西尾維新のレビュー一覧
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微刀『釵』収集後、不要湖の探索を終えた七花ととがめが
次に向かった先は、出羽は天童の将棋村。
心王一鞘流の道場と、道場の看板である王刀『鋸』を
一人で守る汽口慚愧と二人は出会う。
一筋縄ではいかない汽口との勝負に苦戦する七花だが――。
またその裏では、否定姫の懐刀であり、
元忍者という経歴の謎の男・左右田右衛門左衛門による
真庭忍軍への粛清は静かに続いていた!
「刀語」の第九話。
物語中でも触れられているが、刀集めに関しては、
今回、久々にお決まりのパターンに戻った感じ。
とがめが最後に奇策を打って勝利を収めるわけだが、
どうにも卑怯な策だという印象が拭えなかったが…。
否定姫と右衛門左衛門の存在や、炎刀『銃』の存在、
そして、ラストでとがめが言及していた、
旧将軍が刀狩を行った真の目的など、
いくつかの不気味な要素が徐々に目立ってきて、
終盤に向けてのキーポイントになりそうな予感。
ここまで来ればあとはもうラストスパート。
残り三話。楽しみである。 -
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土佐で七実を打破した七花ととがめは尾張に帰り、
否定姫と会見し、四季崎記紀について重要な情報を得る。
そして向かったのは江戸の不要湖。
人一人住まない、がらくたで埋め尽くされたその場所を
百年以上もの期間、守護し続けてきた日和号。
七花ととがめは、変体刀収集のために日和号に挑む。
その一方で、否定姫の腹心・左右田右衛門左衛門は
真庭忍軍に接触し、そして正体を明らかにする――。
「刀語」の第八話。
今回は、変体刀収集のシーンよりも、
否定姫サイドの動きに重きが置かれていて、
微刀『釵』はあっさり収集できてしまった感じ。
ただ、それでも微刀『釵』収集の過程において、
七花の人間性が開花する様子が描かれ、
この物語の中盤におけるひとつのテーマであった
七花の人間性の獲得は完全に達成したようだ。
そして、今回多くのページを割いて語られた
否定姫サイドの思惑、企みや
右衛門左衛門の正体と真庭忍軍との関係など、
こちらも物語に良い刺激を加えてくれそうな雰囲気。
この第八話で中盤が終了。
いよいよ終盤に向けてラストスパートである。
次回以降、どんな展開が待ち受けるのか楽しみだ。 -
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死霊山を壊滅させた「化物」の存在を知り、
急遽進路を変更した七花ととがめが向かった先は、
刀大仏が鎮座する剣士の聖地・清涼院護剣寺。
そこで待っていたのは、七花のただ一人の肉親であり、
「見る」だけで相手の能力のすべてを吸収する天才・鑢七実。
悪刀『鐚』を携えて立ちはだかる姉に、
七花は果たして勝つことができるのか――。
「刀語」の第七話。
四月に、真庭虫組を相手取って大暴れをしてくれた
規格外の天才・七実と七花との直接対決。
悪刀『鐚』のせいで、より厄介な相手となっているわけだが、
対決の流れとしては割といつもどおりで、
思ったよりあっさりと決着がついてしまう。
とがめの奇策が重要な役目を果たすわけだが、
奇策らしい奇策をとがめが打ったのは
刀語が始まって以来初のことではないだろうか。
姉弟対決が行われている傍ら、
否定姫とその腹心・右衛門左衛門や
真庭忍軍にも新たな動きがあり、
物語も半分を過ぎて、いよいよラストに向けて
様々な流れが交差して結びついていくか、といった感じ。
七実の手によって、トレードマークであった
長い白髪がばっさりと切られてしまい、
図らずもイメチェンすることになってしまったとがめ。
物語の流れだけでなく、こういったキャラの特性も一新して
新しさを作り出そうとするあたり、
キャラ重視の作家・西尾維新らしい計らいだと言えよう。
とにかくこれからはラストに向かって一直線。
果たして何が起きるのやら。楽しみである。 -
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刀語の第六話。
七花ととがめが図らずもやってきたのは蝦夷の踊山。
次の収集対象は、この地に住む凍空一族が所有するという双刀『鎚』。
二人が出会った凍空一族の少女・こなゆきの怪力に
果たして七花は打ち勝つことができるのか――。
そして真庭忍軍や、尾張の否定姫の動向やいかに――。
