あらすじ
人口減少日本で各業種・職種や公共サービスに何が起こるのか?
実人数が減り消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われるこの国は一体どうすればいいのか?
瀬戸際の日本にこれから起きる大変化を詳細かつ大胆に描きつつ、「戦略的に縮む」という成長モデルの手順を深掘りし、「未来のトリセツ」として具体的に示す。
【目次】
序章 人口減少が日本にトドメを刺す前に
第1部 人口減少日本のリアル
●革新的ヒット商品が誕生しなくなる
――製造業界に起きること
●整備士不足で事故を起こしても車が直らない
――自動車産業に起きること
●IT人材80万人不足で銀行トラブル続出
――金融業界に起きること
●地方紙・ローカルテレビが消える日
――小売業界とご当地企業に起きること
●ドライバー不足で10億トンの荷物が運べない
――物流業界に起きること
●みかんの主力産地が東北になる日
――農業と食品メーカーに起きること
●30代が減って新築住宅が売れなくなる
――住宅業界に起きること
●老朽化した道路が直らず放置される
――建設業界に起きること
●駅が電車に乗るだけの場所ではなくなる
――鉄道業界に起きること
●赤字は続くよどこまでも
――ローカル線に起きること
●地方に住むと水道代が高くつく
――生活インフラに起きること
●2030年頃には「患者不足」に陥る
――医療業界に起きること1
●「開業医は儲かる」という神話の崩壊
――医療業界に起きること2
●多死社会なのに「寺院消滅」の危機
――寺院業界に起きること
●会葬者がいなくなり、「直葬」が一般化
――葬儀業界に起きること
●「ごみ難民」が多発、20キロ通学の小学生が増加
――地方公務員に起きること
●60代の自衛官が80~90代の命を守る
――安全を守る仕事に起こること
第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ)
ステップ1 量的拡大モデルと決別する
ステップ2 残す事業とやめる事業を選別する
ステップ3 製品・サービスの付加価値を高める
ステップ4 無形資産投資でブランド力を高める
ステップ5 1人あたりの労働生産性を向上させる
ステップ6 全従業員のスキルアップを図る
ステップ7 年功序列の人事制度をやめる
ステップ8 若者を分散させないようにする
ステップ9 「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する
ステップ10 輸出相手国の将来人口を把握する
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
より良いものをより安くは限界
強みを活かして高付加価値化
ターゲットを絞りニーズ対応
無形資産でブランド力向上
教育により
労働生産性の向上
戦略と人事戦略をアラインさせて
優秀人材は
年功でなく評価
市場は多極分散より
多極集中を
Posted by ブクログ
本書で紹介されている未来は恐ろしいが、カウントダウンは既に始まっており、実現可能性が高そう。過疎地域への若者の移住は『ワルツを踊ろう』のような感じにならずとも、色々な期待や皺寄せが若者へ向かうのは想像がつくので、方向性が違うと感じていた。『縮小ニッポンの衝撃』で知ったが、たった1人のために水道維持費が年間450万円という事態を引き起こしかねない。多くの日本人が「多極集中」と「厚利少売」マインドを持って変革していかないと、遠からず恐ろしい未来はやって来る。
Posted by ブクログ
少子高齢化、人口減少はもう避けられない中、恐ろしい現実と何ができるのか、「打ち克つ」ための具体策がとてもわかりやすく書かれている。自分の会社、組織だけ儲かればというパイの取り合いをしている方々にぜひ読んで欲しい。
Posted by ブクログ
人口減少で予想される将来予測。明るい話は一つもない。けど、沢山の人に読んでほしい。企業、公務員、政治家、それぞれの職務の中で真剣に考えている人がどれだけいるかで将来は変わっていくと思う。
Posted by ブクログ
人口減少が進む日本において、少子高齢化により企業がどのようなダメージを受けるのかを業界別にまとめてある。若手の減少、労働者の高齢化、それを補う外国人労働者も足りないと厳しい状況である。薄利多売、量的拡大モデルから脱却し戦略的に縮んでいくことが重要だとの主張だ。
Posted by ブクログ
