長谷敏司のレビュー一覧

  • My Humanity

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    作家初読み。これはすごい、面白い。テクノロジーで変容する世界と、変化する社会の中を生きる人間の希望、戸惑いや悩みを丁寧に描いたSF短編(中編)集。

    「地には豊穣」
    脳に経験を伝達するITP技術の発展は多様な文化や民族性を淘汰するのか。技術の便利さのみを信奉してきた主人公は、自らに強調された祖国人のパーソナリティを植え付けることで、新しい世界を見つける。個人のバックグラウンドに積み重ねられてきた文化や民族性の本質とは何か、何が個々の人間性を定めているのか。個人が自分の背景となる文化を選べる時代が来るのかもしれない。じーんとくるものがある。

    「allo,toi,toi」
    題材が重く生々しい。刑

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    2015年05月23日
  • My Humanity

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    人の経験を脳内に描き込める言語。監視し判断する超高度AI。生物のように増殖し、人の生活圏を脅かすナノマシン。人は便利な道具を作り使う。道具は人の生活を生態さえも変えていく。支配しているのか、されているのか? 主従が逆転してはいないか? テクノロジーの進化は止まらない。それを是とするか、否とするか"人間性"が戸惑っていてもだ。近視で先を見通せないのに、危うい足取りで進み続けるのだ。

    人らしくあることへの葛藤が描かれています。『allo,toi,toi』断末魔の悔悛の絶叫に悪夢を見ました…。

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    2015年05月09日
  • 戦略拠点32098 楽園

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    ライトノベルである。それ故に読み口は軽いがテーマは面白い。
    かなりの遠未来、銀河同盟と人類連合がいつ終わるとも判らない消耗戦を続けている(スターウォーズが銀貨英雄伝説かという舞台立てですな(^^ゞ
    人類連合の戦略拠点上にある「楽園」と呼ばれる惑星が舞台。四季折々にいろんな花が咲き実を付ける惑星だが、動物は住人であるマリアと人類連合軍の制御官ガダルバしかいない。人類連合が必死で防御するこの星の秘密を探るべく星に降りてきた銀河連盟の降下兵のヴァロワ。登場人物はこの3人のみ。
    いったいこの惑星にどのような秘密が隠されているのか。
    3人の日々が淡々と進み、最後は切なくなる物語。
    デビュー作ということも

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    2015年02月04日
  • 円環少女 13荒れ野の楽園

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    押し付けの幸せな未来はいらない。
    凡人も変態も狂人も、しぶとく、汚辱にまみれても、混沌の今を生きていく。画一的統制を拒絶、多様性の肯定かな?
    仁はいろんな意味で道を踏み外してしまいましたね…。きずなは人類最後の日まで、同族殺しを続けなくてはならないし。
    何が正しいのか?ではなく、生き様を選びたいということですね?
    成長したメイゼルの二つ名を想像するのが少し怖いなぁ…。
    でもまぁともかく、愉しめました。
    オールキャストが総出演の華やかなラストバトルでした。

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    2014年07月05日
  • My Humanity

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    なかなかの本格SF。ガジェットのアイディアもユニーク。
    4編ともじんわりくるが、最後の書き下ろし短編「父たちの時間」は涙なくしては読めない。

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    2014年03月13日
  • メタルギア ソリッド スネークイーター

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    ゲームをクリアーした際の感動が蘇ってきた。
    もっと早くに出して欲しかった。こんな作品読んでしまったら、またやりたくなるじゃないか。
    スネークの心理描写に加えてコブラ部隊とボスのエピソードも本に引き込ませる素晴らしいエッセンスになっていた。
    この本を読んで、切に望むのは是非PWで語られたエピソードも本にしてもらいたいところだ。
    MGS3をやった人は是非読むべし!

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    2014年02月02日
  • 円環少女 5魔導師たちの迷宮

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    仁は組織人としてはアレなんだと思うんだけど、大人としては良い人なんだろうと思う。仁がメイゼルという少女に託し、重ねたものの重さがわかるような巻。

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    2014年01月01日
  • 円環少女 9公館陥落

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    東郷先生。すげー頑固な人なんだなっていうのと、いまどき古臭い人やっていうのもあるけど、こういう人だからついていくんだろうな、と思う巻。

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    2014年01月01日
  • 円環少女 10運命の螺旋

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    メイゼルの過去が出てくるところ。今までぼちぼちでていた「背約の御業」ってなんなのか、メイゼルが地獄落ちしたのはなぜなのかが判明。

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    2014年01月01日
  • あなたのための物語

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    長い割にストーリーはあまり動かず、単調と言えば単調だが、ただ「死」に向かう一人の女性の心境の揺れ、葛藤がこれでもかと書き殴られている。何となくお洒落な小説のタイトルは、読んでる途中で得心がいき、読み終わると悲しくて胸詰まる。また本筋とそこまで関わりはないが、「小説は読み手に言葉を与えるものではなくて、読み手から言葉を奪うものだ」という表現が途中にあり、これについてはもう一回改めて考えてみたい。

