あらすじ
日本人は50年で半減…現状維持はできない。
「直近5年間の出生数は毎年4.54%ずつ減少」――。このペースで減り続ければ、日本人人口は50年で半減、100年後に8割減となってしまう。もはや少子化を止めることはできず、日本社会の激変は避けられない。“不都合な現実”に対し、われわれはどうすべきか。
〈日本社会が目に見えて崩壊を始めている。要因は、言うまでもなく人口減少だ。
ところが、政府も地方自治体も対応がことごとく後手に回っている。的を射ていない対策が幅を利かせ、効果が表れるどころか、むしろ状況を悪化させる政策も目につく。
もはや、日本の人口減少は止めようがない。100年もすれば日本人は8割近くも減る。本来、政府が取るべき政策は、この不都合な現実を受け入れ、人口が減ることを前提として社会を作り直すことである。
日本という国家が残るか消えるかの瀬戸際にあるのだ。われわれは大一番に打って出るしかない。〉
(「はじめに」より抜粋)
答えは、人口減少を前提とした社会への作り替えだ――。
独自の分析で四半世紀前から警鐘を鳴らし続けてきた人口問題の第一人者が「縮んで勝つ」という“日本の活路”を緊急提言する。
(底本 2024年8月発売作品)
※この作品はカラーが含まれます。
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Posted by ブクログ
「縮んで勝つ」という逆転の発想ともいえるタイトルに惹かれ購入。
人口減少が避けられない今日にあって、現状生じている、生じ得る問題について8割近くのページが割かれている。少子高齢化の引き起こす課題を改めて確認するところからはじめてくれるので、時事問題について調べている方にもおすすめができるポイントだ。
本書の魅力は最後の最後、後半2割ほどのページだろう。長年、人口減少問題に関わってきた著者ならではの、切れ味ある解決へのヒントが満載であるが、新鮮であるがゆえに採用するのには相応の決断が求められるだろう。
多くの人が当事者意識を持つという点においても、現状の我が国が直面する困難を知るという意味で必読の書ではなかろうか。
Posted by ブクログ
小手先のゼロサムゲームではなく、人口減少を所与として政策を考えねばならない、という著者のメッセージが貫かれている。本書を読んでからは、TV、新聞で流れるニュースの見方が大きく変わった。すべての日本人にとは言わないが、全ての政治家に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
この新書を思いっきり要約すれば、、、
日本の人口減少はもう避けられない。
移民に頼っても無駄、女性を働きやすくして、
道州制を引いて地域単位で成長しよう。
企業は生産性を上げよう。海外にも出よう。
ってなとこか。
言ってることは道州制だけど、その言葉を使わなかったところを見ると、
著者は大前研一さんの弟子ではないな。
人口減少により起こるであろう悲惨な日本の未来をこれでもかと提示しているわりに、
解決策はプアな気がした。というか、これしか書けないだろうな。
私は人口を増やす政策もまだありうるような気もするんだけど、、、
安心して若い夫婦が3人以上の子を産む政策。
広い家、適切な労働時間、通勤時間、家事時間、
子育てに関する費用の無償化、つまりベーシックサービスの導入。
・・・これを実現するためには、
東京一極集中をやめ、
地方企業が競争力、付加価値の高い製品を作る、
ことが必要、、、
あ。結局著者の解決策と近くなる。
ついでに戸籍法をなくし、夫婦別姓は当たり前にするどころか、
結婚していなくても当たり前に子が産めるようにする、
憲法や法律を改正して同性婚を認める。
的な環境も大事だと思うね。
今話題の国民民主党の103万円の壁、
本丸は130万円の壁のはず。立憲民主の言う通り。
パートでも何でも存分に働けるようにしないと、
労働力が足りるはずがない。
年金受給者の労働も同じだね。月50万稼ぐと年金がもらえない。
そりゃないよ、だ。
それと、農業。
日本の農業をずたずたにしてきたのは間違いなくアメリカ。
アメリカの属国でいる以上は農業は立ち直れない。
ここからだよな、、、
結局、すべての政治の無策が少子化につながるんだよね。
当然か。
そうして滅びていく、、、
反転させたい!
著者のように、人口減少を前提に、とは素直に受け入れられない。
はじめに──人口減少を前提として未来を創造しよう
第1部 100年で日本人8割減
第2部 見えてきた日本崩壊の予兆
「線路」を残して「住民」消える
──赤字ローカル線“延命策”の末路
路線バス廃止で各地が“陸の孤島”へ
──地価下落、高齢者は足止め
地方空港は開店休業?