少子高齢化しながら人口が減少していくこれからの日本の行く末が、分かりやすくまとめられていた。私が子どもの頃に思い描いた社会とは、大分違って驚いた。備えるべきところは備えたいと思う。「いいものをより安く」から「いいものを相応の値段で」という価値に変化させていかなくてはならないというところは身に沁みた。
Posted by ブクログ
■人口減少問題が世の中(主に経済・仕事)に、どのような影響を与えるのかを知りたい人向けの本
■[日本人口減少シリーズ]と同じく、データに基づきわかりやすく説明されている
■毎回感じるが、これからの社会が本当に成り立つのか、不安を抱かざるを得ない1冊
Posted by ブクログ
シリーズ最新作。稿を重ねるにつれシュミュレーションが細かく、リアリティを持ったものになっていく。
自衛隊、警察、消防など安全を守る人たちが不足する。
運送業でも運転手不足のため運べない荷物が続出する。
寺院を維持する檀家が不足するため寺が荒れ、地域の振興の拠点が失われていく。
それらは確実に起こること。できることは準備することだけ。
Posted by ブクログ
マクロ、ミクロという視点からの分析に続き今回は業界への影響が描かれている。
3部作について、正直言って少し悲観的に過ぎるように感じていたが、最初の本から5年経過している間に現実は当初予測よりも速いスピードで変化してきた。これは本当に恐ろしい。日本国民全員が自分事として認識して戦略的に縮んでいくこと、その議論に主体的に参加していくことが求められる。
自動車産業のところで、整備士を目指す人の激減やその他の不安要素による自動車産業の国内市場の縮小は、人口減少による縮小よりも大きい可能性がある、と分析している。長年自動車産業に携わってきて自分としてはよく判るが、それでも目の前の短期的な数値目標達成にこだわり、現実を見ようとしないマネジメントが居るのは大変残念である。
■いま取り組むべきは、過去の成功体験や現状維持バイアスを捨て去り、人口が減り、出生率が少なくなっていくことを前提として、それでも経済を成長させ得る策を編み出すことである。
■30代が減って新築住宅が売れなくなる。30代前半は今後30年で約3割少なくなる。これは、ほぼ「確定した未来」だ。
Posted by ブクログ
☆3.5 データ列挙だけど
日本の人口減少は不変的事実なのに、意外にわたしの周囲では考慮してない人がほとんどだ。就職においては、これほど重要な事実もあるまい。将来、需要が減るとわかりきってゐる仕事に、いま就くことがどんなに無駄なことか。
この本では、著者が収集したデータにもとづいて、2020年から数十年先の日本における人口減少の影響を推測する内容。
すでに自治体や民間企業が推測したデータを著者がひっぱりだして、データを見れば一目瞭然のことを、あらためて言ひ直してるにすぎない。あまり体系的で理論的とはいへず、人口減少での地方の過疎化などは社会学で近代化を勉強すれば当然といへる。
しかし、なかには盲点だったことが載ってゐる。たとへば、新築住宅の需要の減少、葬祭業のローカルビジネス、過疎化による人間関係の固定化など。
一方で、神社仏閣の担ひ手の減少といふ情報もあり、この近代化の世の中にあっては当然だろと思はずにはゐられなかった。
これを読むと、平成不況はバブル崩壊だけが原因ではなく、もともと人口減少も要因なのではないかとすら思ひたくなる。中国では若者の就職率が低いが、じつは今さらのことで、調べたら2000年代から変らなかった――そんな統計を思ひだした。
そもそもあらがへない人口減少に、人口を殖やさうとキャンペーンして対抗しようとするのが愚策である。いま人口が流入してよろこんでゐる地方の自治体も、目先のことしか考へてゐない。
人口減少による担ひ手の減少は、デジタルか移民でまかなふしかない。わたしは、この国の舵取りとしてデジタル化は必須だとおもふし、いづれ公務員は不足するのだから、マイナンバーカードも必要な時代が来るだらう。
Posted by ブクログ
人口動態に基づいて近い将来何が起きるかと日本はどうすべきかが書かれた本。漠然と、あるいはあちこちで見聞きしたことが、体系的に見渡せて良かった。
この本では人口だけに注目していて労働力が足りないのか余るのかがよくわからない部分があった。全体として縮む中で地域間や職種間でバランスが崩れる事をもう少しはっきり書いてほしいし、人口密度と人口規模に基づいてこの規模ならこういう形と提言があると良かったと思う。(他の国でその規模の都市でどういう生活・職業分布みたいなのが良さそう。共著に期待)。
縮む中で、規模の増加に依存したビジネス、例えば設備投資関連ビジネスは、更新需要のみになって壊滅することももっと読みたいと思う。その残念分星を1つ落としました。
Posted by ブクログ
