延原謙のレビュー一覧
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ネタバレ「技師の親指」
親指を失くした人の奇妙な依頼。ただ、最後に犯人が逃亡してしまったのは残念。なんとなく、犯人たちが『名探偵コナン』に出てくる黒の組織のように感じた。
「緑柱石の宝冠」
良くある、父親がバカ息子の盗難を疑うと言うもの。共犯ができる娘というのも良くあるトリックであった。
「ライゲートの大地主」
探偵ものの常となっている、休養中に事件が巻き込まれるやつの二つ目。
「ノーウッドの建築士」
犯人を隠れているところから、炙り出す「家事だ」もどこかで聞いた事のあるトリック。これも、ドイルが発祥なのだろうか。
「三人の学生」
真面目な学生が犯人という典型的な感じ。
「スリー・クォーター -
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ネタバレ僕にとってはSherlockHolmesシリーズ最後の1冊。名残惜しい気持ち半分、ホームズ相変わらずの名推理にワクワクさせられる気持ち半分で読み進めました。
今回、どの作品もすばらしく面白いのですが、中でも注目すべきは「瀕死の探偵」と「最後のあいさつ」だと思います。
どちらも読者は冒頭から一気に惹きつけられます。いままでのワトソンとホームズが依頼人を迎えて事件が始まるわけではないので、物語を始まりが作中または、ラストで明らかになる逆転スタイルは斬新で非常に面白かったです。
すでに事件簿を読み終えたしまっていた僕にとっては、本当に「最後のあいさつ」となったこの1作とともに終えたホームズとワト -
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ネタバレ短編集です。
最初の話は「技師の親指」です。
はじめは、水力技師がどういう犯罪と関係しているかわかりませんでした。
5年に1度読み返すと、結末を思い出すものと、結末を忘れているものがあります。
結末を忘れているものが面白くなかったというわけではありません。
逆に、面白くて、話にのめりこんで忘れてしまったものもあります。
すべての話が、すべて同じ水準で面白いというわけではありません。
2度めに読むときには、
1 結末の面白さ
2 筋の展開の面白さ
3 登場人物の面白さ
4 風景、背景の面白さ
5 文章の面白さ
の5項目について採点しながら読んでいます。 -
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不朽の名作であるコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの冒険』。
延原謙さんの「原文に忠実」な和訳のもと、ホームズの鋭い眼力と明晰な頭脳を堪能することができた。
探偵のシャーロック・ホームズと助手のワトソンの出くわす事件には、一つとして平凡でつまらないものはない。
奇怪で不可解極まりない事件の数々を、好奇心と緊張感の両方を以て解決へと向かっていく。
ホームズはある事象や物質をただ眺めることは決してない。観察し、考察する。
そこには底知れない知識はもちろん、探偵的頭脳とも言える思考回路が発揮されているわけであるが、彼は本当に小さな小さな出来事や異変を見逃さない。
それを踏まえて行われる推理 -
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ネタバレシャーロック・ホームズとワトスン博士の名コンビは、2作目にして安定感抜群だ。
ワトスンがいてこそのホームズ、ホームズがいてこそのワトスンという関係が良い。
ホームズの推理の助けになろうとするワトスンはとても献身的で、健気ですらある。
美しきモースタン嬢に一目惚れしたワトスンに対し、おそらくベイカー街の部屋を出て行かれると寂しいという内心を隠して、結婚は不毛なものだよ、と説いて引き留めようとするホームズがかわいらしいったらない。
インドの財宝を巡る殺人事件の謎解きが、テムズ川に展開する一大チェイスへと発展する意外性がとても面白く、読み応え抜群。
謎が謎を呼ぶ四つの署名、不気味な義足 -
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宿敵モリアーティとライヘンバッハの滝に落ちたはずが、読者の熱意により”奇跡の復活”を遂げたホームズ。
この経緯からして面白く、またホームズものをやめたがっていたドイルには申し訳ないですが、またこうして二人の活躍が読めて嬉しいですね。
ホームズものの短編集は冒険、思い出と読んできましたが、すっかり二人のスタイルも固まり、本作が読んでいて一番安心感を覚えました。
楽しい図形が描かれた「踊る人形」(ストーリーは胸が痛い……)、「美しき自転車乗り」「六つのナポレオン」「金縁の鼻眼鏡」などが洗練されていて面白かった!
「犯人は二人」では、ドラマでポワロさんも泥棒していたなぁとニヤニヤ。優れた探偵にはや