枡野俊明のレビュー一覧
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曹洞宗徳雄山建功寺住職で、禅の思想と日本の伝統的な考え方を基にした庭の創作活動でも国内外で高く評価されている枡野住職の日々の暮らしや考え方に関する著書。
枡野住職のもとには、海外のいわゆるセレブと呼ばれる人たちから、「禅の庭」を作ってくれと依頼が増えてきている。
「禅の庭」とは、枯山水のような何もない空間に魅力や心地よさを感じるような、限りなくシンプルな庭のことで、どんなにお金持ちになってもたどり着くところは、シンプルな空間の中に、いかに価値や豊かさを見いだすかということが多いようだ。
何かをどんどんつけ足していって、より完璧なものを目指すというよりも、余計なものをどんどん削っていって、より豊かで完璧なものを目指す考え方が日本人に合っている。
もったいないという精神についても、ものがひとつの役目を終えたとき、そのものを次は何かに生かせないか、他のものとして使えないかと、ものを大切に使っていく精神ほ、人を大切にするという心に繋がっている。
ものが豊かになり、もはや生きていくうえで足りないものはないような世の中になっているが、あえて不便な生活をしてみたり、あえて必要最低限のもので生活してみると、人間としての心の豊かさやゆとりが生まれ、世間のいきすぎた常識にとらわれないで生きていけるのではないか。
人間にとって「欲」は大切な本能であって、決して否定されるべきものではないけど、いきすぎた「欲」は人間として、日本人としての心のあり方や気持ちの余裕をなくさせてしまっているとも思う。テレビやSNSで必要以上にあおってくる「欲」を自分でコントロールし、自分にとって何を質素なもの(安価でも使えればいいもの)を使い、何を簡素なもの(多少効果でも一生使えるようなもの)とするかを見極めた生活を意識して生活してみようと思えた。 -
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現在社会の中では「所作」についてはなかなか教えてもらえる機会が少ない中で、禅の教えの中から所作について教えである。
すべての所作には意味があり、
・正しい言葉を使う。
・毎朝、両手を合わせる。
・裸足で生活してみる。
・季節を感じながら、ゆっくり歩く。
・ゴミは正しく捨てる。
・畳のへりを踏まない。
・お腹いっぱい食べない。
・箸や器を大切に扱う。
・朝、5分でいいので掃除する。
・朝起きてすぐにテレビをつけない。
・朝起きたら窓を開ける。
・朝、歩く。
・一日一回、腹から大きな声を出す。
・毎日同じ時間に眠る。
・「今日のこと」は、眠る3時間前までにすませる。
・身に着けるものは、長く大切に着られるものを選ぶ。
・花を飾る。
・古いものを大切にする。
・美しい文字を書く。
・目上の人を尊敬する。
・メールではなく、直接話す。
・感謝は、感じたときにすぐ伝える。
・風呂敷や手拭いを使う。
・月を愛でる。
・日本文化に触れる。
――など、禅の教えには、美しく生きるための知恵が詰まっている。 -
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禅の食事作法=典座教訓と赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)
食事は修行そのもの。
典座和尚=食事を扱う禅師
一日作さざれば一日喰らわず=作務をやらなければ食べない。働かざるもの食うべからず。やることをやらなければ食べない。
日々是好日=毎日が良い日、というのではなく、毎日がかけがえのない体験の日、という意味。
楽しいから調理をする、のではなく調理をすることを楽しむ。
現在、過去、未来の3旬を食べる。
現在を7割、過去と未来を合わせて3割。
旬を楽しむ、去りゆくものを惜しむ、これからの旬を楽しみにする。
よく噛み、箸は一口づつおく。
和食は、器を持って食べるもの。そのためには一口づつ箸を置くことになる。口で迎えに行かない。手で受けない。
渡し箸は禅ではOK(箸置きがないため)。
箸は袋におさめて返す。
手盆は美しくない。小皿、小鉢を口に持っていく。
レストランで横柄な態度をとらない=その人のうちにある仏様をないがしろにしている
お酒は飲める量の7分か8分にしておく。
酒が悪いのではない、飲み方が未熟なのだ。
寝る前2時間は食べるものを口にしない。
洗い物はその日のうちに。 -
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「嫌われる勇気」は仏教の考え方にも通じるところがあると思い、本書を読んでみました。
アドラーの後に読んだせいか、教えにパンチがかけてしまいます(笑)
また、本書の表題になっている「禅が教える人生の答え」とは、その考え方は禅の世界には「ない」とのこと!
