川上和人のレビュー一覧
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「無人島、研究と冒険、半分半分。」から約2年。
調査結果の報告には何年もかかるので、前作でも調査プロセスを細かく書いていた。
生態系調査に無人の「西ノ島」を選ぶという着眼点は良かったが、2013年の噴火で陸地の99%が溶岩に覆われてしまった。
2019年には新たな観察のためカメラや録音機を設置してきたが、2020年の再噴火で機材だけでなく島自体が破滅した。
研究テーマは「植物も虫も絶滅した土地にどのようにして生態系が生まれるのか」に変わった。
研究成果はずっと先まで出ない。
しかし、地球上でこんな環境はないのだから、とてもラッキーなことだとポジティブに捉えなくてはならない。
島は溶岩と火 -
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感想としては、めっちゃ鳥好きやん、が最初に思い浮かぶ。
こういう本を自分も書きたいなと思う。日頃の自分の仕事や、自分の仕事の体験を切り取って面白く描く。他の人が気付きにくいことを伝える。ユーモアを交えて書く。面白くて気付きになる記事とか本を書きたい。
森見と似たような文体やなと思った。列挙の時に3.4個目からふざけ出す点とか、めっちゃふざけた内容をいかにも真面目なトーンで説明したりとか、自虐の中に自己肯定があったりとか。伝えたいことは伝わるようにかく。しかも面白く書く。そんな方針がありそうで良い。
この人はいっぱい本を出してる。たしかに売れそうな本やった。他にも読んでみたい。まあでもゆっ -
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丸山ゴンザレスとか高野秀行氏の文章を彷彿とさせるようなコミカルなタッチで、冒険譚と研究話が楽しめる二度も三度も美味しい本。南硫黄島という日本人の99%以上が踏み入ったこともない無人島で鳥類の生態研究をするという話。若干、悪乗りというかウケ狙いの箇所はあるが、それは本を楽しくするためのご愛敬。
ー 場所によって繁殖する種類が異なっていた。海岸ではカツオドリやアカオネッタイチョウ、オナガミズナギドリが繁殖していた。標高500mには彼らはおらず、代わりにシロハラミズナギドリがいた。そして山頂ではクロウミツバメが見つかった。
ー この標高による違いの背景にある条件を考えてみる。すると、彼らの体重と -
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鳥類学者の著者が、小笠原諸島の更に南の無人島である南硫黄島の自然環境調査隊に参加した一部始終を纏めた1冊。著者の作品に触れるのは3冊目です。
個人的に、島への憧れのようなものは持っているのですが、火山列島のような絶海の孤島感のある島(まぁ列島なんで孤島じゃないですが)はちょっと怖さの方が先に立ちますね。。
さて本著、著者の軽妙な語りにはより磨きがかかり、純粋に娯楽として楽しめる1冊に仕上がっています。
まず、「鳥類学者」に抱くイメージとお茶目な文体のギャップ。挟まれる写真やイラスト。「ちょっと脚色」された文章(どの程度なんでしょうね(笑 等々。
「読むぞ!」とスイッチを入れていなくてもすーっ -
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ネタバレ猫丸さんのリンクから、川端裕人さんのレポートを読めてとても面白かった。感謝です。川上和人さんは、鳥類学者だけれど、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 鳥獣生態研究室 主任研究員、という肩書きをお持ちなのです。
森林の研究機関で、なぜ海鳥を?という疑問も、こちらで解決できます。
この本はなんと、2007年と2017年の、あの南硫黄島の調査を書籍化したものだった。NHKのドキュメンタリーで見た、あれ・・・。随分昔の出来事だが、よく覚えている。当たり前だが、とても放送できなかったキタナイお話も、この本では余すところなく語られている。さらに10年後といえば2027年だが、はたして川上和 -
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ネタバレ<目次>
第1章 いつも見かける気になるあいつ
第2章 食べることとは、生きること
第3章 鳥たちの恋愛事情
第4章 育て!鳥の子
第5章 けっこうすごい鳥のからだ
第6章 鳥にまつわるエトセトラ
<内容>
鳥に関する様々なトリビアを1ページにマンガ、もう1ページに解説という感じで紹介していくもの。2018年刊なんですね。鳥については調べているつもりですが、身の回りの野鳥ってけっこう知らないことだらけ。またこないだ読んだ「鳥の会話」に関する対談集で、シジュウカラの文法がわかったって書いてありましたが、この本を読むとどうも2018年頃には鳥業界では周知の事実だった感じがしました。 -
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以前読んだ「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」が面白かったのでこちらも!
上陸調査がほとんど行われたことのない絶海の孤島・南硫黄島。二度に渡る学術調査の様子や鳥類学者視点での発見などが綴られています。
相変わらず「はじめに」から面白い書きっぷりでした。
クスクス笑いながら知見を深められて、まさか伏線回収まで体験するとは!
知らないことだらけ、目からウロコでした。
自然豊かに木が生い茂ってるのが原生だと思ってたら、そうじゃない場合もあると知ったのも驚き。
南硫黄島→北硫黄島と調査を進め、その目で現地を見て比較出来たからこそ導きだせた事実。
人を筆頭にすべての存在が影響を及ぼしあって生 -
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西ノ島については2021年9月に再調査を予定していたが、8月14日に再噴火し、2022年、2023年も10月に噴火しているため調査保留になっている。
現在の西ノ島の生態系が気になるところですが、本書の舞台は西ノ島でなく南硫黄島です。
川上さんは鳥類学者だから、クロウミツバメやシロハラミズナギドリなど鳥に着目していますが、
調査には昆虫学者や植物学者もいるし、記録班のカメラマンも同行しています。
プロの登山家も、研究者の登山ルートを作ったり、水や食料やテントを運んだりと大活躍しています。
ここは自然保護地域なので、エベレストやヒマラヤと違いお金を払えば来れる場所ではありません。
調査結果だけ