──パイロット不足で飛行機が飛ばなくなる日
「空気」を運ぶトラック運転手の悲哀
──人手不足による「物流崩壊」のウラ事情
本日も「空っぽの郵便ポスト」を確認中
──ユニバーサルサービス維持へ“現場はつらいよ”
水道料金は平均5割アップへ
──「地方ほど生活費が高くつく」現実
学び舎は遠くになりにけり
──小中学校統合後に「20キロ以上通学」の子が1割
東大生がそっぽを向いた
──「官邸主導」が招いたキャリア官僚離れ
出生数ゼロ自治体は職員の「なり手」なし
──「安定した勤務先」で起きている“真の地方消滅”
「議員報酬の低さが原因」という勘違い
──地方選挙で「立候補者不足」が拡大中
空き家解消で「地方」を襲う不幸な未来
──移住促進で“ポツンと5軒家”をつくってはいけない
「2つの老い」が生み出す“高齢住宅難民”
──老朽化マンションの住民が迫られる「厳しい現実」
日本を襲う飢餓クライシス
──「20年後に農業従事者8割減」という悲惨な未来
「買い物難民」5人に1人は東京圏
──食品スーパー撤退で老後の“サバイバル戦”勃発
医学部の定員増が“医師不足”を生み出す皮肉
──医師偏在を引き起こす「患者不足」
「全世代社会保障」という幻想
──就職氷河期世代の高齢化で困窮世帯が激増
第3部 人口減少を逆手に取る
【第1の活路】外国人依存から脱却せよ
──量的拡大という「成功体験」を否定する──
【第2の活路】女性を「安い労働力」から「戦力」に転換せよ
──労働集約型ビジネスモデルは続かない──
【第3の活路】「従業員1人あたりの利益」を経営目標とせよ
──生産性向上で個々の「稼ぐ力」をアップさせる──
【第4の活路】商品を高付加価値化せよ
──「薄利多売」型のモデルは通用しなくなる
【第5の活路】中小企業も独自に海外へ進出せよ
──日本ならではの“キラーコンテンツ”を輸出する──
【第6の活路】全国に30万人規模の「独立国」を構築せよ
──地方自治体の単位で物事を捉えない──
【第7の活路】「地域」を戦略的に縮めよ
──「人口集積の二層化」という勝ち残り策──
おわりに──「次なる一歩」に向けて
Posted by ブクログ
日本の現状はよく分かりました。
縮んで勝つ方法はかなりざっくりしてきますが、小規模生活圏は出来るところにはすでに出来つつあって、賢い人からそういう所に移り住んでいる印象です。
Posted by ブクログ
注意推計によれば、2070年には7760万人になる。毎年91万人の減少。外国人では賄えない。積極的に受け入れても、中途半端な規模に終わる。
受け入れるなら高度人材を受け入れて、成長させるべき。
生産年齢人口のピークは1995年だが、就業者数は増加した。これからは伸びは期待できない。
新卒は20年後に3割減。人手不足が解消しても、消費が減る。
個々人の稼ぐ力をアップさせる。
薄利多売は通用しない。高付加価値化。
中小企業も海外へ進出するべき。
人口30万規模の独立圏を考える。東京一極集中を是正しても全体が減るので焼け石に水。子ども向け政策を充実しても、既存住民向けのサービスは劣化する。市町村を超えた生活圏。交通網が要。
国交省は10万人であれば医療、交通の提供が可能としている。人口減を考えると30万人程度でスタートすべき。
拠点への集住をさせるには、2地域居住を推進するべき。
Posted by ブクログ
人口減少という問題をそろそろ自分事として捉える必要があるのではないでしょうか。現代の上がりまくった生活水準(例えば、24時間空いているコンビニ、すぐ来る通販、定時に来る電車…)が人手不足という理由で成立しなくなる未来が近くに来ています。
だからって子供を産まない人は非国民だとは言い過ぎだと思うけど、それは個人の自由に委ねるべきだとは思うけど、人口減少というメガトレンドに合わせた動きは各自行うべきでしょう。
Posted by ブクログ
付加価値型にとか、人の生産性あげるとか、もう何十年言ってるんだろう。働きたい人がこれだけいるのに人手不足とか、若くないと採用しないとか、企業側のやり方は変えないままでゆっくりと死んでいってもらえばいいのだけれど。押さえつけないでくれればそれでいい。
食料の買い負けと農業者の減少それでも新規就農も移住も慣習で縛る農村。筆者は地域ごとの人口集約を提案している。薄利多売せざるを得ない事業は社会貢献として一人当たり付加価値の高い事業とバンドルで残す。30万人生活圏。二地域居住で集約する際に、共助を条件に移住者を優遇する。
無理があるのが当たり前なんだけどなかなかそういう風には受け取ってもらえないだろうなあ。