河合雅司のレビュー一覧
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ネタバレ「未来の年表」の続編。
前作で述べられた、将来起こりうる問題が、個々人にどのように影響するか身近な例をカタログ的に示す(第1部)とともに、第2部では、どのような対策をすればよいか、次のような具体例を示している。
第2部「今からあなたにできること」
【個人ができること】
①働けるうちは働く
②1人で2つ以上の仕事をこなす
③家の中をコンパクト化する
【女性ができること】
④ライフプランを描く
⑤年金受給開始年齢を繰り下げ、起業する
【会社ができること】
⑥全国転勤をなくす
⑦テレワークを拡大する
【地域ができること】
⑧商店街は時おり開く
身近な例も対策案も、前作から容易に想像ができるもので、かつ、2018年が初版であり、コロナ禍を挟んでテレワークの拡大など世の中に変化があったこともあり、「未来の年表」を読んだ時ほどの新鮮さはなかった。
また、個人的には【女性ができること】として挙げられていることも、男女共通に言えることであり、女性を特出ししていることに若干違和感を覚えた。 -
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河合雅司(1963年~)氏は、中大卒、産経新聞に入社し、同社政治部、論説委員、また、内閣官房有識者会議等の委員を務めた。大正大学客員教授。
本書は、少子高齢化が進む日本が、今後どのような社会になっていくのかを、年表のように年次毎に示し、ベストセラーとなった『未来の年表』(2017年)、その続編として、10~20年後にそのような社会になったときに、我々の身の回りでどのようなことが起こるのかを、カタログのように示した『未来の年表2』に続き、少子高齢化の影響の地域差・時間差に着目して、各地域がどのようになっていくのかを示した、第3弾である。
私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、『未来の年表』、『未来の年表2』と併せて本書を手に取った。
本書のアプローチは、現時点(過去数年の実績)において、人々(人口)がどのように移動しているのかを明らかにし、それと、日本全体での人口減少を踏まえて、今後30年間に、日本の人口分布がどのように変わって行くのかを分析するというものである。
人々の移動の傾向としては、基本的に、地域レベルにおいても全国レベルにおいても、周辺地域から中心都市に移動するため、地域レベルでは地方の中心都市(首都圏、関西圏を除く政令指定都市やそれに準じる都市)に人が集まり、全国レベルでは東京に人が集まる(一旦地方の中心都市に集まった人も、更には東京に集まる)ことになる。また、その移動の傾向は、高齢者よりも若い人々により顕著である。
そして、それに日本全体での人口減少が加わると、第1段階としては、地方の周辺地域の過疎・高齢化が進み、第2段階としては、地方全体(中心都市を含む)にそれが及ぶことになる。また、東京は、人口は維持されるが、郊外では高齢化が進む。
本書では各地域・都市の細かい分析がなされており、地域の特性によって多少の差はあるのだが(地方の政令指定都市でも、当面、福岡市は増加、広島市、浜松市は微減、仙台市、新潟市は大幅減など)、大きなトレンドは上記の通りである。
著者は、こうした分析を踏まえて提言をしているのだが、そのベースとなっているのは、(100%の確率で達成不可能な)「人口の維持」の方策ではなく、人口が減少してもなお国が豊かになる手立てである。具体的には、①既存自治体とは異なる、住民の自立性が高い拠点を各地に作る(所謂「コンパクトシティ」とは違うのだという)、②都道府県と基礎自治体の二層制度を見直し、都道府県に一本化する(立ち行かなくなる市町村が出てくるため)、③働くことに対する価値観を見直す、④家族単位の在宅医療・介護から脱却するために、高齢者が集団で居住する、➄東京圏を「特区」として国際競争力を高めると同時に、その収入を地方に還元する仕組みを作る、の5点。今やこのような提言は各所で行われているため、①、②、⑤などは独自色を出しているのだと思われるものの、正直なところ、あまりピンとこない。
