新津きよみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレサスペンスを普段読まないため、話に入っていけるか不安でしたが、読みやすい文体でかつ主人公のみの視点での文章だったので、とてもサクサク読めました。
とても文章は丁寧できちんとしており、物語の根幹にかかわる蘇りという大きな謎に対して直ぐに自分も不思議感を味わうことが出来ました。
最初は殺された主人公が蘇りによって謎解きをするのかという期待があったので、サスペンスという物語の流れとはこうなのかなという気持ちで読んでいたのですが、殺された主人公は残された周りの人々が今どうしているのか、ということが気になるようで、自分のいなくなった世界の話を、主人公の視点を通して話が進んでいきます。
個人的にそ -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生時代、友人たちと交換していた日記が
大人になった私に回って(送られて)くる。
戸惑いと、少しの恐怖と、懐かしさ。
私も友達と交換日記をしていた青春時代を思い出しました。
複数人では交換していなかったけど、その子とは今でも1年に
1,2度会って近況報告をしています。
ケンカした時でさえ日記の交換をとめなかった。
お互い日記に言いたいことや文句を書きあった記憶…笑
新津さんといえば「女性の狂気」をこれでもかってくらい
体感させてくれるホラー作家というイメージ。
本作もどれほどの恐怖が味わえるんだろうとワクワクして
読んだんですが、ちょっと違った。
じわりじわり得 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『拾ったあとで』
大金を拾ったことで狂いだす女性の運命。
大金を手にした後の使い方で、その後の人生が変わってしまう。
『返しそびれて』
お金を借りた女は、返したいと思っているのに、相手が頑として応じてくれないことに困っている。時効が過ぎてしまえば、お金を返す義務がなくなってしまうのだ。一生貸しを作ったまま生きていかなければならないという少し特殊なお話です。
『切っても切れない』
離婚したのに切れない、姑との縁。
娘との血の繋がりが、主人公の女性を苦しめる。
『名づけられて』
もうすぐ子供が生まれる夫婦の話。女の子だと医者に言われていた妻は、「ナナ」とつく名前にしようと決めていた。しかし、 -
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30年前、中学時代に4人で続けていた「交換日記」。
ある日突然典子のもとに「交換日記」が届き、送りつけたと思われるハセジュンこと長谷川淳子は遺体となって発見された。
死者が「交換日記」を届けられるはずもない。
では、いったい誰が?
典子は「交換日記」が届けられた困惑を抱えながら、一人娘・美咲の不登校問題にふり回される。
何とか美咲の心を理解しようと典子は思うのだが。
中学時代だろうと社会人だろうと、自分の居場所を求める気持ちは変わらないと思う。
疎外され、ひとりになっても毅然としていられる人間は少ないと思う。
ひとりぼっちなのではない。ひとりが好きなだけだ。
そう思い込んで無理をしても、結局は