あらすじ
「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。
高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。
かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作!
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Posted by ブクログ
ーーー死ぬくらいなら、僕の分身にならない?
透き通る氷のような冷たい双眸の男だった。
ーーー大丈夫。世界は僕たちに興味ないから。
彼は、誰も知らない秘密を生きる。
その日、立井潤貴は『立井潤貴』をやめた。
第16回うさぎや大賞では『15歳のテロリスト』で大賞、本作は第3位と同時受賞。2020年の読書メーター第5回レビュアー大賞の課題図書に選定された本作。
前作『15歳のテロリスト』もかなり面白かったので、本作も期待して読んでましたが、これもかなり面白い。
一家崩壊を伴い、未成年のうちに無料低額宿泊所でその日暮らし同様な生活をしている主人公と、『無戸籍児』として人生を翻弄された子供達。その苦しみに満ちた日常と幸せへの渇望。結構ドープな物語設計。
物語の冒頭から展開に動きがあるので、序盤にありがちな停滞感はあまり感じず、早い段階から没入して一気読みしていける疾走感。
松村涼哉氏の他作品も積読中なので、あまり寝かせず消化していきたいなー。
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「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。
高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。
Posted by ブクログ
250と薄いページ数でありながら、ページをめくる手が止まらない作品でした。
この本の中心人物は主人公と突如消えた「高木健介」。彼の行方を探すと同時に「高木健介」の過去も顕になるのですが、「見放された魂」という言葉が切なくなるほど彼の置かれていた環境は悲しいもので、本当に涙が止まりませんでした。全てを読み終えた後、題名の「僕が僕をやめる日」の本当の意味が分かった気がします。
Posted by ブクログ
250と薄いページ数でありながら、ページをめくる手が止まらない。とても惹き込まれる物語だった。
そして、煙突から出る煙を蝋燭と見立てたり、警察にも病院にも頼れない自分たちの世界を独立した王国と称したり、比喩や表現がなんとも綺麗な作品だと思った。生涯忘れたくない一冊である。
Posted by ブクログ
途中で、''あ、そういう系!?''となりました。
あらすじ読んでないだけですね。はい。(笑)
とにかく読みやすかったです!
ページをめくる手が止まらなかったです。
ハッピーエンドではないものの、松村さんらしい作品でした!
Posted by ブクログ
死ぬくらいなら僕にならない?
自殺寸前で高木に救われた立井は、高木として生活しながら共同生活を始める。
高木はほとんど自室から出てこないし、自分のことは話したがらない謎多き男だったけれど、
2年間過ごすうちに仲良くなれて…と思っていたのに、高木は急に立井の前から姿を消し、代わりに現れたのは警察官だった。立井は高木と思われたまま、殺人容疑を掛けられる。
高木は殺人鬼なのか?名前をくれた彼を信じたい気持ち、自分が犯人にされたくない気持ちもあり、立井は高木の過去を置い始める…
というあらすじ。
かなり重く、気分が悪くなるほど悲惨な話のはずなのに、立井と一緒に私も高木という人物の過去をどんどんしりたくなり、真相を求めてページをめくる手がとまらなくなってしまった。色んな場所で見つける過去の断片がパズルのピースのように組み合わさって、完成が近づくにつれて嘘でしょ…??こんなことって…と言葉を失うような衝撃。
2人の友情の美しさと、物語の悲惨さが両側から押し寄せてきて言葉にできないなんとも言えない感情になったけどほんとに凄い小説だと思った!