毎月発行の大河ノベルもいよいよ6ヶ月目ということで、
すでにすっかり軌道に乗ったという感。
基本的には同じ流れで話は進むものの、
そこは西尾維新、当然まったく同じ形を
何の芸もなく繰り返すということはしない。
前回あたりから顕著になってきた、七花の内面の変化や、
真庭忍軍との関係の変化、そして次第に明らかにされる
謎の女・否定姫のキャラクターなど、
新展開はしっかり用意されていて飽きさせない。
次回の話も非常に気になるところだし、
半ばを過ぎてもなお、「刀語」から目が離せない。 -
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刀語の第五話。
七花ととがめが次に収集するのは、
西洋の鎧を模した、絶対的な防御力を誇る刀、賊刀『鎧』。
その所有者である校倉必からの提案によって、七花の心は揺れ動く。
果たして七花は校倉に勝利できるのか――。
刀語も五話ともなるとそろそろマンネリかと思いきや、
毎回少しずつパターンが違うので面白い。
今回は、否定姫という新キャラによるてこ入れをはじめ、
今まで噛ませ犬扱いだった真庭忍軍との関係のかすかな変化、
そして初めて対決の際に葛藤する七花など、
微々たる変化ではあるものの飽きを感じさせないつくり。
まぁ、あまりにぶっ飛んだパターンを前回見せられたので、
ただオーソドックスなパターンに戻っただけなのが
新鮮に見えているだけなのかもしれないが。
今後の展開に興味を持たせる「引き」の演出も欠かさず、
やはり西尾維新、一定のクオリティを下回ることはないようだ。 -
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講談社BOXレーベルが送る、大河ノベル第3弾。
四季崎記紀の完成形変体刀を収集する七花ととがめが
三本目の収集対象として選んだのは、千刀・ツルギ。
その所有者は、出雲の三途神社の長・敦賀迷彩――。
ちなみに、「ツルギ」は表示できないから
やむをえずカタカナ表記になっているだけであって、
本当は、金偏に「殺」で「ツルギ」と読む。
第3弾ともなると、この「刀語」のパターンにも慣れてくる。
あくまでひとつの大きな物語のうちの一章なのであって、
原稿の枚数制限などもあるのだから、
このくらいのクオリティがもしかしたら限界かもしれない。
もちろん、決してクオリティが低いという意味ではないが。
毎回毎回、刀の所有者としてゲストキャラが登場し、
その過去などがある程度描写されるのだが、
紙幅の都合からか何なのかわからないが、
ちょっとその描写が薄いような印象を受ける。
枚数を費やせば費やすほど、厚みのある人物描写が
果たして可能になるかといえばそうでもないので、
紙幅の都合を理由にするのは逃げのような気もするが。
次から次へと出てくる刀の異常な性質などは面白い。
来月は、第1話からその存在が予告されていた
日本最強の剣士・錆白兵が登場。
非常に楽しみである。 -
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12ヶ月連続刊行“大河ノベル”の「刀語」第二話。
四季崎記紀の変体刀収集の旅を始めた七花ととがめが、
最初に収集する対象として選んだのは斬刀「鈍」。
その所有者は、因幡砂漠にそびえる下酷城の城主・宇練銀閣!
第一話よりも、いつもの西尾作品らしさが色濃く出てきた。
冒頭からいきなり馬鹿っぽい掛け合いがあったり、
とがめのキャラがツンデレの様相を呈してきたり。
クオリティは相変わらずといったところだが、
それはいつもどおりという意味であって、
特に突出して面白い作品だった、ということはない。
まぁ、ひとつの物語の第二話なのだから、
それで良いのだろうとは思うけれど。
第一話でもそうだったが、今後の展開を予告するような、
ともすればネタをバラしているとも取れるような
そんなポイントが多々あり、否定派も多いようだが、
これは読者に対してネタを割っているというよりも、
「このあとはこう書くぞ」と自分に言い聞かせるための、
戒めというか備忘録のような役割ではないかと思う。
そういった「予告」どおりに話が進むことを期待したい。 -
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講談社BOXが放つ前代未聞の一大企画、
12ヶ月連続刊行“大河ノベル”の第1弾。
伝説の刀鍛冶・四季崎記紀の鍛えた十二本の変体刀を求め、