え?、詐欺ジャン(笑)
筆者は禅の考え方を通して、読者がそれぞれの答えを見つけてくださいと伝えています。
なので、本書では、たくさんの禅の考え方、教えが述べられています。その中で、ここで記しておきたいことは、「布施行」
自分を育んでくれた社会にたいして恩返しをすること。それも「財施」(金品)ではなく、心で施しをする「無財の七施」
これは、覚えておいて損はない。
(1)眼施(げんせ)
常にやさしいまなざしをもって人に接すること
(2)和顔施(わげんせ)
いつもにこやかな顔で人と接すること
(3)言辞施(ごんじせ)
やさしく、暖かい言葉を投げかけること
(4)身施(しんせ)
自分の身体でできることをできるだけ奉仕すること
(5)心施(しんせ)
心を施すこと、他人のために心を配ること
(6)床座施(しょうざせ)
自分の席や場所を譲ってあげること
(7)房舎施(ぼうしゃせ)
自分の住んでいる家や場所を誰かに提供すること
これらを「誰かのためにやってあげる」のではなく、自分がこの世で役に立っていることを実感するために「させていただく」のが布施
これは、アドラー心理学にも通じるところがあると感じました。アドラー心理学の中では
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他社に対して働きかけ、他者から評価をもらうのではなく、自らの主観によって「他者に貢献できている」と感じられることが自分の価値を実感すること
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とのこと。布施行がアドラー心理学の行動のひとつになりえると感じます。
とりあえず、アドラーはおいておいて、「無財の七施」のうち、(1)から(6)までは日ごろ実践できそうです。
できる範囲で、「させていただきたい」と思います(笑) -
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住職さんが書かれた「お金」に関する本です。お金の運用の仕方ではなく、お金との付き合い方についての心得が書かれています。
お金は生活していく上で、なくてはならないものですが、その大切な「お金」とどう付き合うか、どのように使うのか、保存するのかは、その持ち主の考え方が表れるものだと思っています。
お金を沢山持ちたいのならば、お金が入ってきやすい環境を作る、入ってきたお金を大切にする気持ちでいる等、お金を単なる道具ではなく、パートナーとして付き合うと良いと思っています。
この本はお金との付き合い方を通して、どのような考え方を持って人生を送っていくべきか、それを指示してくれる本でした。
以下は気になったポイントです。
・お金に対する心の持ち方が、すなわちその人の生き方に大きく関わっている(p17)
・お金を巡らせるとは、縁を巡らせること。もしも全てのお金を自分のところに留めておこうとすれば、新しい縁は生まれてこない(p36)
・誰かに幸せを与えていれば、それは必ずあなた自身のもとに戻ってくる。誰かのために尽くすことが、結局は自分の幸せに繋がっていく。それが禅の教えること(p54)
・奉納とは、自らの菩提寺へ浄財を納めること、喜捨は、自らの菩提寺ではないが、御縁があってお参りし、浄財を納めること(p59)
・自分の心を軽くするために何を捨てるべきか。そこに思いを馳せることが大事(p62)
・質素と簡素、一見すると同じように見えるが、まったく違う意味である。質素とは、安価というお金の価値観で生活を選択する。簡素は、必要なモノだけを厳選して買うこと。必要な質の良い湯飲みを一つだけ買い求める(p71)
・簡素な食事とは、その季節にいちばん美味しい野菜などを中心にして、最低限の食事で済ます。質素な食事ではない(p73)
・簡素な暮らしとは、無駄なモノを排除していく。部屋の中をモノで満たすのではなく、できる限りシンプルにしていく(p75)
・自由であるからこそ、自分の人生を自身で見極めておかなければいけない(p77)
・今あなたがいちばんやりたいこと、心から望んでいることは何か、これにお金をかけるのが「生きたお金」というもの(p81)
・財布の中身をすっきりさせることで、お金が貯まるかどうかは別にして、余計なモノを入れておかないことは大切である(p88)
・財布の中は、明日必要なお金とカードだけにする。そのスリムな財布は、あなた自身の心でもある(p93)
・自分が大好きなことをただ純粋な気持ちでやる、それも10%の時間とお金を使って、それが趣味を楽しむコツ(p100)
・お金や損得にとらわれることなく、目の前に与えられた使命に向き合う事。それが仕事である。仕事は続けることで必ずキャリアになってくる(p107、112)
・できる限り部屋の中はシンプルにしておくこと。モノが目に入らない環境をつくっておく。そういうすっきりした空間に身を置くことで、心の中も自然と整ってくる(p117)
・バックから取り出した不要なモノ達こそが、あなたの心の中に巣くっている不要な欲望であることに気づくはず(p119)
・服はいきなり10%カットするのではなく、もう2度と着ることはないだろう、1着を手放す(p128)
・自分自身の満足や欲望のためではなく、誰かを思って使うお金、そんなお金の尊さを知るべき。邪心なく手放したお金は必ず自分のもとへ返ってくる(p130)
・お金の使い方を変えることは、すなわち生き方を変えることに等しい(p134)
・心を許せる関係とは、つまりは相手のことを心から思う気持ちを互いに持っているという事。上辺の付き合いではなく、心と心が通じ合っている。(p139)
・最低限必要なモノとは、言い換えれば、一番大切なモノ。それが明確に見えた時、人は幸せを感じることができる。物欲に心が囚われている人達は、すなわち大切なモノを見失っている人達である(p149)
・人間とは、必死になって行動しているときは、不安な気持ちにならない。行動もせずに、ただじっとしているときに不安感は忍び寄ってくる(p153)
・禅の教えでは、比べるとべきは自分と他人ではない。比べるべきは、(1年前の)自分と今の自分である(p166)
・どんなに親しみを感じるようになっても、何十回と飲みに連れて行ってもらっても、常に感謝の気持ちを伝えることが大切(p197)
・目には見えない「心」を残すこともまた、その人なりの財産を残すことになる(p212)
・リンパの流れをよくするためには、不便な生活をすること。一日に何回も台の上にのったりすることで、リンパの流れが良くなる(p223)
2016年4月17作成