未来に起こるであろう物流、寺院、インフラ、鉄道、住宅、公務員、金融などの分野に対しての動向を数字を交えてしまされていることが非常に面白かった。
Posted by ブクログ
「人口減少」がもたらす業界の変化について、データの列挙とともに、これから起こる未来を描いている。正直、単調といえば、単調な内容ではある。
危機感が募るばかりで、「おいおい、大丈夫か日本」と、暗雲低迷な日本の未来にテンションが下がる内容となっている。
国内株式投資をしている人であれば、「このまま日本株を買っていてよいのだろうか」と先行き不安になるだろう。
今後日本は、実人数の減少に加え、それ以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われる。人口減少は止められなくとも、経済成長が止まらないようにするため、「戦略的に縮む」成長モデルの実現が望まれる。
また、一人あたりの労働生産性を上げる必要がある。AIの活用はもはや必須。「できれば」の次元ではなく、これはもうマストである。一人で二人ぶんの仕事量をこなせるように、AIをパートナーとすべきである。
***
個人的に、心に残った内容は以下。
「若者の交流を増やさなければ、イノベーションは起こらない」
「若者同士の競争がイノベーションを生む」
例えば、二十数名いるような職場において、二十代が二人しかいない場合、その二名は競争するだろうか。それどころか、年上のやり方に従い、年上の先輩を頼る働き方になるのではないだろうか。
逆に、この職場に二十代が十名いたならば、自然と競争や研鑽をしあうだろう。少なくとも、隣りの同年代の働き方を意識はするだろう。
このような「少子高齢化」構造の職場が今後増えていく。
***
日本における人口減少問題。
それは移民でも解決が難しい。
「戦略的に縮む」といっても、延命しているにすぎないと感じたのは私だけではないだろう。
Posted by ブクログ
人口減少によるごく当たり前のことが書かれている。
製造業は高齢者と外国人が主戦力、
自動車整備士は自動車整備学校への入学者は半減、
エアコン技術者はエアコンの取り替え工事が滞る。
EV充電スタンド水素ステーションはメンテナンスが遅れている老朽化の危機
銀行は街角から視点が地下の下落を招く。
IT技術者は既存人材は先端技術を学ぶ暇なし。
食品スーパーマーケットは割引セールでも集客ができなくなる。
食品おろし会社は負け組スーパーの品揃えが悪くなる。
地方新聞社は宅配できないエリアが広がる。
ローカルテレビ局は地元企業の定命で自前の広告収入が減少。
トラックドライバーは今後の主役は60代から70代
農業は存続危機集落が拡大し、日常生活が成り立たない。
食品メーカーは価値基準が多いさから保存期間へ。
住宅メーカー不動産会社はワンコン化が新築需要を下げる。
建設会社は施工管理技師の不足で建物が立てなくなる。
都市鉄道会社は2040年までに通勤通学客が2割減る。
地方鉄道会社は住民が減って、大体バスも廃止となる。
バス事業者は99.6%が赤字経営
水道事業者は2043年までに料金が月額1400円上昇。
ガス会社は技術者を確保できず、存続危機に直面する。
病院は医師の高齢化で医師のいない地区が広がる。
お寺は単価不足で大規模修繕できず、本堂が老朽化する。
葬儀者は親族の手はプライベートと言う価値観が定着する。
市役所は2045年必要な職員数に2割足らず。住民サービスが低下。
小中学校は教員が確保できず、統合も進む。
自衛隊は自然災害救助も困難になる。
警察は2042年警察官の4割が50歳以上となる。
救急隊は2030年救急車が不足する。
Posted by ブクログ
少子高齢化の将来について考えさせられる本。特に公共サービスのレベル低下は衝撃的。ただし、これが自分の将来に待ち受ける問題として理解しておくことは重要。
Posted by ブクログ
できれば目を瞑って投げ出したくなるような予想が描かれている。おそらくその予想の大半は当たってしまうのだろう。悲しいが問題を直視して対処していくしか生き残る術はない。
Posted by ブクログ
ハッキリしている未来は人口動態。10年経てば10年分、歳を取る。そして、このまま日本は人口減少トレンドが続く。問題は、それの何がまずいのか、だ。日本よりも人口が少ない国は数多ある。その理由は本書で述べられる事ではないが、それを述べないとこうした人口減少を問題視する論説は片手落ちのような気もする。
