松村涼哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初はこんなに深い物語だと思いませんでした。
そして、ミステリーではあるのに、難しいことが苦手な私でもついて行きやすい素敵な小説でした。
登場人物が私と同じくらいの歳というのと、鍵になる部分は幼い頃の彼らなのでなおさら分かりやすくてありがたかったです!
私の勝手なイメージですが、ミステリーというものは謎が序盤に出てきて、それを解き明かすものというイメージでした。そこに隠された筆者の想いはあると思いますが、それが物語に大きく影響するようなものだとは思っていませんでした。悪く言えば謎を解いて終わり。よく言えば他には無い謎を解く楽しさがある。
そのイメージが完全に壊されました!ミステリーではあるもの -
Posted by ブクログ
死ぬくらいなら僕にならない?
自殺寸前で高木に救われた立井は、高木として生活しながら共同生活を始める。
高木はほとんど自室から出てこないし、自分のことは話したがらない謎多き男だったけれど、
2年間過ごすうちに仲良くなれて…と思っていたのに、高木は急に立井の前から姿を消し、代わりに現れたのは警察官だった。立井は高木と思われたまま、殺人容疑を掛けられる。
高木は殺人鬼なのか?名前をくれた彼を信じたい気持ち、自分が犯人にされたくない気持ちもあり、立井は高木の過去を置い始める…
というあらすじ。
かなり重く、気分が悪くなるほど悲惨な話のはずなのに、立井と一緒に私も高木という人物の過去をどんどんしりた -
Posted by ブクログ
生きる希望を1度は失った2人が、互いが関わり合う事で最終的に「生きる」ことを選択した事が非常に感慨深かった。
最終的に「生きる」ことを判断するまでの過程の描かれ方がリアルで、自分に置き換えた場合「死」を選んでしまってもおかしくはないと思うさなか、登場人物達が壮絶な過去と向き合い、今にしがみついて行く姿がとても「人間」らしくて、新しい形での「未来への希望」の提供の仕方だと思った。
変な自己啓発本のように、熱苦しい正論を述べたようなものではなく、ここまで来たなら生きてやるんだという、反発心ともいえる感情で突き動かされている彼らを見ていると、こういった生き方もありなんじゃないか。むしろ、綺麗事を -