延原謙のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ私的シャーロック・ホームズを読もうキャンペーンの第三弾にして、シリーズ一作目です。構成として、犯人が捕縛された直後から、第二部「聖徒たちの国」が始まり、世界観が切り替わって驚きました。編集部注釈により、作中の宗教のありようは実際とは異なることが示されていますが、当時の世論や世相が垣間見える気がして、引き込まれるように読み進めました。
また、第一部には、あまりにも有名な以下のセリフが出てきて大変興奮しました!
”人生という無色の糸桛には、殺人というまっ赤な糸がまざって巻きこまれている。それを解きほぐして分離し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけ出して見せるのが、僕らの任務なんだ。“ -
Posted by ブクログ
みどころは死んだはずのホームズが突然現れて意識を失ったり、彼が本当に実在しているのかを疑い、思わず触って確認するワトソン君です。とても可愛らしい。
一方のホームズは相変わらず変人で、自分の推理のネタばらしをしてワトソン君から「なあんだ、そんなことか」と言われて不機嫌になったり、動いている汽車からワトソン君の手を引いて飛び降りたり、大きな銛を持って馬車に乗ったりとやりたい放題。100年以上前に描かれた彼らが今日も元気そうでなにより。
ところで私はホームズ→ワトソンは「ワトソン君」でワトソン→ホームズは「ホームズ」だと勝手に思ってたんですが、この本の中に「ホームズ君」という呼称が出てきてひっくり -
Posted by ブクログ
ネタバレ四つの署名以降久々の長編
今作はワトソン君メインの作品のため読者も一緒に頭を悩ませ脅威に慄き楽しめると思います。
ホームズがいる時の安心感も一際…。
伝説に纏わる事件という事で、もちろんSFでもホラー小説でもないのでトリックがあるとは思いましたが、ちょっと拍子抜け…?と言うより当時ならではのトリックですね。
(現代だと捜査能力が高いためすぐ解決してしまいそう…ですがそれを問うのはナンセンスですね)
散りばめられたピースについても最終的にしっかり綺麗にハマるようになっており、解決のカタルシスも中々です。
ポアロでも思いましたが小さな謎大きな謎、核に関係ある謎ない謎が絡まることで要所要所で紐