あらすじ
47都道府県はもはや維持できない。20年後の日本人はどこに暮らしているのか? 累計75万部超の『未来の年表』シリーズ著者最新作!映画に登場するゴジラが大都市を次々と破壊していくように、人口減少は、10年後、20年後の日本のどの地域を、いつごろ、どのような形で襲っていくのか?今回は、これまで誰も本格的に試みることのなかった2つのアプローチに挑んだ。1つは、現在を生きる人々が国土をどう動いているのかを追うこと。もう1つは、「未来の日本人」が日本列島のどこに暮らしているのかを明らかにすることだ。2045年までに全自治体の人口がどう変動するかをまとめた、最新版の「日本の地域別将来推計人口」が公表されて以降、その詳細を深堀りした一般書はなかった。本書はその先陣を切るものである。
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Posted by ブクログ
もはや日本は地方創生などという甘い建前を捨てて、少子高齢化と首都圏への人口集中は不可避であると諦念を持って効率よく縮小せねばならない。時間と資金が限られた壮大なサバイバルゲームのようだ。6年前に書かれた本書の予想よりも、現実はさらに加速している。
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「あれ?読んだことあるかな?」なんて思ったら、著者の「未来の年表」の方を読んでた。
今回のは2019年に発刊された同じシリーズの新しい本。
2045年には、私の住む地域は、3割人が減るらしい。
それまで増えに増え続けていた高齢化率が減少するのは、単純に人がいなくなるから。
自分の住んでいる地域の未来の数字を見るだけでも、ちょっと「なんとかしなきゃヤバイ」って思うような内容。
人口減少は2段階で進んで、地域差が際立つよ、とか
結局、日本全体の人口が減るんだから、地方同士で「住民の綱引き」しても意味ないよね。それより、「人が減っても成り立つ社会」を作らなきゃだめだよね、とか
面ではなく、点(ドット)型の国家を作っていこう、とか、
以前から著者が言っているように「戦略的に縮む」という主張に加えて、どういった自治体づくりを目標にしていくべきか。
限界自治体、破綻となるより、絶対良い選択肢だとおもうのだが、果たしてそうなる前に自治体は「戦略的に縮む」という方向に舵をきれるかな。縮むときの痛みに反発が強そう。
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人口が減り続ける日本の地図は静かに書き換えられつつある。起点は地方の空白化だ。過疎はもはや一部の地域の問題ではなく全国で進む「人の細り」である。学校や病院、公共交通が維持できず、生活圏そのものが形を変えると。都市も安泰ではない。高齢化の波が押し寄せ支える若年層はさらに減る。未来の地図を描くのは私たち自身だ。縮む社会を悲観するのではなく新しい暮らしの形を選び取る知恵が問われている。
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『未来の年表』から読んでいる著者。今回は人口減少を日本地図に落とし込むという論点で進められる未来予想。「年表」では%ではなく実数比較が有効ということだったが、本書では人口減少率を使った提言となった。大都市に人口が集中し、周辺都市は減少の一途。それは想像に難くないが、集中する大都市の住居がタワーマンションなどの集合住宅だとすると、いずれ老朽化した建物の維持費が大きな負担になり、ゴーストタウン化するのではないだろうか。
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子どもを産み育てやすい社会を作る、それは大事なことだが、すでに出産適齢期の女性の人口が減少していることは動かしようのない事実。
ますます高齢者が増えて若者が減り、これからどのような問題が起こるのか、私たちはどんな社会を作っていくべきなのか。考えさせられる。
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少子高齢化や人口減少により地域差が今まで以上に大きくなることを解説した本。
本書は、2045年までに日本各地でどのように人口減少が進行していくのかを統計データなどをもとに解説。最後に、人口減少が進むことを前提に、戦略的に縮むために地域単位で何をやるべきかを提唱しています。
25年後には市区町村はおろか、47都道府県を維持することが不可能になるかもしれません。今までの成長戦略や地方分権の考え方をリセットして、人口減少社会に合わせた国家戦略・地域戦略が求められます。
