長谷敏司のレビュー一覧

  • 戦略拠点32098 楽園

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    長谷敏司のデビュー作。
    彼の作品は『ビートレス』を以前読んだことがあるのだが、2段組600ページという長さと、硬くて回りくどい文章が合わなくて途中で挫折してしまった。
    本作はデビュー作ではあるが、『ビートレス』よりもレベルが落ちることもなく、むしろ硬さがなくて私にはこちらの方が読みやすい。

    また、ライトノベルレーベルではあるが、今の感覚からすると「これがラノベ?」と疑いたくなってしまうような作りこみの世界観と登場人物の動きを見せてくれる。
    やはり一昔前の「ライトノベル」と、最近の萌えや奇抜さに走った「ラノベ」は全く別物だと感じる。

    物語の前半部分は、敵軍が守る謎の惑星に降下した兵士ヴァロワ

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    2020年10月07日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    目次
    ・公正的戦闘規範 藤井太洋
    ・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
    ・南十字星 柴田勝家
    ・未明の晩餐 吉上亮
    ・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
    ・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
    ・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
    ・怠惰の大罪 長谷敏司

    どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
    この2作品は好きだなあ。
    特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。

    単純な幸福はない。
    幸福に正解はない。
    けれどどの作品も屈託があり

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    2019年08月14日
  • あなたのための物語

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    人工知能にハリー・ポッター全巻を読ませ、続きを書かせてみる実験が昨年行われたが、ロンがハーマイオニーの家族を食べたりハリーが7ヶ月間階段から転げ落ち続けたりとパンチの効いた内容になったようだ。

    この実験結果を聞いて笑いが込み上げてくる反面、どこかホッとした人も多いのではないだろうか。人間は「生身の肉体がある」ことと「感情を持っている」点では機械を超越した存在であると信じている人は特に。

    本書では義肢の一環として人工神経が生み出された近未来が舞台となり、実験の一環として機械に小説を書かせるのがテーマ。死が間近に迫った科学者が、死に対する恐怖と自己愛、小説の存在意義について思いを馳せる展開は読

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    2019年01月15日
  • My Humanity

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    あなたのための物語から関連で読んだ。なかなか良かった。
    2作目 allo toi toi:そこにあるようなSF描写と、脳にデバイスを埋め込んでも結局は変われない人間の根っこがうまく描かれている。なかなかの生理的嫌悪をもよおす結末で素敵。
    3作目 hollow vision:SF描写の迫ってくる感じが大変よかった。AIを描く作品はとにかく新鮮さが命だとはっきりわかる。テロ鎮圧の流れが怒涛の勢いで一気読み。
    気になったのが、自転軸という言葉の使い方。たぶん作者は(自転の円周方向という意味で)間違って使っているのではないか。軸は軸だぞ
    4作目 父たちの時間:ナノロボットの自律進化の過程がなかなか真に

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    2021年04月23日
  • My Humanity

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    『地には豊穣』
    再読
    豊穣の月の下で薄れ往く文化差異を惜しむ話
    豊穣という言葉は普段使わないとかどうでも良いことを思う
    科学の力で言葉や国家や宗教と文化がたいらになるまで
    果たしてどれくらいかかるか
    他の話と比べると割と平和な話かもしれない

    『allo,toi,toi』
    再読
    犯罪者心理とSFてきに接触する話
    SFというより警察ものとか社会派とかああいう系統よりか
    SFというのもそういうものだけれども
    感情自律ができても犯罪は減らないだろうけれど文化は衰退しそう

    『Hollow Vision』
    スパイ大作戦な娯楽活劇調
    『BEATLESS』の超高度AI世界は無尽に広がりそうなので
    この話の

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    2018年10月26日
  • メタルギア ソリッド スネークイーター

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    原作付でもいつもの文体なのね
    良いのか許されるのかと余計な心配
    4が小説化されたあとの3なのでなかなか難しいところだが
    さすがに上手く省いたお話になっていて安堵
    もっとも原作を知っていればこそで
    単にスパイもの冒険小説として楽しめるのかといえば否であり
    どこまでもゲームの小説化な一冊
    そういう面で原作を否定する気はまったくないが
    だからといって4や5についていくほど好きでもない

