松村涼哉のレビュー一覧
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小説に込められた叫びが心に響く
一貫して悲しい雰囲気の物語ではありましたが、ミステリー要素も含まれていて読む手が止まらない!
一人じゃどうしようもないことって経験ないですか?
特に子供の時っていうのは、自分はなんでも出来るという想像をしながらも実際は大人に頼って生活をしている人が多いと思います。
子供は親を選べない。
そんな一人じゃどうしようもない問題をどうすればいいんだ?こんな状況を誰かに知って欲しい。自分達はここにいるんだよ!って悲しい叫びが『高木』の小説には込められていた。
悲しくも激しい訴えは私達読者の心をきっと動かすと思う。 -
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前半は、菅原拓の自己陶酔気味に辟易しながら、最近のライトノベルに出てくる登場人物ってこういう書き方をされているんだなあと思った。まさに厨二病。
竹岡美穂さんのイラスト目当てで手に取ったので、文学少女のイメージで読むとともかく菅原拓にイライラして仕方ない。
表紙の男の子の絵が好きなのに、正体はこんな酷いキャラなんて。あと琴海も同じく自己弁護ばかりなのでイライラ。
大人になった今読むと、感情移入もできずにただただ苛立つ。前半は読んでいるときにともかく苦痛しか感じない。
「サツガイ」、そして黒いページが始まるところから面白くなってくる。
読めばわかるが、明らかにそこからこの物語は前半と後半に分かれている。見事に騙された。
読み終えて、久しぶりに読んで良かったと思えた。もちろん、粗はある。オチも若干強引だ。けれども、やはり読んで良かった。
あまり多くは語らないが、イジメだけではなく家族病理に興味がある人にも読んで欲しい。
正直、前半は作者の文章力を疑ったし、これで大賞なの?と思ってしまった。「天才」「欠落」という熟語を多用するばかりで、具体的なエピソードに欠ける。もはやその言葉を記号としてしか使ってない。
ブランコに乗りながらや部屋で一人語りする姉の描写もリアリティがなさ過ぎる。病んでるだろ。
しかし、すべてその書き方で良かったのだと後半でわかる。
そして菅原拓も石川琴海、岸谷昌也こそリアルな中学生だった。グループLINEの中身も完璧。
ラスト近くの大どんでん返しは『プシュケの涙』をふと思い出した。作者は影響されているのかな。
自殺の原因を調べるあたりもそう。
プシュケ好きな人も読んでいいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
15歳の少年、なぜテロリストになってしまったのか。
主人公の渡辺篤人は、当時13歳の富田ヒイロによる放火で、母と妹を亡くした。篤人は、犯人の居場所を突き止めたが、真犯人は富田ヒイロではなく、灰谷ユズルであることを知った。
当時15歳の灰谷ユズルに恋人を殴り殺された雑誌編集者の安藤と、灰谷ユズルの妹の灰谷アズサとともに、真犯人の居場所を探す。
そして、灰谷ユズルが新宿駅の爆破を計画していることを知り、なんとか被害者を最低限に収めるために奔走する。
少年法では、どれだけ残酷な罪を犯しても死刑になることはなく、また、加害者の人権を守るために実名報道はされない。復讐や報復は何も生まないし、憎しみの連鎖が続くだけとは理解しつつも、未成年を裁く法律がないため、法のもとで制裁を与えるができないのが非常に歯痒く感じる。
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Posted by ブクログ
ネタバレさらさらと読める文体で読みやすかった。
「失踪した人間の跡を追う」というシチュエーション自体はよくあるものの、“名前を入れ替えている”という設定が面白く、髙木の過去を辿っていくうちに主人公との繋がりまで見えてくる展開も良かった。
最後に花見をしながら自分たちの物語を作り上げていくシーンは、それまで人の名前を借りることで「自分」をやめようとしていた人たちが、最後には自分たちでこれからの物語を作っていく、という終わり方が綺麗だった。
全体的にライトな読み心地で、読んでいる間は「この先どうなるんだろう」と楽しめた作品。ただ、強烈な驚きや読後にずっと考え続けてしまうような余韻はそこまでなく、1年後にも細部まで覚えているかというと、、忘れていそう。
読みやすく、設定も面白い。さらっと楽しめるミステリとして、まあまあ好き。 -
Posted by ブクログ
メディアワークス文庫創刊15周年記念アンソロジー。
「1人15ページ」という制約のもと、15名の作家がそれぞれの物語を紡ぐ。
この15という枠は単なるページ数だけでなく
多くの作家さんが「15」というモチーフとしても回収しています。企画としての統一感が心地よい。短いからこそ、作家ごとの語り口や発想の癖が読メル一冊。
斜線堂有紀、綾崎隼以外は初読。改めてレーベルの層の厚みを思いますね。
掌編とも言える分量の中で、特に印象に残ったのは綾崎隼「十五年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語」。
設定自体はどこかで見聞きしたような“ベタ”なものながら、その王道を真正面から引き受けてロマンに昇華していく語りが魅力的。この作家さんは 他の作品もロマンチック。
もう一つは時雨沢恵一「前略、十五歳の僕へ」。
こちらもモチーフ自体には既視感があるものの、15ページという制約の中に過去と未来の感情を
想定外な落とし所で読めました。
お題のあるアンソロジーって好き。