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高齢者の減少が人口減少に拍車をかける:考えれば当然だが目からウロコだった。
自分が将来、どこに居を構えるか。
現在の人口動態だけを見ていると落とし穴があることを考えさせられる一冊。
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読めば読むほど暗い気持ちになってしまう。
少子高齢化社会が到来するのはわかっていたのに放置した平成30年間のツケは大きい。
今更産めや増やせもなかろう。
現実を受け止めるしかない。
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基本的には事実を淡々と解説している印象。
東京でさえ高齢化の波や人口減少に苦しむ地域が出てくることを記しており、他人事であると感じている人にぜひ読んでほしい本であると感じた。
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『未来の年表』で有名になった河合雅司が、未来の地方について書いた一冊。
『未来の年表』と同様、少子高齢化の現在、悲観的な未来しか予測できないが、懸命に警鐘を鳴らし、かつ最後には少しでも希望を見出すべく対応策を考えている姿勢には共感する。
Posted by ブクログ
人口減の不都合な真実を公的機関から公表されているデータを用いて分析しています。趣味で、不動産の値段を調べていると都内の人気地区と例えば、関西のとある地区を比べてみたりすると、え、こんな安いの?と思うこともある。
安いのではなくて、二極化が進んでおり、今後、益々これが広がりを見せるのであれば、どこに住むのかを真剣に考えないといかんな、と。
一方、職住近接が、コロナの影響でどう変わっていくのかが今後の興味。
都内のオフィス街に勤めているが、テレワークが主体となり、週一から二回しか出社しない現状を考えると、商店街が活気があり、少し電車に乗れば繁華街にアクセスできる地域が良いかなぁと考えながら読みました。
Posted by ブクログ
大阪市や名古屋市、仙台市などの政令指定都市は近隣から人を集めているが、同時に東京圏へ人材を供給しているそうだ。そうじゃないかと何となく分かっていたことを、著者が各種統計データを読み解いてデータで示す。子供を産む年齢の女性が地方から首都圏に移動していたり、東京では高齢者がさらに住みにくくなるなどだ。
著者の主観ではなく、データが語る冷酷な現実と近い将来に戦慄する。以前から著者が提言している戦略的に縮むというのが最善の策だと思う。これからの人口減少(急激な)に対応するために、都心も地方も考え方を改めなければならない。
自分が住んでいる自治体や出身地において悲観的な未来が提示されている。もちろん、政治や民間の努力によって、座して滅ぶことはないだろう。ただし、著者の主張は、これまでの地方や東京というものを根底から変えることを要求する。かなり難しいことだが、やらなければ未来の子供たちを不幸にする。
Posted by ブクログ
人口減少に目を向けた一冊。各都道府県や自治体レベルまで落とし込んでおり、きめ細かさを感じた。
一方で、(そんなに簡単な話ではもちろんないのだが)解決策の提示がやや薄く感じた。
Posted by ブクログ
日本は東京という「外国」VSその他となるという論評。
以下雑感。
・このままだと「うちの地域は高齢化は進んでいるけどまだ人自体は多いからいいよね〜」なんて会話が現実的なりそうだ という所感
・6年前の予測でも、2035年までには秋田県の人口は19年の6割減。限界自治体が12市町村となる見込み。昨今のクマ被害により拍車がかからないか
・関西圏の人口減少、大阪府の逆ドーナツ化減少も懸念される中、大阪都構想は現実的ではないのでは?(むしろ福岡の方が副首都としての人口は維持できそう)
・拠点型国家からドット型国家への移行はまさにその通り。だが、まずは各人が(東京あるいは都市以外)の地域を深く知る、その地域に残したい資源(産業・特産品・文化・景勝)を見つける、そこに移り住んでも生活できる(多拠点生活) 助けが政策的に必要なのでは。 例)イタリア ソロメオ村
そういう意味では、市区町村は多すぎるのかもしれない(というかそもそも行政サービスが行き届かない。誰も取り残さない、リアルの場で人が介在しないデジタル化は真に人々に幸せをもたらすのか?
・以下一文は心に留めておきたい
「地方創生とは既存自治体を活性化させるための施策でもなければ、ましてや首長、地方議員の生き残りを図るためのものではない。(中略)なるべく住み慣れた地域で豊かな暮らしを続けられるようにするための政策なのだ。」
⇒その地域住民(≒多くの場合はお年寄り)をいかにして街づくりに巻き込むべきか?
