寺山修司のレビュー一覧

  • あゝ、荒野

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    暴力から見出す愛のかたち。
    私の経験していないエキゾチックで濃厚な年代の東京を感じさせる文章。
    文学と言う見地よりはそういう感じでしょうか。。


    死亡診断書がバリカンの親父さんなのが謎ですが、どういうことなのでしょうか?

    0
    2012年06月28日
  • 寺山修司少女詩集

    Posted by ブクログ

    漫画『バーテンダー』最終巻に出てきた、とある詩を求めて。
    ぱらぱらと詩集を眺めるのは何年ぶりか。目に止まったものだけじっくり読む。こんな読み方失礼でしょうか?

    0
    2012年02月23日
  • あゝ、荒野

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1960年代の新宿。暴力的で退廃的な匂いのする新宿新次と、どもりのせいで自分は愛されないと思いこんでいる大男のバリカンは、さびれたボクシングジムのボクサーとなった。新次と出会ったセックス依存症の芳子、スーパーの経営には成功したが性的不能者の宮木、大学の自殺研究会のメンバー川崎、孤独な老人・バリカンの父親。60年代に生きる人々の人間模様。


    難しい。。。言葉が闘っている。あの時代の空虚で明るい場所が見えるようで見えないような喧噪にまみれた匂いの感じられる小説だった。あの当時の東京は、朽ちていく感じだったんだろうか。
    性的な描写をまざまざと見せつけられる度に人間の醜悪さと正直さゆえの、人間の奥底

    0
    2011年08月12日
  • さかさま世界史 英雄伝

    Posted by ブクログ

    この作者の本を最初に読んだのは
    書を捨てよ、町へ出よう でした。
    とりあえず圧巻されました。
    自分はあまりエッセイ読まないのですが最後までするする~と大変興味深く読みました。
    寺山修司、なる人を自分はあまり(と言うより全然)知らなかったのですが折り返しの人物紹介を見ると大変な方だったのだなあ、と。

    この本を読んで思ったのはとりあえず読んでいる本の読書量が半端ではないことと書物に書かれていることを具体的に自分のレベルまで持ってくるのが非常に上手だなあ、と言う2点でした。
    断定されているセンテンスはキツイ表現が多いのですがなぜかどこか物悲しく感じるのは彼の生い立ちがそれとなく語られて

    0
    2011年07月19日
  • 幸福論

    Posted by ブクログ

    優しさのある分、いつもの修司らしさである毒気に欠けるが、小さな幸せの見つけ方を教えてくれる一冊。数々の著書中、わりと女性向き。アラン、ラッセルなどいくつかの「幸福論」の中、椎名林檎のそれはここからのテイストであろう。

    0
    2011年05月14日
  • 誰か故郷を想はざる

    Posted by ブクログ

    寺山修司さんの自叙伝。
    第一章では、故郷での話が中心。ニ章からは東京へ来てからの話しが中心となっている。

    スクエア=サラリーマンの捉え方が、面白い。これはサラリーマンには理解出来ないだろうなぁと思う。

    実はこの本ずっと読みたかったんだけど後回しにしてきたんです。でも青梅の山中にある「古書ワルツ」という素敵な古本屋さんで発見して買いました。

    0
    2010年11月09日
  • あゝ、荒野

    Posted by ブクログ

    稀代のマルチクリエイター寺山修司が残した唯一の長編小説。
    前衛的なものを期待していたのだが、これがまた意外なことに大衆的。
    昭和の大衆文化を凝縮したような、喧騒にまみれた物語。
    60年代の薄汚い新宿が情景としてすぐ浮かんできた。
    この人は前衛も古典も大衆も全部網羅してしまう懐の深い作家さんなので、その辺の文化にスタンスが如実に出ていたように思う。
    特にボクシングと競馬に対する情熱を書きたかったのだなという印象が強く残った。
    実際彼は力石徹の葬儀を呼び掛けた張本人でもあるし。
    当時の最先端を行く人がボクシング会場や競馬場といった、色んな人間が生み出すざわめきから何らかのインスピレー

    0
    2010年05月01日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

    Posted by ブクログ

    物語をつくる人の中には、ふたつの人間がいる。
    ひとつのテーマを繰り替えし使うひと。
    おんなじテーマは二度とつかわないひと。
    寺山氏は、繰り返しつかう人であり、また、昔自分がつくったお約束をちょっとずつ替えていきながら、同じテーマを「完成」に近づけていくような人なのかもしれない、と思った。
    いわゆるオカマのような人が登場する作品だが、風呂でわき毛を剃るシーンから始まり、それがとにかく衝撃。想像してしまう自分に、またその想像力に自己嫌悪してしまう。

    0
    2010年04月21日
  • 誰か故郷を想はざる

    Posted by ブクログ

    寺山修司の自伝。

    自虐的、かつ私小説に近い。
    大げさな節が多く、
    ややもすると鼻につくかもしれない。
    しかし、寺山修司の作品を、
    「書を捨てよ、街に出よ」を、
    「身毒丸」を、
    「田園に死す」を、
    彷彿とさせる。

