を予定していたが、8月14日に再噴火し、2022年、2023年も10月に噴火しているため調査保留になっている。
現在の西ノ島の生態系が気になるところですが、本書の舞台は西ノ島でなく南硫黄島です。
川上さんは鳥類学者だから、クロウミツバメやシロハラミズナギドリなど鳥に着目していますが、
調査には昆虫学者や植物学者もいるし、記録班のカメラマンも同行しています。
プロの登山家も、研究者の登山ルートを作ったり、水や食料やテントを運んだりと大活躍しています。
ここは自然保護地域なので、エベレストやヒマラヤと違いお金を払えば来れる場所ではありません。
調査結果だけでなく、調査のプロセスが詳しく書かれていました。
未開の地の調査なので、思いがけないトラブルにもいろいろと出会っています。
例えば、息をすると大量のコバエが口内に侵入してくるなど、凄まじい光景が目に浮かびました。
本書の情報自体は新しいものではなく、2007年と2017年の南硫黄島の調査記録をようやく書籍化したものでした。
NHKと都立大学(首都大学東京)も参加した調査なので、何年か前にNHKスペシャルで観た人もいるでしょう。
書籍化は南硫黄島に関する講演会の後で、一人の少女から「この島の本があれば読みたい」と言われたことがきっかけのようです。
あとがきに「この本はあの時の少女に捧げたい。」とも書いてあって、だから川上さん特有の(若者には通じない)おやじギャグがないことにも納得しました。
###
パラパラ漫画も楽しめました!