・「強い日本」よりも「楽しい日本」というキャッチコピーが地方創生文脈ではしっくりくる=どのように幸福度を保ちながらダウンサイジングしていくべきか
Posted by ブクログ
人口統計ほど外れることが少ない予測はないという以前どこかで聞いた言葉が思い出された。ほぼ確定する未来に向かって、どのような舵取りを行っていくか。
Posted by ブクログ
河合雅司(1963年~)氏は、中大卒、産経新聞に入社し、同社政治部、論説委員、また、内閣官房有識者会議等の委員を務めた。大正大学客員教授。
本書は、少子高齢化が進む日本が、今後どのような社会になっていくのかを、年表のように年次毎に示し、ベストセラーとなった『未来の年表』(2017年)、その続編として、10~20年後にそのような社会になったときに、我々の身の回りでどのようなことが起こるのかを、カタログのように示した『未来の年表2』に続き、少子高齢化の影響の地域差・時間差に着目して、各地域がどのようになっていくのかを示した、第3弾である。
私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、『未来の年表』、『未来の年表2』と併せて本書を手に取った。
本書のアプローチは、現時点(過去数年の実績)において、人々(人口)がどのように移動しているのかを明らかにし、それと、日本全体での人口減少を踏まえて、今後30年間に、日本の人口分布がどのように変わって行くのかを分析するというものである。
人々の移動の傾向としては、基本的に、地域レベルにおいても全国レベルにおいても、周辺地域から中心都市に移動するため、地域レベルでは地方の中心都市(首都圏、関西圏を除く政令指定都市やそれに準じる都市)に人が集まり、全国レベルでは東京に人が集まる(一旦地方の中心都市に集まった人も、更には東京に集まる)ことになる。また、その移動の傾向は、高齢者よりも若い人々により顕著である。
そして、それに日本全体での人口減少が加わると、第1段階としては、地方の周辺地域の過疎・高齢化が進み、第2段階としては、地方全体(中心都市を含む)にそれが及ぶことになる。また、東京は、人口は維持されるが、郊外では高齢化が進む。
本書では各地域・都市の細かい分析がなされており、地域の特性によって多少の差はあるのだが(地方の政令指定都市でも、当面、福岡市は増加、広島市、浜松市は微減、仙台市、新潟市は大幅減など)、大きなトレンドは上記の通りである。
著者は、こうした分析を踏まえて提言をしているのだが、そのベースとなっているのは、(100%の確率で達成不可能な)「人口の維持」の方策ではなく、人口が減少してもなお国が豊かになる手立てである。具体的には、①既存自治体とは異なる、住民の自立性が高い拠点を各地に作る(所謂「コンパクトシティ」とは違うのだという)、②都道府県と基礎自治体の二層制度を見直し、都道府県に一本化する(立ち行かなくなる市町村が出てくるため)、③働くことに対する価値観を見直す、④家族単位の在宅医療・介護から脱却するために、高齢者が集団で居住する、➄東京圏を「特区」として国際競争力を高めると同時に、その収入を地方に還元する仕組みを作る、の5点。今やこのような提言は各所で行われているため、①、②、⑤などは独自色を出しているのだと思われるものの、正直なところ、あまりピンとこない。
具体的な都市名を挙げた分析は興味を惹き、明らかに「売らん哉」だった『未来の年表2』よりは読む意味はあると思われるが、随所に見られる不要に過激な表現は少々気になった。(好みの問題かもしれないが)
(2023年2月了)
Posted by ブクログ
少子高齢化が進むとして、日本全国で均質に進むわけではない。地域別にどのような時間差でどのような変化が起こるのかということを予測している。予測はできるのだから、対策をとれればいいのだろうが、そういう政治家は当選しないし、そういう政策は支持されないので、たぶんこのとおりに日本は衰退していくのだろうなと思う。年齢にも寄るが、日本を脱出できる力をつけるか、日本に居残るのであれば、都市部で快適にすごせる経済力か、田舎でじゅうぶんにくらせる人間力・生活力をつけるしかないのかも。
Posted by ブクログ
少子高齢化社会とはどんな社会なのか、漠然としていましたが、数字を根拠に提示してくれている。
日本において地域によって人口減少の速度や影響が違うという当たり前のことも意識していなかった。知識として得られて良かった。作者やしっかり読んでいる人に怒られそうだが、同じようなことを何度も書いているように思えた。
Posted by ブクログ
日本が今後どうなっていくか?
どうなるべきか?について割とわかりやすく書かれてあります。
東京と地方を分けて考える。東京は外国とみなして
対応するという観点はなるほどと思いました。
息子が、大学でグローバルではなく、日本ローカルな
社会問題を研究する学科に入って、そういう課題を
やっているのを横で見ていて、なんとなく気になりました。
Posted by ブクログ
人口政策の専門家が、予測がほぼ的中する将来の人口動態について体系的に解き明かしている。第3作目のこの本では、地理的な考察を軸にしており、地方の未来の厳しさが協調されている。出産適齢期の女性が働く場所がないことが、地方の人口減少を加速させていることがわかるが、この問題には妙案がない。著者の危機感も伝わり、個人や企業として今から何をすべきなのか処方箋のような提言もある。しかし、依然として問題を直視せず、まだ成長をあきらめきれない国の政策は続いている。