河合雅司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少子高齢化について非常に理解が深まった。
現役世代は是非とも一読してもらい、この問題を今一度認識してほしい。2017年発行の本書だが、現在の日本を予言している。
「静かなる有事」これが本書のキーワードである。
静かなる有事とは人口減少にまつわる日々の変化は極めてわずかであるが、ゆっくりと確かな足取りで日本国民一人ひとりの暮らしが蝕まれてゆくことである。
多くの産業で人手不足と嘆いているが、5年後10年後はさらにそれは加速する。人手不足は切り離せない問題で、合計特殊出生率が改善したとしても増加には転じない(本書p44)ため、人手を増やすことは現実的に難しい。
歴史的にもここまで急速な少子高齢 -
Posted by ブクログ
「縮んで勝つ」という逆転の発想ともいえるタイトルに惹かれ購入。
人口減少が避けられない今日にあって、現状生じている、生じ得る問題について8割近くのページが割かれている。少子高齢化の引き起こす課題を改めて確認するところからはじめてくれるので、時事問題について調べている方にもおすすめができるポイントだ。
本書の魅力は最後の最後、後半2割ほどのページだろう。長年、人口減少問題に関わってきた著者ならではの、切れ味ある解決へのヒントが満載であるが、新鮮であるがゆえに採用するのには相応の決断が求められるだろう。
多くの人が当事者意識を持つという点においても、現状の我が国が直面する困難を知るという意 -
Posted by ブクログ
読むのが面倒だったのでおおまかに頭に入れようと漫画を読んだ。
うーむ…結局避けられない少子高齢化の流れから言えば、親が死んだら地方銀行から預金が引き上げられて銀行が消滅したり、タワーマンションが天空の老人ホームになったり、ドライバー不足で通販が買えなかったり、消費税25%で高負担低福祉になったり、孤独死で無縁仏になったり、子どもが生活習慣病になる(これについては疑問が残るが?)という話も、まあある話かもなぁという感じ。
本編の本も読みたくなったが、ただ何点か疑問に感じていることもある。本を読んでそこが整理されるといいのだけど……。
例えば、学校で運動部の合同チームが結成されるという話だが、これ -
Posted by ブクログ
【文章】
とても読みやすい
【ハマり】
★★★★★
【気付き】
★★★★・
2050年から人口は減少する。
飢饉、自然災害、戦争、感染症などの外圧によってではなく、自分たち自身の選択による人口減少は、人類史上初めての経験。
先進国だけでなく、発展途上国でも出生率は低下傾向にある。
出生率低下の原因は、都市化と女性の教育水準の上昇。
経済合理性の観点で考えた場合、子供を産むことは、農業社会では「投資(働き手が増える)」であるが、都市社会では、「負債」になる。
女性に対する教育水準が上がるほど、子供の数が減る。
田舎暮らしは環境負荷が高い。
人々が暮らす場所は集約した方がエネルギー効率が -
Posted by ブクログ
「少子高齢化はもうそこまで来ている」とメディアが無責任に煽るため、漠然とした不安感だけが漂い、みんなが何となく解ったような気持ちになっている日本。これに対して、少子化と高齢化は別の問題であり、子供の数を増やす効果的な対策を打ってもその効果が出てくるのは何十年も先だから、高齢者数がピークを迎える2042年には具体的にこんなことになるよ、と例示して警鐘を鳴らしてくれる本。認知症患者数の増大、献血必要量の不足、東京郊外のゴーストタウン化、空き家が2000万戸を超える、老朽化したインフラの維持費不足、死亡者数のピークと火葬場不足、自治体の消滅危機、などなど。本の後ろ3割はこれに対する対策提言となってお
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Posted by ブクログ
『未来の年表2』河合雅司氏
【購読動機】
世の中の需要の変化、それにともなう事業構造の変化を知りたかったこと。2018年の執筆ではあるが、2023年だから「旧い」とするのではなく、状況認識の整理に当てたかったため。
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【こんなひとにおすすめ】
1)今、世の中で起こっていることを網羅的に知りたい。
2)1)が身近な生活様式にどのようなマイナス、プラスになるか?を知りたい。
3)具体的に何を目的にどのように考え、行動することが準備につながるのか?を知りたい。
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【書籍内容】
河合氏はジャーナリスト出身で、近年は大学で教鞭をとっている方です。冒頭でおっしゃっているとお