ほしおさなえのレビュー一覧
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シリーズ第二弾。
家の声が聞こえる大学院生・遠野守人が、川越の古民家・〈月光荘〉の住み込み管理人となって数か月。
グイグイ距離を詰めてくる川越っ子・べんてんちゃんのお陰もあり、知り合いも増えて街にも馴染んできている様子です。
表題作の第一話「浮草の灯」は“活版印刷三日月堂シリーズ”に出てきた古書店〈浮草〉が舞台で、水上さんの「雲日記」も取り上げられていましたし、第二話「切り紙」では、“三日月堂シリーズ”の番外編に登場した和紙店〈笠原紙店〉の話だったりと、結構しっかりリンクしている感じです。
〈月光荘〉で行われた、切り紙のワークショップも楽しそうで、こうして古き良きものを通して地域の繋がりが広がっていくのって素敵ですよね。
ところで、前作では家の声が“聞こえる”だけだった守人ですが、本書では〈月光荘〉と“会話”ができるようになっていて、その様子が微笑ましく、何だか〈月光荘〉が可愛く思えてきました。
次巻ではどんな交流や繋がりがあるのか、読むのが楽しみです。 -
Posted by ブクログ
『活版印刷三日月堂』シリーズが良かったので、同著者の本書を手に取りました。
こちらも“三日月堂シリーズ”と同じく、川越が舞台となっております。
“家の声”が聞こえる、大学院生・遠野守人が主人公。
縁あって、川越・菓子屋横丁の一角に建つ古民家で、住みこみの管理人をすることになった守人ですが・・・。
長い時を経た家に、住んでいた人の記憶や思いが“声”となって聞こえてくる・・というと、何だかホラーな感じですが、全然怖くなくてむしろハートウォーミングなお話です。
幼い頃に両親と死に別れ、厳格な祖父に育てられた守人は、祖父に対するネガティブな気持ちを抱き続けていましたが、古き良き街とそこに暮らす又は訪れる人々と交流していくうちに、徐々に目を背けていた思いを受け入れていきつつあるようですね。
情緒あふれる街並みや建物の描写も魅力的で、川越を訪れてみたくなります。
ところで、“三日月堂シリーズ”に出てくる喫茶店〈桐一葉〉の名前が本書でも登場して、思わず口元が緩んでしまいました。 -
Posted by ブクログ
さて、このシリーズ3冊目。今度もまた配偶者のほうが先に読み終えた。
タイトルは「カラーインクと万年筆」だけど、今回は百花の母の実家がある飯田での、中でも水引の話が印象に残る。
飯田と言えば、ずっと昔に職場のレクリエーションで行ったことがあるな。
その時に水引工芸館みたいなところも行ったけど、実演してた人が作ったものをその場で部下の女性にプレゼントしてくれたことを思い出す。
ネットで動画を見たら、あわじ結びなどあっという間に出来上がるけど、私にはそれすらきれいに出来そうもないぞ。
お話はと言えば、多少の茶々が入ってもうまくことまとまっていく他愛もないお話だが、本作においては水引や旧い家など古き良きものを今の時代にうまく残していきたいねという想いがよく伝わった。(組子障子、新しい家でも残ったかな?)
百花ちゃんも最初の頃に比べたら頑張ってるしね。