刀を使わない剣士・鑢七花と、奇策士・とがめが
様々な敵と繰り広げる戦闘を描いた時代活劇。
12ヶ月連続刊行という企画の性質上やむをえないことだが、
一冊一冊は比較的薄い本になっている。
しかしそれはあくまでページ数に限った話で、
肝心の内容は決して薄くはない。
戦闘のシーンにおいても、必ず“意外な結末”と
“その結末にいたる必然性”が描かれるのは
西尾維新ではすでにおなじみ。
様々な特徴を持った十二本の刀や、その所有者、
そして主人公・七花ととがめの間にある因縁など、
この先の展開が気になるような設定がたくさんあり、
「刀語」は絶好のスタートを切ったという印象。
この“大河ノベル”、内容が面白くても、
きちんと12ヶ月刊行し続けなければ意味がない。
ちゃんと一年後、無事完結していることを祈りつつ、
第二話「斬刀・鈍」の刊行を待つとしよう。 -
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一言、痛い。
高校生の頃にブログを書いていて、それを見た友人に「お前痛いやつになったのかと思った」と言われた苦い経験を思い出した。そう、文章はスルスル書けるときが一番危ないのだ。深夜に書き上げたラブレターやほろ酔い気分で打ったメールなんて見返してはいけない。絶対に。特にブログのような自己完結的文章は放っておくと修復不能なまでに痛々しい状態になる危険を孕んでいるので、より一層の注意を払う必要がある。
──なんてことに気付けなかったあの頃。そしてそのまま前出の友人の言葉が今でも頭から離れないわけで、「痛い」ということに敏感な反応をするようになってしまった。
しかし、今作『零崎双識の人間試験』は面白い。痛いのに、面白い。というより、痛いから面白い。少年漫画的なバトルのノリにミステリーの手法を取り入れて小説の持つ言葉の力を遺憾なく発揮した何でもありのエンターテイメント、と言えば聞こえはいいが、実際問題その極端なネーミングや台詞まわし、表紙や挿し絵の二次元万歳な雰囲気など、何はなくともオタクっぽさは隠せないし隠れない。じゃあなんだよって、結局のところ「オタク=マニアック」という見方で「そういうもの」として読んでしまえば楽しんだ者勝ちみたいなところがある。
個人的には「ジョジョ(の奇妙な冒険シリーズ)を拗らせて小説にしてみました」という雰囲気を漂わせる、言葉遊び上等な殺伐とした日常を描いた漫画より漫画的でさえある青春エンタメ小説だと、今のところは認識している。青春真っ只中に読んだ時の情熱はもう存在しないが、醒めた目で見るこの世界観は、これはこれでいいものだな、と他シリーズへの再読欲が湧き上がってきてしまった。
痛い台詞、痛い名前、痛い展開、痛い会話、痛い口癖、痛い人物、痛い表現、痛い小説……最高じゃないか。
【キーワード】
少年と針金細工、哺乳動物の宿命、自殺志願、舞姫様、変態蟷螂男、殺人狂、日本全国変態の日、空繰人形、殺人鬼と殺人初心者、放浪癖、四番目の登場人物、間違った天性、むらっ気、無駄な戦い、大失敗作、欠陥製品、世迷言、行き詰った男
【主要人物】
零崎双識、零崎人識、無桐伊織 -
Posted by ブクログ
“「『だって宗像くん』『さっきからずっと仏頂面で』『にこりともしないじゃん』
『滅多に笑わないのが格好いいと思っているのか』
『世界と相容れない自分を拗ねているのか知らないけれど』
『それじゃあ過負荷<マイナス>とは言えないぜ』
『思い通りにならなくても』『負けても』『勝てなくても』『馬鹿でも』
『踏まれても蹴られても』『悲しくても苦しくても貧しくても』
『痛くても辛くても弱くても』『正しくなくても卑しくても!』
それでもへらへら笑うのが過負荷<ぼくたち>だ!!」”
鴎くん初登場にしていきなりの表紙ですか。
“「ん そう言えば一人になるのは久し振りだな
二歳の頃からずっと善吉が私の味方だったからな
いやそれ以前も兄貴やくじ姉は一緒にいてくれたからな
本当の意味での一人というのは初めてか……
ふむ 話には聞いていたが一人というのは意外と——」
「『意外と楽でいい』だよね?
一見美しい決別のシーン
みたいだけれど人吉くんと阿久根さんじゃずいぶん対応が違うじゃないの
ごめん私ちょっとわからないんだけど
それ お前の中でどんな風に帳尻があってるわけ?」
「…貴様何者だ?
私も数々の椅子に座ってきたがこうもたやすく後ろをとらせたことはなかったぞ」
「私は鶴喰鴎
悪いがそのまま振り向かずにいてくれると嬉しいんだ
私は女子と面と向かうと固まって動けなくなるぞ」”