私論だが、人口の絶対数の話ではなく、衰退軌道が良くないのだろう。資産が有休し、過剰になる。日本中にあるインフラ、お店が使われなくなり、人も雇えず、閉鎖していかねばならない。元々人口が少なければ影響はないが、今の日本は、人口が多い現状を想定したハード、資産状態だから。これを企業に例えると、雇用もできず生産も不要になって生産ラインの余剰が生じまくる状態。逆ならば、生産能力不足で投資するのだから、人口が多いか少ないかではなく、増える軌道か減る軌道か、という状態の観察が大事。
また、減少軌道では、分散している事が非効率であり、地方活性化は誤った方向性にも思える。少ない人口に対し整備されたインフラは、速やかに村単位でM&Aしていかねば住民はやがてサービスを受けられなくなる。この辺は、余所者の選挙屋による甘言に騙されてはいけないし、移住しやすい環境づくりこそ重要。
何故、人口は減り続けるのか。家計的側面はあるだろうが、これを一点突破式に、学費無償化を叫んでも効果は低い。お金がないから子供を作らない、というのは一部であるのは確かだが、本質的問題だろうか。戦後の第一次ベビーブームの頃は今より国民一人当たりGDPも低かった。問題は経済的不安の質と女性の社会進出に対する社会体制の不一致やそもそもの価値観の変化、また、文明の更なる進展による出産を含む動物的側面の弱化が関係しているような気がする。
以上、本書とは違う観点で。
ー 日本農業がビジネスモデルを変えざるを得ないのは、農業従事者の減少だけが理由ではない。温暖化の影響も差し迫っている。国交省の資料によれば、21世紀の日本の年平均気温は20世紀末と比べて最悪3・4~4・5C上昇する可能性があるとされるが、ここまで上昇すれば収穫量の減少や品質の低下を招き、栽培適地も大きく変わるだろう。とりわけ西日本各地への影響が大きい。温州みかんの場合、栽培に適した温度域は15~18°だが、現在の主力産地の多くは2060年代には18Cより高い温度域へと転じ、温州みかんの主力産地は東北や北陸などへ移るというのだ。米も2031年以降、関東や北陸以西の平野部では高品質のブランド米が作りづらくなると予測している。
ただの人口論だけではなく、未来には地球温暖化の影響もある、と。
Posted by ブクログ
人口動態から今後日本で起こり得る経済的な出来事について知ることができた一冊。
今のような“かゆいところに手が届く”状態が当たり前じゃない世の中がすぐそこまで迫っている。
変化に対応できる思考の柔軟性を身につけていきたい。
Posted by ブクログ
第一部の人口減少でどうなるのかは、なるほどと思わせる事が多く、本当にその通りになったら恐ろしいと思う。
ただデータ通りには行かないのでは?という気持ちもある。
第二部の、ではどうすれば良いかという未来のトリセツは、ちょっとピンとこない話が多くて斜め読み。
日本の企業がそう簡単に変われないだろうなと。
読んでいてあまり気持ちの良いものでは無かった。
Posted by ブクログ
ビジネスや公共サービスの消費者減少だけでなく非消費な高齢者。就労者不足、保守的で革新しない労働者。各企業は発想を変え、成長分野を定め集中的に投資や人材投入を行って、戦略的に縮まないと、人口減少に押しつぶされてしまう。
あと少し現状維持していれば逃げ切れる高年ではなく、先の長い若者に権限を渡すべきでしょう。
Posted by ブクログ
冒頭から8割程度が高齢化と少子化によるマイナス面しか記載されていなく、閉塞感が漂った。ただ昔のようにがむしゃらに働いた分だけ成果がでる世の中でないので、売り上げの単価アップ、成果主義、人口の密集をしないと市場のシュリンクについていけないことは教訓として捉えた。
Posted by ブクログ
人口減少日本で各業種・職種、公共サービスに何が起こるか?瀬戸際の日本にこれから起きる大変化を詳細かつ大胆に描く。
もはや人口減少は止められない。ではどのような社会を日本は目指すべきなのかの指針を具体的に示してくれている。驚くのは、人口減少問題は日本よりも中国や韓国のほうが厳しい未来が襲ってくるということ。
Posted by ブクログ
人口減少の未来においては、柔軟な思考や協力体制が不可欠だと思う。
社会全体で課題に取り組み、持続可能な社会を築くための対策を実施することが求められます。
そして、個々の人々が自己成長や能力開発に努め、多様な価値観を尊重しながら共生の社会を築くことが重要だと思った。
Posted by ブクログ
これからの日本は人口が減少するだけではなく、高齢者が増えることによって消費量も減少するという、ダブルの縮小に見舞われる。
ここでは戦略的に縮むという成長モデルを掲げて企業がどうやっていくべきかを示している。そうなんだろうなとわかっていながらやってこなかった企業としてはなかなかハードルが高く、淘汰されていくのかと思った。