寺山修司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一章「誰か故郷を想はざる」
二章「東京エレジー」の二章からなる。
「誰か故郷を想はざる」では、青森県弘前市に生まれてから二十二歳の青年になるまでを詩的に綴っている。
同郷、太宰治の心中について彼は、「死を内蔵しない生などは存在しない」「心中は二人が長い間大切にあたためてきた『死』をも終わらせてしまったのだ」という。
死を求めるエネルギーは死をも終わらせてしまうという考え方は、彼らしい生へのエネルギー転換方法だ。
「東京エレジー」で「賭博」について語る部分があるが(彼自身大の競馬ファン)、それはそのまま生き方に対する考えでもある。
「賭けの心理は娯楽本能から出ているが、その娯楽本能は生存競争から派生したものである」というW・T・トーマスの言葉を引用し、「より強く生きる実感を味わいたいと思うものにとって賭博は、単なるゲームにとどまらないなにかである」という。
「明日何がおこるか分かってしまったら、明日まで生きるたのしみがなくなってしまう」といった感覚は、賭博の娯楽性に通じる。それは生が内包する不確実性と向き合うことである。その不安と対峙することは、一点の光が暗闇の中で際立つように「生」を際立たせるだろう。
生の実感を生み出すエッセンスとして不確実性を捉えることは、賭博から贈られた一つの幸福論であるともいえる。
「幸運とは、存在するための技術、これを受け入れる技、これを愛する技なのだ」
ジョルジュ・バタイユ -
Posted by ブクログ
友人の紹介で戯曲集(いわゆる劇の台本)に初挑戦。
妖艶かつ淫靡な寺山ワールドが余すところなく詰め込まれた名作。
美しい表現とは対照的に醸し出される淫らな空間。
何かに酔っぱらったような感覚に襲われる表題作「毛皮のマリー」。
一方で、戯曲ならではの音楽じみた文学的表現を用いて、人の心の闇をえぐりだす技術も素晴らしい。
安保闘争を描いた「血は立ったまま眠っている」、愚かな人間家庭の堕落ぶりを神格化して描いた「アダムとイヴ、私の犯罪学」はその最たるもの。
サン・テグジュペリの名作星の王子様を独自の視点で描く「星の王子様」も魅力的だ。
戯曲集は読んだことない人も、一度は読むべき。
舞台が見たくなる。
引用:親愛なる後輩 古野 -
Posted by ブクログ
初版は昭和52年とだいぶ、古い本だが令和の今でも通じる。
気に入った、買ったものをいくつか抜粋。
貞淑とは情熱の怠惰である ラ・ロシュコフオ伯爵
「したい」などという心はみなす捨てる。その代わりに「すべきだ」という事を自分の基本原理にする。
そうだ、本当にそうすべきだ。 三島由紀夫
英雄のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ。ベルトルト・ブレヒト
もし世界の終わりが明日だとしても私は今日、
リンゴの種を蒔くだろう ゲオルグ・ゲオルギウ
↑これ、寺山修司が言った思ってた!
最後に疑問に思ったやつ。
頭で考えるな。肌で掴め ブルース・リー
これって、考えるな、感じろってやつだよね?
訳し方でだいぶ変わるなぁ。