松村涼哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「排除型社会」によって高校生が苦悩するミステリ小説。
※排除型社会とは経済成長がしにくくなった後、不安定化する社会のこと。経済格差が広がることによる貧困層の増加、その結果教育・医療・福祉などのサービスを受けられない人の増加するなどの問題を孕んでいる。
主人公の堀口は幼少期に母親からネグレクトを受け、精神にバグを持っている。
久米井は作曲家志望の元アイドルであったが、他を蹴落そうとするような悪意のある編集で都会でつぶされてしまう。
渡利は父親が生活保護を受け始めてからそれを原因に虐められる。
田貫はヤングケアラーとしての役割を期待され、自分の夢に挑戦できない。
排除型社会によって一般人を殺人犯たらしめること、また疑わしいだけで学校での居場所を奪われてしまうストーリーを見てしまうと心苦しい。
ゲームを作ることでこの排除型社会に向き合い、久米井・渡利・田貫の心のケアをする堀口は格好良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ過疎化が進み、いずれ消える町。ある高校の教室で、次々とそのクラスの生徒が消える。学校は騒然とするが、僕だけは知っている。
姿を消した3人は、生きていることを。
初読の作家さんで、文庫レーベルの先入観もあり軽めのミステリを予想していたんですが、想像以上に重い話でした。
過疎と高齢化で衰退していく町のなか、精一杯生きる高校生たち。彼らが抱える問題は、虐待、いじめ、晒し、ヤングケアラー、母子・父子家庭、生活保護と幅広く、失踪や中盤で起こる殺人事件の犯人を暴くミステリーとしてではなく、社会問題とその被害者である少年少女たちの生き方や友情を青春小説のような清廉な痛々しさで描いています。
問題にはみんな立ち向かえ、克服しろと言いがちですが、立ち向かうだけではなく、主人公の堀口が作るゲームのように逃げたり説得したり助けを呼んだり、色々な解決方法がある。ラストシーン、彼らの根深い問題は解決するわけではないですが、自分がその気になれば選べる選択肢は実は複数ある、と考え方を変える一助になるような、儚くも優しいお話でした。
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こちらも失踪(消失)を扱った青春ミステリ。
→『消失グラデーション』 (角川文庫)/長沢樹