具体的な都市名を挙げた分析は興味を惹き、明らかに「売らん哉」だった『未来の年表2』よりは読む意味はあると思われるが、随所に見られる不要に過激な表現は少々気になった。(好みの問題かもしれないが)
(2023年2月了) -
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日本の人口減少は止まらない。そんな状況下で求められるのは、古い価値観を捨て、発想を切り替えること。人口問題の専門家が、変化をチャンスに転じるための思考法を示す書籍。
日本の2019年の人口減少幅は、前年比51万人超だった。この減少幅は、今後さらに拡大すると見込まれる。
少子高齢化と人口減少は、働き手世代の減少につながる。働き手世代は、同時に消費者の中心層でもあるため、その減少は顧客数の獲得が困難になることを意味する。
人口減少社会の経営の手本は、ヨーロッパにある。同地には大量生産・販売を追わず、自社の商品を高く売るべく、他にはない商品価値を付加することに注力する企業が少なくない。
日本は、もはや内需の拡大が見込めない。従って、企業は質の向上により価格を上げ、利益高を増やすモデルへと転換すべきである。
自分たちの「強み」を生かすべく、捨てるところは捨てる。つまり、「戦略的に縮む」ということだ。
少子高齢化が進む中、企業は高齢者の行動様式などを把握し、そのニーズを汲み上げることが必要である。例えば以下のようなもの。
・高齢者は、缶や袋の開封に手間取ることが多い。商品の内容よりも、容器の開けやすさが選ばれるポイントになる。
・身体機能が衰えると、自動車への乗り降りにも苦労する。乗り降りを補助するような機能を標準装備すべきである。
・高齢者は、価格よりも融通が利くことを重視する。今後は、量販店よりサポートの手厚い街の商店が評価される。
コロナ禍は「人口減少を前提とした社会へのつくり替え」の契機となりうる。
消費の消失など、コロナ禍における課題への解決策の多くは、人口減少対策としても有効だからだ。 -
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ネタバレ「未来の…」シリーズ第4作~012021年「ベビーショック」到来!それは、政府の想定より18年早く、出生数が75万にほどになるから02出生率は1.36に急落032020年、実際に女性の過半数が50歳以上に042065年、出生数はわずか約41.6万人に05高齢者マーケットが伸び悩むのは、新型コロナによる〝過剰な警戒心〟が消えないから06実質的な〝人口減少元年〟は2011年07毎日外出する人は62.8%から35.3%に08高齢者の「パック旅行費」は前年より約95%減09主な消費世代の3人に1人が高齢者10外出自粛が企業の業績を悪くするのは、フレイルの増加で、介護離職が増えるから112040年度、社会保障給付費は190兆円突破か122020年、573件の介護事業所が消えた132025年、介護保険の利用者は600万人超え1424時間営業が限界なのは、深夜まで起きていられない消費者が増えていくから15「24時間戦えますか。」流行の1989年の意味16外国人労働者を確保できなくなるのは、その国で良質な雇用が続々と生み出されているから172020年、外国人入国者は前年より86.2%減少18地方の企業経営を苦しくさせるのは、自ら需要を捨てるような「地域の閉鎖性」19中都市より小都市のほうが消費支出が落ち込んだ20二極化が進む「K字経済」が大都市と小都市に反映21日本人国内旅行消費額は前年比54.9%減22DXは人口減少の切り札となるか?そのカギうぃ握るのはリスキリングの成否23目指すべきはV字ではなく「レの字回復」242030年、AIが進展しても64万人の人手不足に25「ギグワーク」「従業員シェア」によって、経営課題の「組織の硬直化」が解消する26副業・兼業を認めている企業は49.6%27「副業元年」は2018年28「ジョブ型雇用」が成功するためには、やっぱり上司が聞き手に徹する力が必要29「メンバーシップ型雇用」にない良さ30非正規雇用者は今や約2000万人31「1on1」が部下の能力を引き出す32360度評価は中央省庁での導入も始まっている33「社内失業者」があぶり出された!