松岡圭祐のレビュー一覧
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ネタバレ松岡圭祐による千里眼新シリーズ第9弾の上巻。
本作では久しぶりにダビデが本領を発揮し、世の中を大きく動かす様がまざまざと描かれる。それはインドネシア大津波で精神を病んだ女性を正気に戻して欲しいという弟の依頼を叶えるためにアフリカで核爆発を起こさせるほどの実力を持っている。そのアフリカでも、ボタン恐怖症に陥った娘を治して欲しいという独裁者の依頼を受け、一週間でそれを解決して見せる。その手法は冷酷でもあり、人の命と引き換えに利益を得るメフィストコンサルティングの大黒柱として揺るぎない地位を得ていることを改めて読者に実感させる。
その対比のように、同じ特別顧問であってもジェニファー・レインは雑で詰め -
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ネタバレ松岡圭祐による千里眼新シリーズ第8弾の下巻。
岬美由紀がF1レースにまで出てしまうのはもはやこのシリーズでは何の驚きもないが、本作当初の精神疾患はどこへやらの大活躍。
また、メフィスト・コンサルティングに対抗するように登場した「ノン・クオリア」なる組織もまだ全貌は明らかになっていないが、怪しさ満載。
こうした世界の広がりが過去の作品との関連においても大きな破綻もなく展開しているあたりは、そんな先まで考えて作品を生み出していたのかどうかはわからないが、やはり作者の技量というものだろう。
本作上巻冒頭でセミの話が出てきたが、まさかこれが伏線になっているとは思いもよらず、これが結末に影響してくるあた -
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ネタバレ松岡圭祐による千里眼新シリーズ第8弾の上巻。
美由紀は前作で甦ったつらい過去の記憶から精神疾患を患っており、臨床心理士は休職中。そんな折、正体不明の飛行物体による領空侵犯の多発、謎の新型ウィルスであるヴェルガ・ウィルスによる死者の増加などがおこり、その謎の解明に美由紀がかり出される。
前作があまりにも痛ましい内容であったため、本作でもその心の傷を癒やしきれない美由紀は、これまでのスーパーウーマン然とした強い女ではなく、ひとりの悩める女性として親近感を感じる。一方で、輸送機のエンジントラブルに気がついてガヤルドを疾駆して民間滑走路に誘導するなど、どう考えても常人ではなしえないことをさらっとやって -
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なんだか益々、われらが岬美由紀の活躍が世界中に浸透されていくという巨大な話へとなってきました。小泉さんやブッシュさんまでご登場して、岬美由紀に挨拶するんですから!(笑)。
上巻は主に岬美由紀の自衛隊幹部候補生時代の話です。
戦闘機のパイロットとなるための過酷でし烈な争いをすることになる同じ幹部候補生の女性自衛官たちとの話です。ま、この話は下巻での伏線となっているんですけどね~。
それともう1つ。岬美由紀の両親は交通事故死したことは今までのストーリーにもでてきましたが、そこも深く描かれていまして、他の作品で登場してくるあるカウンセラーへと結びついています。
うふふ、こういう繋がりがこれまたシリー -
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ネタバレ松岡圭祐による千里眼新シリーズ第6弾。
久々にメフィスト・コンサルティンググループが表舞台で岬美由紀と対峙する。しかも、さすがに神を自負するメフィストで、東京・新大久保の一帯だけに被害をもたらす人工地震まで起こしてしまうというハチャメチャぶりが千里眼シリーズらしさを醸し出す。
「千里眼の水晶体」で冠摩ウィルスをばらまき、美由紀の友人・藍をふくむ不潔恐怖症の人たちを死の淵まで追いやった西ノ原夕子が再び登場し、突拍子もない行動を起こした末にメフィスト・コンサルティングのジェニファー・レインによってメフィストへの加入を打診される。夕子は美由紀への憎悪からメフィストと手を組もうとする。
自己愛性人格障