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    2018年10月25日
  • ストライクフォール

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    SFは常に新しいことをしなければならないわりには普通のライトノベルなスポーツバトルもの
    主人公の高いところからの描きかたや
    個人でなくチームバトルであるなどの細部の描写はさすがによくできているが
    『BEATLESS』と対比だからか
    この作品設定を使って次に面白さが拓いていくようなところは感じない
    『円環少女』はそう振り返ると奇跡の調製だったのか

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    2018年10月19日
  • ストライクフォール2

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    えっ続きでるの
    ということで1巻から読み直す
    まっとうにスポーツもので
    宇宙を舞台にしたルールづくりが
    『ビートレス』のシェアードワールド展開作品を思わせるいつものSF感
    ヒロインをはじめとする登場人物のめんどくささ加減もいつもの
    これで続くんだ
    いったい誰が読んでいるのか謎
    もちろんそういう作品はたくさんあるので個々人の範囲はほんとうに狭いことだが

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    2018年10月17日
  • あなたのための物語

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    短編集『My Humanity』を読んで、長編も読んでみようかなと思い購入。
    若くして成功者となった科学者、サマンサ・ウォーカーを中心に描かれる物語。
    成功者だった彼女が『余命半年』と判明してからは、SFとしての話が一転、どちらかといえば『死』をテーマにした哲学的な話が混ざっていく物語となる。

    『余命半年』からわかるように、明るい物語にはなりえない。なので、精神的に元気なときに読むことをオススメする。
    つまらないということはなかったが、個人的には短編集の方が好き。

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    2018年09月03日
  • あなたのための物語

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    ネタバレ

    洋書の翻訳?と初めは思ったくらいに、なんだか文体と相性が合わず、入り込めるまで興味を持てなかったけど、ラストの方は引き込まれました。理系の会話というか、喋り方についていくのは難しかった。

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    2018年02月07日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ページ数のボリューム感に感動した…気に入ったのは「未明の晩餐」「ノット・ワンダフル・ワールズ」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」

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    2017年04月15日
  • あなたのための物語

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    ネタバレ

    ラノベ出身こんな筆力とは驚いた!死に物語はそれなりに読んできたのだが、本作みたいな最初から最後まで「死」を全うしたような作品は実に珍し体験だった。死の粉飾もせず、生の執着もせず、どことなく穏便で冷酷で鉄錆な匂いがする。

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    2016年12月09日
  • あなたのための物語

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    ネタバレ

     科学者であるサマンサと機械であるwanna beの対話から、生や死について考えさせられた。
     いくら御託を並べようとも、意味を考えても、ずっと昔から死とは変わらないものであるし、定義できないものだと思った。
     

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    2016年10月30日
  • メタルギア ソリッド スネークイーター

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    大人気ゲームメタルギアソリッド3のノベライズ。ストーリーの補完的なところは特になく、心理描写がメインかな?

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    2016年10月18日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    文句なく面白かった。伊藤計劃と同時代のSF作家はこういう世界を作る ということがよく知らされたと思う。第三世界、AI、ドローンなど共通アイテムを持ちながら、それぞれが興味をそそられつつ読んだし、短編ながら充足感があった。
    長編が気に入らなかった某作家が、意外にもここではめっぽうひきこまれるものを読ませてくれたのも発見だった。

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    2016年04月12日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    読んでてダルくなる話が多いなと思ったのは私の読解力のせいとして…。未明の晩餐とフランケンシュタイン三原則はとても素敵な香りがしました。

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    2015年10月17日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    収録作のどの作家の作品も読んだことがない
    と思うけど、トリビュートという縁で知ったからには
    少し手を出してみようか、と思うくらいに
    どの作品も面白く読める。
    勿論、伊藤計劃という対象があってのことだけど。

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    2015年09月24日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
    というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
    伴名練は屍者の帝国のスピンアウト

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    2015年09月16日
  • My Humanity

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    父たちの時間以外は他の作品集や雑誌で追っていましたが、こうやってまとまるとまた面白い。三作目と四作目のラストシーンの幻想的で恐ろしいような何故か感動してしまいそうな風景の描写が好きです。

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    2015年09月14日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。

    伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。

    テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。

    個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。

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    2015年09月13日