長谷敏司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全13巻再読 代表1巻
『ストライクフォール』がいまいちだったわりに
あの作品もこの作品も『円環少女』には劣るぜと唱え続けて
この作品にSF大賞も星雲賞も向けなかったSFかいわいは無能といい続けているので
読み直す
やっぱり小学生は最高だぜ
ヒロインが小学生だったり
主人公がライトノベルとしては大人なのにふらふらしまっくっていたり
大抵の登場人物が変態だったりするが
文句なしに素晴らしい
まったく素晴らしい
主人公とヒロインの成長描写も
SFな世界設定を十全に活かしたバトルと話の行先も
全ての登場人物にしかるべき役割と確固たる個性と異なる視界のあることも
どこをおいても大変に面白い
読めて良かったこの作品に出会えてよかった -
Posted by ブクログ
文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多いがあっという間に読み終えてしまった。特に面白かったのは、「仮想の在処」「南十字星」「未明の晩餐」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」。
以下、個別作品の感想。
◎公正的戦闘規範(藤井 太洋)
格好いい話だ。ドローンや歩行兵器などが登場し、さらに戦争の規範を訴える。無人兵器が実用化されている現代において、生身の人間がどのように戦闘行為に携わるか、戦争の正義を提案しているとまでは言わないが、現代のノールールな戦争より少しはましな状態を描いていると思う。
◎仮想の在処(伏見 完)
「ハーモニー」を彷彿とさせる物語。人間の意識とは、人格とは、存在意義とはなどを考えさせられる。伊藤計劃の作風に近い小説であり、彼の作品を読んでいるかのような感覚になった。
◎南十字星(柴田 勝家)
伊藤計劃っぽさはあまりないけれど、作品自体は面白い。少女との出合い、少女の死、仲間の死、自我の死、いろいろな死が平気でまわりに存在する中で生きている自分。意識がある自分、他人と同化した自分、自分ではない自分、意識と生命の存在を意識したところはやはり伊藤計劃っぽいのかな。
◎未明の晩餐(吉上 亮)
死刑囚に最後の食事を作る料理人の話。読んでいてどんどん引き込まれる。素直に面白い。哀しくもありハートウォーミングでもあり、見事な作品だと思う。
◎にんげんのくに Le Milieu Humain(仁木 稔)
ジャングルで生活する少数民族の話。部族に所属する“人間”と部族出身ではない異人がどのように生活するのかを描いている。普通に読んだだけでは、現実にある少数民族の普通の話のようにも読める。SFとして読むのは無理があると感じたのだが、他の人はどのような感想を持ったのだろうか。
◎ノット・ワンダフル・ワールズ(王城 夕紀)
生命の進化とはを問う物語。その定義を作品に語らせている。おそらく学術的な進化とは異なる解釈がなされていて、「へぇ~なるほど」と思わせる。「ハーモニー」を思い起こさせる作品である。
◎フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪(伴名 練)
実に面白い。「屍者の帝国」を思い出す。三原則についてはどこかで聞いたようなものもあるが、最初に出てきた原則を読んで瞠目した。確かに意識があるとかないとかはどのように判別するのだろうかと。それを疑問に思ってしまうと、自分自身が生きているのかどうかさえ疑ってしまう。この恐怖に震えてしまった。
◎怠惰の大罪(長谷 敏司)
人口知能(AI)が出てくるものの、それ以外でSFを感じさせる要素はない。ストーリーはキューバを舞台にした麻薬がらみの裏世界を描いたもの。ゴッドファーザーを思い出させる。長編作品の第一章が掲載されている。SF要素を楽しめるのは、第二章以降なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
作家初読み。これはすごい、面白い。テクノロジーで変容する世界と、変化する社会の中を生きる人間の希望、戸惑いや悩みを丁寧に描いたSF短編(中編)集。
「地には豊穣」
脳に経験を伝達するITP技術の発展は多様な文化や民族性を淘汰するのか。技術の便利さのみを信奉してきた主人公は、自らに強調された祖国人のパーソナリティを植え付けることで、新しい世界を見つける。個人のバックグラウンドに積み重ねられてきた文化や民族性の本質とは何か、何が個々の人間性を定めているのか。個人が自分の背景となる文化を選べる時代が来るのかもしれない。じーんとくるものがある。
「allo,toi,toi」
題材が重く生々しい。刑務所内でITP技術による脳の矯正実験を受ける小児性愛者の話。そして彼をモニタリングする科学者。「好き」「嫌い」とは何かを突き詰めていった結果、そもそもの人間の心の脆弱な部分が見えてきてしまう。心に残るも、ずしりと重荷が乗っかる感覚。
「Hollow Vision」
宇宙時代が幕をあけ、宇宙で暮らすための合理的な習慣やシステムが生まれていく。活劇ありでイメージ多様でわくわくする設定。他の三編より落ちるかな。
「父たちの時間」
面白い。テクノロジーの暴走が人類の危機を招くというよくある筋ではあるのだが、知的な興奮と物語としての面白さを併せ持った傑作になっている。ゴジラを連想。
原発のメンテナンスのために自律するナノマシンが実用化された世界。生物を模倣したナノマシン群は人類の予測を超えて進化を始める。
ナノマシン対策チームの主人公は、父親としての自分を意識の外に置きひたすら仕事に励んできたが、危機を前に再び家族との絆を見直していく。主人公がナノマシンの進化を自分や人間の生と重ね合わせて思いをはせていくのが面白い。世界の危機でも、人は生きて、家族を愛して、もがきながら前に進んでいく。 -
Posted by ブクログ
ライトノベルである。それ故に読み口は軽いがテーマは面白い。
かなりの遠未来、銀河同盟と人類連合がいつ終わるとも判らない消耗戦を続けている(スターウォーズが銀貨英雄伝説かという舞台立てですな(^^ゞ
人類連合の戦略拠点上にある「楽園」と呼ばれる惑星が舞台。四季折々にいろんな花が咲き実を付ける惑星だが、動物は住人であるマリアと人類連合軍の制御官ガダルバしかいない。人類連合が必死で防御するこの星の秘密を探るべく星に降りてきた銀河連盟の降下兵のヴァロワ。登場人物はこの3人のみ。
いったいこの惑星にどのような秘密が隠されているのか。
3人の日々が淡々と進み、最後は切なくなる物語。
デビュー作ということもあり、文章も甘いし設定も如何なものかと言うところもあるものの、バックグランドとなるディテールにもしっかりこだわった作品になっています。
お勧めの一冊。