いなくなれば会社の平均賃金が増加する34日本の労働生産性はOECD加盟37国中26位3570歳まで働く社会が到来!だが、2020年、高齢就業者数は、14万人しか増えなかった36非正規雇用の高齢者は、わずか1万人増372025年度以降、「70歳まで雇用の義務化」38「オフィス需要」は減る一方。空室率上昇率の隠れた要因は2023年度以降、新規供給が再拡大すること392020年8月、テレワークを実施した企業は8割402025年、東京の空室率は6%超に41都心の終電時間が繰り上がると、地方自治体の税収が減る42東京都が人口減少してしまったのは、隣接3県などへ、30代夫婦を中心に流れたから43東京の人口は1400万人を突破してすぐに割った44コロナ禍が地方消滅のスピードを速めるのは、若い女性の東京集中を促したから45東京都に転入した数は女性が男性の3.5倍46大阪府では「逆ドーナツ化現象」が起きる47コロナ病床が不足したのは、医療機関が「自由開業制」になっているから482020年12月、病床の6割が「コロナ感染症以外」で入院を継続49救急搬送率は75歳以上になると跳ね上がる50救急搬送者数は2035年頃にピークを迎える【日本を守る「切り札」5カ条】1:国政選挙に「若者枠」を新設・2:中学卒業時からの「飛び入学」導入・3「30代以下のみが住む都市」の建設・4:大学を共同キャンパス化する・5:若い人々に英才教育をする~切り札の5つはどれも実現しそうにない。私の提言を容れなかったから日本の少子高齢化・社会の老化は止まらなかったって言うのかなぁ。分析力は認めるけどね。ドリルの部分を書くのに50分も掛かってしまいました
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ネタバレ2050年には世界人口は減り始める。国連統計では21世紀中増え続けて110億人になるとしているが、それは間違い。街の人たちのインタビューからそれを推計した。
国として、移民と多文化主義を受け入れなければ衰退する。
農村では子供は働き手になる。都市では重荷になる。都市化が進めば少子化は進む。
女性の地位向上で、出生率が下がる。
国連の低位推計は2050年にピークを迎える。この形になる可能性が高い。教育の効果を無視している。
黒死病では人口の1/3が死亡した。
都市化と女性の地位向上が発展途上国でも起きて、出生率が下がる。
緑の革命による人口増も、出生率低下の動きが後戻りすることはない。
良い環境でも悪い環境でも出生率は下がる。工業化と都市化で下がる。不況で下がる、景気が回復しても上向くが、上向くだけで回復はしない。
日本では、女性の人口は20歳より30歳、30歳より40歳が多い。低出生率の罠=1世代以上1.5以下が続くと、それが当たり前になる。
カナダは移民を受け入れて人口を維持しているが、アジアは受け入れない。
卵子の冷凍保存は、出産の可能性が低く出生率の回復にはつながらない。
移民を受け入れない、子供をつからない、では衰退と折り合いをつけるしかない。
国際的には移民は世界人口の3.3%に過ぎない。
移民は仕事を奪わない。移民は経済規模を拡大させ、平均的にはわずかに向上する。移民は最大の受益者になる。
本来であれば、政治家は経済を守るために移民を受け入れるべきだ。
インドではほぼすべての人が結婚する。結婚しないとコミュニティの中で認められない。
インドの出生率は2.4人。しかし実態はそれより下である可能性もある。
ブラジルの出生率は1.8人。男性優位社会で高学歴の女性の悩みは大きい。メキシコは現在2.3人で減少中。
アメリカの繁栄の武器は移民である。最近は逆流している可能性もある。
少数民族も例外ではない。滅びる可能性。ネイティブアメリカンは出生率が最も低い。
トロントでは市民の半数が外国生まれ。カナダは人口を増やしている。
