松村涼哉のレビュー一覧
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ネタバレ
様々な社会問題に立ち向かう一冊
ネグレクトや身体的虐待、虐め、ヤングケアラー、アンチからの逃避、様々な社会問題を抱えた登場人物たちが、それぞれのやり方で立ち向かっている描写がとても印象的で、主要人物全員に幸せが訪れてほしいと願いながら読んでいました。
現実とゲームの世界観を一体化させている部分もあるので、ゲーム好きな方は楽しく読めると思います。
『戦う』だけが人生ではない、『逃げる』ことも未来に繋げる手段の一つであることを、魂の叫びから伝えてくれる一冊です。
主人公の正義感と優しさには軽く惚れました。
彼が遠い世界で平穏に暮らしていますように。
続編求みます。 -
Posted by ブクログ
少年院を出た18歳の水井ハノは、孤独を抱え生きていた。
あるとき手にした「仮想共有空間」への招待状は
その後の彼女に大きな影響を与える。
管理人ティンカーベルの正体などわからないことは多い。
でも「ネバーランド」に集まれば仲間に会える。
そして孤独からも解放される。
何度も犯罪に手を染める者たち。
その道しか知らない彼らのために
ティンカーベルは救いの手を差し伸べる。
初読み作家さん。
地方紙(中日新聞)の記事を読み本書を手にした。
若い読者が多いらしい。
〈もうちょっと上の世代向けの小説を書いてみたい〉と。
(好書好日より)
どのような作品が届けられるだろうか。
楽しみに待ちたい。 -
Posted by ブクログ
見事に社会問題を突いてくるのが松村先生作品の特徴ですが、今回も社会問題を突いてきますね!
個人的に、今作はキャラクターの印象が逆転することがかなり多かったです。良い人と思っていたキャラクターが悪い人だったり、その逆も然り。そういう意味では作者の意図にまんまと嵌ってしまったように感じます笑
キャラクターも個性的で愛着の持てるキャラが多かったのでそこも良かった!
ただ、最後に向けて勢いがなくなっていく感じがしました。ティンカーベルの謎が思ったよりあっさり解決してしまったように感じて、そこは少し残念だったかも、、、。
しかし、やはり松村先生作品は面白い!! -
Posted by ブクログ
ネタバレおおざっぱにまとめると,はみ出してしまった子達が「更正すること」にあがく物語かな?
ちゃんとしようと思っているのだけれども,そうできない自分を持てあましているハノは,禁じられていたブル前にまたたむろするようになるのだが,あるきっかけで仮想空間のネバーランドに行く.そこには,後悔から贖罪を続けていた信二や,カノンこと衝動的に取り返しのつかないことをしてしまった三春などがつどっていた.ハノ達はネバーランドに自分達の居場所を見つけていくのだが,主催者のティンカーベルが,続いて古株の鐘倉もいなくなってしまい・・・.
贖罪と更正をごっちゃにして自己満足で切って捨てることがよくあるけど,良い行いをす -
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Posted by ブクログ
人気者の男子中学生が、遺書を残して自殺した。
『虐めていた』彼が、『虐められていた』彼の彼女が
姉が、姉の友人が出たり。
そもそも4人全員を、誰にも知られないように
いじめ続けるというのは不可能です。
なのに本人はいじめていた、という、謎。
一体どうやって、どうして。
彼の彼女の発言やら、他の生徒の発言やら
そして…いじめていた本人の発言やら。
回想シーンも入っていて、何が真実で何が嘘なのか。
そして彼らが最終的に仕掛けていた、したかった事、に
納得しかない最後でした。
何をしてでも、渡したかったもの。
それは確かに、望んでいたもの、でした。
子供は、成人するまで、それに準ずるまで
親元