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    2013年11月10日
  • あなたのための物語

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    医療分野において発展途上であった未来SF?小説。何度も時が経っても、誰にでも死はやってくるという、逃れられない生命の終着点を一人の女性サマンサ・ウォーカーの病気発覚から死ぬ間際までを描いている。じわじわと彼女の体が灰になっていく描写は読んでいて、妙に臨場感があった。
    生きることへの思いを描いた作品が多い中、死を描いた作品としては考えさせる作品としてとても面白かったなと思う。

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    2013年10月16日
  • 天になき星々の群れ フリーダの世界

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    今はもう絶版状態だそうでもったいない…。
    SF畑からの長谷先生の2冊目になるのかな?
    自分は中古で買いましたが、とても再販が待ち望まれます。

    宇宙の中でも辺境である惑星レジャイナを仕事で訪れた暗殺者である少女フリーダと、綺麗事ばかり言うターゲットである少女アリスの話。
    みんなと仲良くしたい。未来を夢みたい。人殺しなんか絶対にやっては駄目。アリスの言葉は日常においては誰もが同意し、フリーダは内心で否定する。地獄のような環境で暗殺者となったフリーダには「綺麗事」に見えた。
    その考えが変わるのは、海賊の襲来によって「日常」が変わってからのこと。


    海賊が襲ってきて極限状態になってからの描写は鳥肌

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    2012年04月23日
  • 円環少女 13荒れ野の楽園

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    色々突っ込みたい所はある。
    未来と現在の時間的関わり合いとか。
    それはさておき最終巻。
    お疲れ様でしたー!

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    2011年03月08日
  • 円環少女 12真なる悪鬼

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    相変わらずの苦闘っぷり。
    結構日常1冊戦闘1冊の繰り返しの意識があるので
    今回は日常編かと思ったら混ざっていた。

    あとがきで作者も言っていたが、この本はネタばれせずに
    触れることが出来ないのは確かにそんな気はするw

    陣のチャンネル的な話は、昔のこのシリーズで出てきたのか
    違う本でそんな話があったのかは不明だがそんなのを読んだ事が
    ある気はする。

    戦闘シーンは相変わらず苦闘としか言えない状況。
    力のインフレは感じないが、確かに敵も強くなっているのか
    よく分からないフシはある。
    グレンが最強か九位が最強かアンゼロッタが最強かと聞かれると
    どうなのだろうか。

    取り合えず、次回最終巻らしいので

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    2010年09月21日
  • 円環少女 9公館陥落

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    これまで悩みに悩み続けていた仁がついにある一つの結論に辿り着く。また、新しい世代に公館を任せようと古い世代の自らの生に決着を付けようとした東郷。円環世界での罪について触れられてはいないが少しずつその謎の輪郭が現れ出したメイゼル、鬼火衆の刻印魔道師たち。核を利用して戦争を企てようとした九位。それぞれの様々な欲が絡み合っていた本作。
    読み終わった今となっては説明することはできないが、読んでいる最中はその思惑の深さに驚き、闘う彼ら彼女らの姿に何度も背中を押されるような強い意志を感じられた。
    そうなのだ。この作品は溢れんばかりの意志が詰め込まれている。矛盾してたって、倒錯してたって、変態チックだろうと

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    2009年10月04日
  • 円環少女 1バベル再臨

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    絶対的じゃない魔法と、もがいても生きていく人々の中でもメイゼルが鮮烈なまでに眩しいです。
    彼女達の平凡な日々が待ち遠しい。
    面白い。

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    2009年10月04日
  • 円環少女 しあわせの刻印

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    倉本きずおはねぇよwwwメインキャラそれぞれに見せ場が有って良い良い良い。エレオノール・ナガンが戦わなかったのが残念でしたが、次に期待。グレンが強すぎで読んでて疲れました。

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    2009年10月07日
  • 円環少女 3煉獄の虚神(下)

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    倉本きずおはねぇよwwwメインキャラそれぞれに見せ場が有って良い良い良い。エレオノール・ナガンが戦わなかったのが残念でしたが、次に期待。グレンが強すぎで読んでて疲れました。

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    2009年10月07日
  • プロトコル・オブ・ヒューマニティ

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    これは名作。AIとの共存みたいな、ありきたりの言葉では語りきれないほど、芸術や介護等の重い深いテーマにも踏み込まれている。
    これは是非映像化して欲しい。各所の情景が浮かぶし、切ないけど希望もあるみたいな程よいバランス。

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    2025年11月21日
  • あなたのための物語

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    ネタバレ

    死についてのお話。
    死に近づいていく主人公の肉体的な苦しみ、精神的な葛藤が克明に描かれていて、考えさせられた。

    読むのに1週間かかった。いい読書体験だった。

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    2025年11月04日