アメリカで人口当たり二酸化炭素の排出が少ないのはニューヨーク。
田舎暮らしは環境負荷が高い。
人口減少こそ、温暖化防止の最適解。都市に集中して住む。
老年性平和。高齢化社会の問題化で、軍事的イデオロギーが弱体化する。 -
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前作「未来の年表」を読んだうえで購入
・読者にとって身近なトピックを掲載、ということだが、スケールが小さかったり枝葉の話については、正直ピンと来ないところも多々あった
・トピックの位置付けや並び順、トピックごとの繋がりが感じられず、ただ羅列されているだけのような印象もあった
・タイトルに「人口減少~」とあるが、人口減少というより単に不景気が要因では?と思うトピックもあるように感じた
・著者自身が1963年生まれだからか、「就職→年功序列で昇級、マネジメントを担う→結婚→退職→年金暮らし」が無意識に?ベースとなっているような節が感じられ、平成生まれの自分としては違和感を持つところもあった
以下メモ
1.これから起こること
①住まい…自宅での事故死、空き家の増加、野菜(農業従事者)の減少
②家族…高齢者の外出増加に伴う事故、待ち時間、問い合わせ等の増加
③仕事…労働者の高齢化、それに伴う廃業の増加、東京一極集中による預金の一極集中(地銀消滅)
※マイカーブーム到来→公共交通機関の縮小→マイカー勢の高齢化→運転できなくなる→公共交通機関は既に消滅→動けなくなる
④暮らし…投票環境の悪化、救急隊員の不足、ガソリンスタンド減少、林業従事者の減少→豪雨被害の増大
⑤女性…定年後に再就職難民となる女性の増加、万引き増加による刑務所の介護施設化
2.今からできること
①個人…働けるうちは働く、副業、家の中のコンパクト化
②女性…育児と介護のライフプランを描く、年金受給を繰り下げる、起業
→これから高齢となる女性は、世代的に賃金が低かったり寿退社が多かったりと、年金受給額が低いと見積もられている
③企業…転勤廃止、テレワーク、フリーアドレスの推進
④地域…商店街の営業日を絞って開く(週末商店街)→週末のみの移住者、高齢者、若者などの交流の場として盛り上げる -
購入済み
コロナで一変した世の中を再確認
こういった「○年後のホニャララ」系はコロナ後に書かれたものかコロナ前に書かれたものかで読む目的が変わってきてしまいますね。
本書はコロナ前に書かれたものなので、改めて今の世の中はすごい速度で変わっている(いく)のだと再確認しました。 -
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世界の人口の変遷とその理由を知りたい人におすすめ。
【概要】
●マルサスの『人口の原理に関する一論』は誤り、人口爆発は起きない。
●人口減少の根拠は「都市化と女性の地位の向上」である。
●人口減少に伴う国力低下をどう防止するか、移民を受け入れるしかない。
【感想】
●人口減少が本当にダメなことなのかよく理解できなかった。
イノベーションと創造性の損失を心配するとあるが、それは常に新たな世界を作りだしていかなければならないという意識があるからではないだろうか。
常に発展し続けようと考えなければ、現状維持ベースで十分である。
●そのためには、人口減少を受け入れて、その中で生き方を変えていく方法がリーズナブルであると考える。現に日本ではそのような思考が多く現れている。
●移民を受け入れることは大切である。経済など国力を維持するために移民を活用することは可能であるものの、移民を利用して日本人の子供を増やし人口減少を抑えることには日本人という国民性から賛否両論であると考える。
●そうであるならば、人口減少の防止策ではなく、国力低下の防止策として移民を活用することが望ましく、具体的には、国籍付与の条件を緩和するよりも就労ビザの取得条件を緩和すること、移民が働きやすい環境を構築することが望ましい。そのために改善しなければならないこともたくさんある。
●以上は思いつきの考えであるため、自分自身今後思考を整理する必要がある。