Posted by ブクログ
残酷な背景を持った子供たちがいる。
その子供たちのことを私はずっと忘れない。
人には向き不向きがあるから、あの結末になったのかな。
物語のスピード感があってとても読みやすかった。
Posted by ブクログ
コレはおもしろい。
時間があれば一気に読みたかった絶対オススメの一冊。是非読んでください。
主人公が死のうと決意してからの高木との出会い。
人間ってこんなに努力して変わることが出来るんだって改めて感じた。
それとは反比例して人間っていつまでも許せなくて殺しまでしてしうほどの感情を持っているんだって思う。
その人の立場になったらきっと同じようにしてしまう。辛い人生。
他の本もぜひ読みたいな。
Posted by ブクログ
今まで読んだことないようなストーリーでページをめくる手が止まりませんでした。
内容は重めでしたが、最後には生きることを選択してくれて本当に良かったです。
Posted by ブクログ
個人的に秘密を共有するコンビ程仲が深まるものはないと思っている。あまり読んだことの無い雰囲気で夢中でページをめくっていた。結構テーマは重いはずなのに読後感は爽やかだった
Posted by ブクログ
生きる希望を1度は失った2人が、互いが関わり合う事で最終的に「生きる」ことを選択した事が非常に感慨深かった。
最終的に「生きる」ことを判断するまでの過程の描かれ方がリアルで、自分に置き換えた場合「死」を選んでしまってもおかしくはないと思うさなか、登場人物達が壮絶な過去と向き合い、今にしがみついて行く姿がとても「人間」らしくて、新しい形での「未来への希望」の提供の仕方だと思った。
変な自己啓発本のように、熱苦しい正論を述べたようなものではなく、ここまで来たなら生きてやるんだという、反発心ともいえる感情で突き動かされている彼らを見ていると、こういった生き方もありなんじゃないか。むしろ、綺麗事を並べたような人生ではなく、こういった考え方の方が生きやすいのではないかと思えた。
(あのオチが1番彼ららしくて大正解であると)
単なるイヤミス/ブルー本だと侮ってはいけない作品。
Posted by ブクログ
重い内容なのに読みやすい
事故、詐欺、事件など巻き込まれ 明日には180度人生が変わってもおかしくない世の中、人事では済まされない気持でどんどん物語に引き込まれて行く
Posted by ブクログ
松村さんの本を読むのは2冊目なのですが、ストーリーが好きすぎて、もっと読みたい!と物足りなさを感じます(褒めてる)
読後は悲しさもありつつ嫌な気持ちにならないので、重い話なのに気軽に読みきれました。
高木さんは悪い人?良い人?どっちってハラハラしながら、色んな事実を明らかにしていく感じが、容疑者Xの献身と展開が似ているなと感じました。
無戸籍児という言葉自体を初めて耳にしたのですが、私が見えてないだけで、問題を抱えてる人がいると思うといたたまれない気持ちになりました。
Posted by ブクログ
面白かった
松村涼哉さんの小説を読むのは2冊目。
松村さんの書く物語は現代社会への問題提起だったり、少年たちの生き方だったり、我々への問いかけが多いなと感じる。
以前読んだ15歳のテロリストでは、少年犯罪。
今回のこちらは、無戸籍児。
今まで深く考えたことのなかった部分への問いかけが多く、考えもしなかった現代社会に気付いてしまう。
こういう子供たちが世の中に大勢存在している、そういう事実に驚いた。
重たい問題ではあるが、松村さんの文章は読みやすく、ページ数も多くなかったのでスラスラと読めた。
Posted by ブクログ
大丈夫、世界は僕たちに興味ないから。
立井、高木2人は本当にそれで良かったのか?
壮絶な過去、無戸籍児についてなど重いテーマを250ページと薄い中で自分はここにいるよと伝えたかった小説。
余韻が残るいい本でした!
言葉では簡単に言い表せない程の良さがあった!
Posted by ブクログ
後半は息ができない思いがする。
所々、都合が良すぎる展開もあるが、テーマや背景は重厚。
「生まれた時は美しかった魂も、やがて汚れて、消えて、忘れられていくんだ」
このような言葉とは縁がない方がよいのかもしれないが、多くの人がそうでないのかもしれない。
Posted by ブクログ
「15歳のテロリスト」は表向きの事件からその事件の裏側に迫っていく物語。
「僕が僕をやめる日」は裏側である犯罪者側の目線からさらに裏へ迫る物語。
"少年法"を主題にした話から今回は"無戸籍児"を主題にしており、前作より少し複雑さを感じた。
ただ作者の言葉を借りると、現実社会の裏にある"閉塞的"な闇、法律に対する反抗心、一貫してそういったものを描きたいんだろう。
現実社会の裏側から始まる構成、それなりに差別化された2作目で、小さな糸口から少しづつ真実に迫る感じ、疑問や伏線の回収は健在であり、そういった面では読後のスッキリ感がある。
Posted by ブクログ
読み始めてすぐ、内容の重さに
読むのを止めようかと迷った。
読み進めてみると、結末が知りたくて
最後まで読み切った。
「無戸籍児」を扱っており、どういう場合に無戸籍児が
生まれるのか等、知らなければならない内容なんだけど
