長谷敏司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
伴名練は屍者の帝国のスピンアウト -
Posted by ブクログ
ネタバレ伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。
伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。
テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。
個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。
で -
Posted by ブクログ
日本SF大賞2015受賞作2作品のうちのひとつ。4つのSF短編で、いずれも高度に科学技術が発達した未来を、それぞれ異なるアプローチで描いている。うち3つが他作品のスピンオフだが、知らなくても単独で十分読める。
1)地には豊穣
2009年に日本SF大賞候補となった「あなたのための物語」のスピンオフ作品。疑似神経制御言語「ITP」によりだれでも容易に経験の伝達が可能になることと、これまで個人のアイデンテティーを形成してきた文化的価値観のぶつかりが、まだ若い日本人の心の変遷とともに描かれた良作。
2)allo, toi, toi
1)と同じスピンオフ。少女を殺めた小児性愛犯罪者に対しITP -
Posted by ブクログ
あなたのための物語のスピンオフである「地には豊穣」と「allo,toi,toi」、BEATLESSのスピンオフである「HollowVision」、そして描き下ろし「父たちの時間」の合計4篇で構成された短編集です。
「HollowVision」だけはBEATLESSを未読のため掴みきれませんでしたが、どれも勢いと熱量の感じる秀作です。
特に印象深いのは「allo,toi,toi」と「父たちの時間」。
前者は小児性愛者の真に迫った哀切と慟哭すら感じられる内容で、後者は危うい均衡で成り立っていたバランスと秩序が一瞬で崩壊するそのスピード感と取り返しのつかなさをよく表現していました。
どれも短 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人間性」をテーマにしたSF短編集。4篇収録。
「地には豊穣」別書既読
いつの日か、民族性などの文化が情報として脳に切り貼りできるものになったとしても、その苗床となる「人間」が生きている限り、文化は振るい落とされ失われるばかりでなく、新たに積み重ねられていくものがあるのだろう。例えば、失われゆくものに対する惜別の思いなど。
「allo,toi,toi」
感覚器からの情報に結び付いた動物的な「好き嫌い」と、文化と社会の上に築いた社会的な「好き嫌い」とを、私たちは区別できない。
食料や異性のような生きる上で必要なものだけでなく、芸術や教育のような抽象的な事柄に対しても「好き嫌い」の振り分