松村涼哉のレビュー一覧

  • 1パーセントの教室

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    これから不幸が訪れる人に惹かれる美少女に一目惚れされた主人公。急激にトラブルは増え、他人の秘密に触れ、果たしてそれを解決できるのか。

    敢えて言うならば本作は「日常の謎」的ミステリーか。その割にスクールカーストも絡みかなりハードだが。

    秘密を抱えたクラスメートに巻き込まれ解決をしていく主人公は可哀想としか言えないが、感情の機微や瑣末な事象から謎を解き心をほぐしていく様は心地よい。一目惚れする「死神」美少女もツンだが健気で可愛らしく、キャラ造作の良さを感じる。続編が出れば読みたい作。

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    2018年02月16日
  • おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界

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    前作と比べて感情移入しやすくて、読みやすかった。
    荒唐無稽な内容でもSNSで容易に拡散してしまうところとかがリアルっぽかった。
    音彦も陽人も逆のベクトルで同じ目的のために動いていたのが何か切ない。
    正義が悪役であり、悪役が正義であり、表層をなぞるだけでは何も分からないと思った。
    ただ、斉藤がクズ過ぎる。
    今回の話自体がこの少女の虚言がもとで起きて、斉藤のため思って動いた二人が報われないのが辛い。
    音彦と陽人のチート設定に多少突っ込まざる得ないような気がするが、前作と比べると私はこの作品の方が好き。

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    2017年03月18日
  • おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界

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    うー、デビュー作で期待のハードルを上げちゃったかな。衝撃的な作品でデビュー作した作者の2作目。事件は凶悪。はじめは大村の一人称で進むため大村に共感しようかという時に恐喝が明らかになり、大村への共感がストップしてしまった。事件に裏がありそうだと気付いてから真相が気になってあまり集中できなかった。物語の落としどころは悪くない。陽人の一人称から物語が始まっていたら違かったかもしれない。

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    2016年10月10日
  • おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界

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    胸糞悪い物語だ。だが、デビュー作を超えるインパクトを出そうとしたらこうなるのだろうか。

    作品の感想としては余計なお世話だが、そんなことを考えてしまったし、これを電撃文庫から出したのもすごいな、と思う(これも余計なお世話だが)。

    散らばっていた各キャラクターの物語がひとつに収束していくさまは、多少のレトリックの綻びを感じつつも中々に手練手管で、ゆえに、先を察することはできるがどんでん返しの畳み掛けはそれなりにカタルシスがある。

    ミステリーというには物足りないが、人の清濁を感じる青春小説として面白いのではないか。

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    2016年10月07日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    面白かった。作者の言いたいこともなんとなくわかるし、理解もできる。しかし、Kの自殺の真相など、物語終盤のどんでん返しがなんか腑に落ちない。伏線というか、本当にぽっと出てきたような感がある。それが没入感を妨げて、プラマイゼロという感じ。ラノベだと中学生大活躍だけど、実際はこれくらいに愚かで愚かだったよね、という話だと考えている。

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    2016年10月04日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    今までの電撃文庫のライトノベルとはかなり異なった作風のモノ。いじめや教育論がテーマなので、後味はかなり重い。主人公を含めた全ての登場人物が「人間らしい」言動を取っていて、その黒さに鳥肌が立った。
    ただ、少しストーリーに粗があり、簡単に先が予想出来てしまったのが残念。

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    2016年09月25日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    献本で頂いた本。

    電撃文庫はファンタジーなイメージがあるので少し想像してたのと違った。
    いじめがテーマな話。
    全体的に重くて面白くはなかったけどスラスラ読めたかな。

    読んでてイメージしたのは4年ほど前にあった「大津市中2いじめ自殺事件」だけどこれはあえてかな?
    当時も全く関係のない外野が根拠の無い情報を元に大きく騒いでいた印象はあるけど、本作もそんな感じ。
    ただ、疑問に思ったとしても被害者と加害者の意見が一致してしまえば周りにはどうしようもないと思うのは自分だけかな?

    個人的に思ったのがキャラが軽いなという点。
    Kの姉が意味ありげに別れた話が出るのに特に深掘りもされず、
    協力者の「さやぽ

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    2016年04月29日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    電撃文庫大賞受賞作と言うことで楽しみにして読み始めた。中学校におけるいじめや自殺という重たい内容を取り扱っていたため、こちらも多少重たい気持ちにもなりつつ読んだ。しかし、帯に書かれていた刺激的な宣伝惹句にたがわず、僕一人の革命の内容が明らかになるにつれ、この本のスタートからずっと語られていたことがこのラストに向けて作り込まれていたことに気づき、そのどんでん返しぶりは結構衝撃的で面白かった。
    ただし、最後の結末に向けたシーンはありきたりで、天才少年の自殺の理由もしっくりこない。ここのラスト部分がこの小説の評価を落とした。それ以外は面白く読めた。

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    2016年04月12日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    あんまり語るとネタバレになりそうなのだけど。

    「クズでどうしようもない」彼に与えられた救いには、ほぼ全く脈絡がなく唐突な印象だった。それだけが残念。

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    2016年03月05日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    設定と展開は面白く、だけどなんかしっくりこなかった。種明かしがうまくない、し、結末がスッキリしない。特に校長先生はネットで遊ぶ前にやれることもっとあったのではと思ってしまった…

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    2016年02月20日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    ミステリーのようだけど、やはり群像劇なのだろうか。あまりジャンル分けに意味は無いが、この不思議な読後感を含めて反芻したくなる作品。物語の構造はよく出来ていて、カタルシスほどではないが意外性もあり、読む程に先が気になる。正直、釈然としない部分はあるし、筆力に発展余地を感じるが、逆に、深掘りしすぎないことでこの内容を読ませている、すなわち個性になっている感もある。スクールカーストを「革命」しようとする主人公の動きと語りは、幼くはあるが自分にも心当たりがあり、中学生という時代の厳しさを思い出す。

    余談だけど。やはり本作が電撃大賞を取ったことは驚き。とはいえ、過去もチャレンジングな作品が大賞を取るこ

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    2016年02月17日
  • ただ、それだけでよかったんです

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    電撃大賞だから読むということはなく、あらすじで気になってラノベだとか電撃大賞とかの知識はないまま読んでみた。
    その期待通り、真相が気になって途中でやめられないくらい惹きつけられた。

    ただそれだけで。
    起こした事件も真相も大きなものではあるけれど、根っこの部分の純粋な望み。なんでこうなったのだろうというせつなさ。

    イジメや友情や承認欲求、そして家庭環境。色々詰め込まれて所々考えさせられるのだけれど、どちらかというとエンターテイメントだったな、と思う。(ラノベがそういうものなのかな?

    とても面白かった。

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    2016年02月14日