椎名優のレビュー一覧
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猫の地球儀、第二巻。
トルクに住まう猫とロボット、天才と喧嘩屋の物語の第二章。
泣けます。もうボロッボロ泣けます。
大集会の手によって抹殺され続けてきたスカイウォーカー達。
その三十七番目の黒猫・幽(かすか)も、大気圏に突入可能なポッドを自ら設計し、スカイウォーカー達の夢である天体、地球儀を目指していた。
いよいよもって、長年の夢を実現する時。
幽(かすか)は思い立った。
やらなければならない事がある。
そして、天才スカイウォーカーと最強のスパイラルダイバーが、激突する。
物凄く人間臭い猫達の織り成す物語、第二章。
相変わらず余裕の無い世界に暮らす天才と、相変わらず自信の持てない喧嘩屋が、もしかしたら分かり合えるかもしれないのに結局は命を賭けた戦闘を繰り広げる、どこまでもロマンを追い求めてダメになっちまった野郎のような展開を見せる物語です(違います)(っていうか男性読者に失礼です)。
確かに二匹とも雄猫だけどさ。
改めて読み直してみると、名台詞がたくさんあります。
いやほんと。
私はどちらかというと夢を追いかける人間なので、幽(かすか)の生き方に憧れたりもします。 -
Posted by ブクログ
いやあ、面白かった面白かった面白かった面白かった。
猫が凄いんだもの。猫で泣くとは思わなかったんだもの。
この本の含むものは多いと思います。
宗教観であったり、歴史であったり、夢であったり。
たった数匹の猫のやりとりで、それを提示し、考えさせる物語の魅力。
SFであるから、少々ややこしい記述は確かにあります。でも、そんな所は全部読み飛ばしちゃってもよろしいです。
B級SF映画のコロニーを思い浮かべつつ、そこにカビを振りまき、そこらへんの道路にうずくまってるぼろぼろの猫達が、格好良くそのカビだらけのコロニーを闊歩する。
一つ街が出来ていたり、一つ総括する集団があり、もちろんそれに反発を持つ猫も、日常をなんの疑いもなく受ける猫も、夢を持つ猫も、夢を持たない猫も信心深かったり、良いやつだったり悪奴だったり……
ほら、普段読んでいる本と何が違いますか。
敷居は高くないはずです。 -
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目次
・領主の養女 Ⅱ
・ヴィルフリートの一日神殿長
・ハッセの孤児
・ユストクスの下町潜入大作戦
領主の養女となり、おまけに神殿長にまで就任したローゼマインには、やらなければいけない仕事や覚えなければならない物事がたくさんある。
秘密であるとはいえ、平民の子どもが領主の養女となったのだから、失敗は許されない。
フェルディナンドはますますローゼマインに厳しい課題を与えるが、そんなローゼマインに「ずるい」と絡んでくるのが、義兄のヴィルフリート。
これは、うざい。
フェルディナンドがなぜローゼマインに厳しいのか。
それは、領主の私生児であったフェルディナンドが、幼いころから失敗を許されない環境にあったから、というのが今回分かったこと。
その点、ジルヴェスターもヴィルフリートも、甘やかされて育ったのだな、と思う。
失敗を許されない→弱音を吐けないフェルディナンドが、どれだけの仕事を抱えているのかを、ローゼマインに指摘されるまで考えたこともなかったジルヴェスター。
ここはおいおい改善していくのだろう。
それからハッセの町でのいざこざ。
現代日本の感覚で、「よかれと思って」孤児院の子どもたちを引き取ったローゼマイン。
孤児院の子どもたちは町長の管理下にあり、貴族に高く売れたら、その分が町の収益になる。
ローゼマインはそれを、貴族の権力で横から奪い取ったことになる。
そして、それに反抗した町長たちは貴族に反旗を翻したことになり、町ごと消滅させられても文句は言えないのだそうだ。
そうとは知らなかったローゼマインは、なんとかハッセへの罰を最小限にしようとするのだが。
現代日本の常識、この世界の平民の常識、商人の常識、神殿の常識、貴族の常識。
それぞれに違う常識の中で、その時々の最適な言動を選択するのは難しい。
読者もローゼマインとともに、どうするのがよいのかをつい考えてしまう。
現代日本の常識しか知らない私は、ハッセの章は読んでいて辛いものがある。
ハッセの民に同情するというのではなく、ローゼマインの逡巡する気持ちがわかるから。
大勢の人を救うためとはいえ、町長一人を陥れる策を考えなければならないのは、やっぱり気分のいいものではない。
ところで、作者は多分とても筆が載っているのだろうと思うが、意味を読み取りにくい文章が時折出て来る。
それとともに、脱字も散見される。
どちらも編集の問題と思うが、気持ちよく読んでいるのに急ブレーキをかけられたような気がするので、少し嫌。 -