とっても重い内容がある。
それなのに最後まで読んでしまったということは
それだけ面白かったということでもあると思う。
登場する人物に、それぞれ親身になってくれた人がいたことが救いです。
Posted by ブクログ
重い話だと思わずに読み進めていて
あれ、これ重いぞ…と思いつつも読む手が止まらなかった。
閉塞感ありまくり、ハッピーエンドに必ず
なると思うことの出来ない展開…
高木と立井、
ストーリー上どうしても高木の人生に目が
いってしまうけど、立井も立井でしんど過ぎて
こういう環境で育つ子供は現在でも
気付かれていないだけできっと必ずいるよね。
松村作品は装丁がポップな分中身に圧倒される…
同作者の他の作品も積読してあるんだけど
サクサク次の作品にいけるものでは無い…。
必ず読むけど、、、
Posted by ブクログ
松村さんらしい、閉塞感のある物語でした。決してハッピーエンドではないのになぜか面白い、なぜか引き込まれる。松村さんは友だちのすすめで読み始めたのですが、出会えてよかったと思います。
Posted by ブクログ
【購入本】前作『15歳のテロリスト』を読んだときも思ったが、この作家さんは出来事の一瞬一瞬を繋げるのが上手い。何気なく見つけた小さな事実が、最後には大きな結末となって繋がっていく。読んでいてすごく心に響いた。話の流れ上、高木の生い立ちの方に目が行ってしまうけど、立井のいる環境もやはり劣悪なのだと思わされる。一方の面だけに目を向けているだけでは足りない。
Posted by ブクログ
最後の最後まで展開が読めなくて、ハラハラしながらもページをめくるのをやめられない一冊。
ちゃんと重たい推理小説で、謎が解けていく感覚はよりいっそう物語に入り込む要因となってて、ミステリーを読まない私ものめり込めて素晴らしい本でした
Posted by ブクログ
文庫本の裏に書いてある、あらすじって何であるんでしょう?特にミステリーの場合、邪魔以外の何者でもない。せっかく重々しい文章で書き始められた小説の何十ページかが、たった数行の“うらすじ“でネタバレしてしまった。実に腹立たしい。「全く内容に触れるな」とまでは言わないけれど、最小限の情報で魅力を伝えていただきたい。
と言うわけで、この小説はうらすじを読まない事をお勧めします。ちなみに“うらすじ“って言葉はタモリ倶楽部で使われていました。
ミステリーは分かり易い文章の方が良いと常々思っているのですが、読みやすい文体でサクッと読めました。ストーリーも面白かったです。陰鬱な場面がライトな文体で軽くなってしまうのが難点でしょうか。
登場人物が比較的簡単に小説家になっているところが気になりましたが、もしかしたら作者もそういったタイプなのかも知れないなと夢想しました。
余談ですが、先日RCサクセションのギタリストだった仲井戸麗市のエッセイを読みました。高一の頃にはビートルズの武道館ライブも観たというビートルズ現役世代の仲井戸曰く
「自らギターをかき鳴らし、自分たちで編みだした言葉とメロディーとリズムでシャウトする彼らは、特別な人たちには映らなかった。歌うなんてことは、何も特別でない、誰にでもできる身近なことのような、そんな気にさせてくれたのでありました。」
プロになる人の感覚ってのはそんなもんかも知れませんね。
小説に込められた叫びが心に響く
一貫して悲しい雰囲気の物語ではありましたが、ミステリー要素も含まれていて読む手が止まらない!
一人じゃどうしようもないことって経験ないですか?
特に子供の時っていうのは、自分はなんでも出来るという想像をしながらも実際は大人に頼って生活をしている人が多いと思います。
子供は親を選べない。
そんな一人じゃどうしようもない問題をどうすればいいんだ?こんな状況を誰かに知って欲しい。自分達はここにいるんだよ!って悲しい叫びが『高木』の小説には込められていた。
悲しくも激しい訴えは私達読者の心をきっと動かすと思う。
Posted by ブクログ
おすすめされて読んでみたら、奈落につき落とされた気がした。
出会いから仕組まれていたとしたら・・・怖い。
この後どうやって生きていくのだろう?
ネタは無くても小説を書き続けるのだろうか?
Posted by ブクログ
自分の代わりを生きてくれる人がいたらいいのにと何度も思った事があるから、ちょっと気になって呼んでみた。段々と近づいてくる真実にソワソワしながら読み進めた。
2人の言葉の掛け合いでの読み合いとか、森林で逃げることに必死な姿が面白いシーンだった。
Posted by ブクログ
⚫︎受け取ったメッセージ
余りにも悲しい過去。
悲痛な思いをするのは
親に恵まれない子供たち。
⚫︎あらすじ
『15歳のテロリスト』著者が贈る、衝撃の慟哭ミステリー第2弾!
「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。
高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。
かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作
⚫︎感想(※ネタバレ)
高木と、妹のまいの生い立ちが悲惨すぎる。二人の友情が美しい。