新津きよみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三十一歳のOL・亜紀子は、ある日、見知らぬ女性の訪問を受ける。亜紀子が最後に憶えているのは、その女性を玄関に招き入れたこと。―そして次に気付いた時、亜紀子は血の付いた野球のバットを握り、床に倒れている自分自身の姿を見下ろしていた。鏡を見た亜紀子は、自分の外見がその見知らぬ女性の姿に変わっていることに気付く。信じられないことに、亜紀子は彼女に殺され、そして何かのはずみで亜紀子と彼女の体が「入れ替わって」しまったらしい。加害者の姿のままで行き場を失った亜紀子は、免許証からその女性が野田光代という名前だと知り、光代の住所を訪れてみることにするが―。「反転」というふしぎな現象を通じて、二人の女性の生き
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Posted by ブクログ
死ぬことにまつわる様々な話(7編)。
さらっと読めるけれど、やはり読んだ後は気持ちがいいというものではなく(bad endという意味ではなく)、ぞっとするものが残る仕上がり。それがこの作者の個性なのだけど。人間的だから、余計に自分に当てはまりそうでこわいのかもしれない。
「反対運動」などは、私は結婚はしていないけど気持ちがわかる気がして仕方なかった。最後の最後にしかできない復讐。誰にも知られず、故人にさえも。人間はきっと、特に姑なんて他人なんだから「完璧な嫁」でいることなんてそうそうできない。きっと裏がある。そういう意味でも安心はしたかな。
おもしろかった。