    興味のある方は、時間と余裕があるときに。
    読書@Story Terror Cafe

    0
    2010年04月12日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

    Posted by ブクログ

    読んだので、とりあえずあげとく。
    う~ん、戯曲の読み方が相変わらずよく分かってない私w
    とりあえず一冊通していくつかの戯曲を読むと、寺山ワールドはいろんなモチーフが繰り返し出てくるんだなあ、と。って、リンゴ。
    寺山修司と言えば私には、竹宮惠子経由でちょろっと知ったぐらいでしかないんすよね。(追悼漫画とか好きっす)
    読みながら、寺山さんはジルベールの行く末をどう思ったのかな~と聞いてみたい気に。

    0
    2010年02月17日
  • さかさま博物誌 青蛾館

    Posted by ブクログ

    解説にも書かれていますが、まさに「起こらなかったことも、歴史」なのです。
    このエッセイ集を読みながら、
    「あら、この寺山の歴史はきっと遡って造ったものだわ」なんて感じちゃったら最後、
    貴方は既に寺山の芸術を作動させる装置の一つです。
    お気に入りは『起さないでください』。

    0
    2009年12月20日
  • 幸福論

    Posted by ブクログ

    う〜ん、難しい。
    僕にはきっと寺山さんの言いたいことの10のうち1も理解できてないのかも。

    でも、途中まで投げ出さずに読めたのはどこかに魅力を感じているからなのか。

    また時が経って読んだとき、その時は今より理解できるといいな。

    0
    2009年10月09日
  • 幸福論

    Posted by ブクログ

    書物はあくまで、時という名の書斎と、教養という名の椅子、それにいくばくかの金銭的余裕をもちあわせている人生嫌いの人たちに、代理の人生の味わいを教えてくれるだけである。
    好かれるに値する人間の条件:いつも朗らか、表裏がない、さっぱりした気性、活発に行動する、はっきりした態度をとる、心が広くこせこせしない、物事に沈着冷静、不平や愚痴をこぼさない、人のことも詮索しないが、自分のこともくどくど話さない。

    0
    2009年10月07日
  • 誰か故郷を想はざる

    Posted by ブクログ

    暴力はいいが、権力はいけないよ。
    男には一生に一度くらい負けると分かっていても闘わなければならないことがある。

    0
    2009年10月07日
  • さかさま世界史 英雄伝

    Posted by ブクログ

    毒舌の私も舌を巻くぐらい痛烈な風刺。
    今頃、あの世でビシビシ痛がっていることでしょう。
    ユニークたっぷりの言い回しで振り下ろされる言葉のムチ。
    寺山修司にかかれば、エジソンだってキリストだって一撃です。
    さかさまから眺めると、世界史はこんなにもおもしろいのだ。

    0
    2009年10月04日
  • あゝ、荒野

    Posted by ブクログ

    久々の感想;読むのに夢中で(^_^;)華恵ちゃんが表紙のこの寺山修司の文庫本シリーズ表紙がすきだし、寺山修司(何やら有名らしいとしか知らない)を読むなんてかっこいいのかもしれないと、前々から読みたかった本夏目漱石とかまではいかなくても、それなりに昔の人で、難しい本と思ってたら全く違うやん…!武者小路実篤系と思いきや、ね青春小説っぽいすきかといえば、話は別 笑

    0
    2011年09月28日
  • 誰か故郷を想はざる

    Posted by ブクログ

    彼の言葉はどうしてこうも不快なんだろう。
    見たくないものを突きつけてくるからか?

    抗うのはいいけれど、それをどこかで美化していて、
    文章化することで虚構の世界で輝かせて。

    本当はどうなの?虚構は虚構なの?真実が含まれてるの?
    寺山さん、どうなんだよ。

    0
    2009年10月04日
  • 寺山修司青春歌集

    Posted by ブクログ

    映画『田園に死す』を観たので再読。
    殆どは短歌ですが、『新・病草紙』『新・餓鬼草子』といった古文体の昔話の様な短編も有ります。

    タイトルには「青春」とありますが、そんなにストレートに爽やかではありません。
    確かに短歌が作られた時期は「青春時代」とも呼べる若かりし頃ですが、
    その作品には昏さや前進出来ずにその場に立ち尽くしてしまう様な雰囲気を感じます。

    0211-0220
    /////
    一粒の向日葵の種まきしのみに荒野をわれの処女地と呼びき
    恋人、故郷、太陽、桃、蝶、そして祖国、刑務所。含羞にみちた若者の世界をみずみずしい情感にあふれた言葉でうたい続け、詩の世界にひとつの大きな礎を築いた寺山修

    0
    2009年10月26日
  • 幸福論

    Posted by ブクログ

    私の精神の大半を形成している書物です。

    寺山修司の幸福論です。この本は他の幸福論と一味もふた味も違う。

    マッチ箱の中のロビンソン・クルーソー
    肉体
    演技
    出会い

    偶然
    歴史
    おさらばの周辺部
    解説(佐藤忠男)

    0
    2012年02月24日
  • 幸福論

    Posted by ブクログ

    この人の文の後ろに見え隠れする あまりにも膨大な知識や思想に、圧倒される。圧倒されて何も言えないし、まして自ら幸福について考えるなんて 思いも及ばない気分にさせられる。幸福について本当に真剣に考えた人は、星の数よりいるだろう。「幸福」という言葉の解釈は、そういった頭の良い人たちに任せればいい。私は、その人たちと同じかそれ以上に存在したはずの、「幸福」を頭で考えたりしなかった人たちと同じに生きたい。  と つい、思ってしまう。こんなに頭脳を酷使してたら 幸福になれるもんもなれなくなっちゃうよ

    0
    2009年10月04日