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目次
・領主の養女 Ⅰ
・妹の護衛騎士
・腹の痛い料理人
領主の養女となるために、神殿行事や孤児院・工房の経営の他に、上級貴族としての知識や作法を身に付けなければならなくなったマイン改めローゼマイン。
すぐに倒れる虚弱体質の割に、どうしてこんな過重労働に耐えられるのか疑問だったのだが、どうもマインの体の中を流れる魔力は、魔力の調節をする魔術具を持たないで成長したせいで、体内の所々で固まっているらしいのだ。
要するに、「本が読める~!」なんて興奮すると倒れるように、脳梗塞のような感じに魔力が詰まってしまう感じなのかな。
領主の養女になる前に、カルステッドの娘として貴族たちに紹介される。
平民が領主の養女になるなど、考えられないことなので。
そして、洗礼式前の子どもは貴族として扱われないので、神殿で育てられていた…はギリ説得力があるようだ。
ところで、カルステッドとエルヴィーラの夫婦仲だが、アニメやマンガを見ていた時はさらっと流されていたけれど、実は結構冷ややかだったんだね。
アニメでは後に「見直した」とカルステッドがいうシーンがあって、軽い違和感があったのだけど。
カルステッドは見た目可愛い、かばってあげたくなるような女性が好きなんだね。
だから第二夫人と第三夫人の中が険悪で、家の中がギスギスしていた時、家に寄り憑かなかった。
でも家の中のごたごたをなるべく収める形でエルヴィーラが仕切っていた。
それがまた、カルステッドには可愛げがなく見えた、と。
そんな中、エルヴィーラは神官長の大ファンで、夫よりも神官長であるフェルディナンドに対して全振りしているのは、大丈夫なんだろうか。
もちろん上級貴族の妻として対外的な問題行動は起こさないけど、彼女の心の内は果たして…。
小説にはなかったけれど、アニメでエルヴィーラが貴族が忌み嫌う神殿にやって来たとき、神官長目当てというのもあったけど、ローゼマインが規律正しく暮らしているのを見て「安心した」と言ったシーンは好きだったな。
あとはローゼマイン専用の騎獣と、ロウ原紙の完成。
ロウ原紙ができたことで、ガリ版印刷が可能となり、貴族女性対象のチャリティー音楽界のパンフレットやフェルディナンドのイラストがバカ売れ。
新しい工房を設立するための資金を確保できたうえに、印刷に対するデモンストレーションにもなった。
今巻ではローゼマインは前向きだし元気だし、読んでいて楽しい。
たまには本を読む時間も与えられているようだし、主人公が幸せなのが何より。 -
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ネタバレ印刷業や本作りがさらに大きく動き出し、ローゼマインの「本を作りたい」という夢が、いよいよ領地を動かす産業へと発展していく過程が楽しい。紙作りや印刷技術が形になっていく様子は、まるで異世界の産業革命を見ているようでワクワクする。
一方で、ゲオルギーネの来訪によって、それまでの本作りや衣装、印刷業といった明るく華やかな展開から、一気に政治的な緊張感が高まるのも印象的。ローゼマインの周囲で世界がどんどん大きくなっていく感覚がたまらない。
そして、ダームエルとブリギッテの恋愛模様も微笑ましい。身分差を抱えながらも少しずつ距離を縮めていく二人を、思わず応援したくなる。ものづくりの楽しさ、政治の緊張感、恋愛の微笑ましさが絶妙に絡み合った、読み応えのある一冊だった。 -
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目次
・神殿の巫女見習い Ⅳ
・フリーダ 貴族街訪問
・ジルヴェスター 騒ぎの後始末
・アルノー 私とフラン
・ベンノ 仕事を減らそう
・フラン 神殿長の側仕えになるために
・エーファ 前を向いて
・ベルーフの資格
・領主のお忍び
いつかは貴族の養女にならなければ、生きていけないマイン。
身食いの平民が生きのこるためにはそれしかないので、あえて生き残らずに家族との時間を優先したはずのマインだが、彼女の持つ魔力があまりに強大なため、家族を巻き添えにしないために貴族の養女となることを選んだ。
でもそれは、貴族院に入らなければならない2年後、のはずだった。
しかしマインを憎んでいる神殿長の手引きで、他領の貴族がマインを強奪するためにエーレンフェストに乗り込んで乱暴狼藉をはたらくに至って、一刻の猶予もなくマインは上級貴族のローゼマインになることを選ばざるを得なくなるところまで。
今回、アニメではさらっとしか触れられていない部分までしっかり書かれていて、いろいろと腑に落ちた。
貴族の家に生れながら、もって生まれた魔力量が少なかったことと後ろ盾が弱かったために、幼いうちに神殿に入れられ、貴族となる道を断たれた神殿長という背景が見えたので、なぜあれほどまでにマインを嫌うのかがわかった。
貴族になれなかったから余計に、貴族扱いの平民であるマインが厭わしかったし、何より莫大な量の魔力を持っていることが許せなかったのだろう。
マインを見るたびに、思い出したくないコンプレックスが蘇るから。
しかし、領主の叔父という立場を利用して、仕事はしない癖にやりたい放題の神殿長は、神官長からも領主からも疎まれていたわけで、神殿内における他領の貴族によるマイン強奪事件は、新田町排除の絶好の口実を領主たちに与える結果となった。
ご近所の人たちには、マインは死んだことにする。
これだけで、うまくいくのか?と思っていたけれど、ちゃんと近所の人たちとお葬式を行ったんだ。
死体ないけど。
「他領の貴族に殺された。遺体は貴族に持って行かれた」と言えば、それ以上の追及はない、という世界。(貴族絶対社会)
元々体が弱くて外に出ることが少なかったマインなので、近所の人たちにはマインとの思い出もさほどなく、わりとあっさりと納得されたのだった。
神官長の筆頭側仕えのアルノーが、フランに抱いていた昏い思い。
それが、マインの命を脅かしたかもしれない小さな出来事を頻発させ、それを知った神官長はアルノーを処分した。
筆頭側仕えと言ったって所詮貴族ではないので、あっけないものです。
平民身食い仲間のフリーダは、成人したら貴族の愛人になる契約をしている。
その貴族の弟がダームエルだったので、今後もフリーだとマインの繋がりはかろうじて残るのかな?
領主の養女と下級貴族の愛人との接点をどこに持ってくるかという問題はあるが。
アニメでは、突然レストラン関係者としてギルド長が出てきたので、どういうことかと思ったら、ベンノさんの仕事を楽にして、責任と儲けを分かち合うためだったのね。
納得。 -
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目次
・神殿の巫女見習い Ⅲ
・神殿の昼食時間
・グーテンベルクの称号
トロンべ討伐の際、護衛の騎士に傷つけられたにもかかわらず、強大な魔力で土地を癒したマインの姿は、貴族社会に衝撃を与えた。
身食いの平民と言っても、魔力はたかが知れていると思われていたからだ。
そして、平民の娘であるマインが生み出した商品や経営する工房は、下級貴族の収入より大きな利益をもたらしている。
そのため、目端の利く貴族たちの間でマインの利用価値が高まり、マインや家族への危険が高まるのだった。
家族を守るため、神殿で冬ごもりをすることになったマインの生活。
来年の豊作を祈念するために魔術具に魔力を込める奉納式、春の訪れの前に農村等を回ってその魔術具を渡す祈年式等の巫女見習いとしての仕事と、活字印刷を進めるための工房の仕事で忙しい日々を送るが、家族と離れた寂しさはぬぐえない。
どうしてそんなに家族といることにこだわるのか。
基本的にマインは本が読めればいいので、神殿で本の読み放題は喜ばしいはず。
けれど、以前の人生で本を最優先した結果、大切な家族との時間を蔑ろにしてきたことに気づいたマインは、「家族との時間」は決して譲れない大切なもの。
今回は新たに弟・カミルの誕生もあり、マインの心はいよいよ家族に向かうのだが。
短編は、マインの護衛失敗の処分として、一年間マインの護衛を騎士見習いという降格された身分で行わなければならないダームエルが、フェルディナンドと昼食を食べながらマインについてや騎士の心得について語らう話と、金属加工職人として金属活字を作成したヨハンにグーテンベルクの称号を与えた話。
これからは本好きから少し離れて、貴族社会の話になっていく。
その中で、本と家族がマインの核なんだとこの巻を読めば理解できる。 -
Posted by ブクログ
大事で好きな箇所。
家族との別れはつらいけど。
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長い冬を終え、瑞々しい春が到来したエーレンフェスト。神殿内では、巫女見習い・マインの今後について様々な動きが加速していた。彼女を嫌う神殿長の画策もあり、街は不穏な空気に包まれていく。それでも、マインの毎日は何も変わらないはずだった。弟の誕生、インク開発による新しい本作り等、これからもずっと家族や仲間との愛おしい時間を過ごすはずだった。だが、世界は彼女に残酷な決断を迫る――。マインは今、大切な人々を守るため、家族への愛を胸に新たな道を歩き始める! ビブリア・ファンタジー第二部、感動の完結編! 衝撃の結末後の人々を描く書き下ろし短編集+番外編2本、さらには椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!