寺山修司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
寺山修司の著作を読んだのは初めてだったのですが、とにかく引用が多いこと、登場する人物名が多岐に渡ること、文の表現や比喩、状況の描写などが独特であること、競馬の知識が皆無であること等から、その言わんとすることはなかなか理解し難かったのですが、彼の伝えたいことはその独特の文章から少しばかりは汲み取ることが出来たかなと感じました。
寺山の幸福論を読み解くための手掛かりになると思われる想像力や演技、出会い、偶然と必然などの言葉にはいささか得るものがあったのかと思われるところがあります。「出会いに期待する心とは、いわば幸福をさがす心のことなのだ」、「偶然の本質、偶然をそれ自体の存在として受けとめようと -
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Posted by ブクログ
一章「誰か故郷を想はざる」
二章「東京エレジー」の二章からなる。
「誰か故郷を想はざる」では、青森県弘前市に生まれてから二十二歳の青年になるまでを詩的に綴っている。
同郷、太宰治の心中について彼は、「死を内蔵しない生などは存在しない」「心中は二人が長い間大切にあたためてきた『死』をも終わらせてしまったのだ」という。
死を求めるエネルギーは死をも終わらせてしまうという考え方は、彼らしい生へのエネルギー転換方法だ。
「東京エレジー」で「賭博」について語る部分があるが(彼自身大の競馬ファン)、それはそのまま生き方に対する考えでもある。
「賭けの心理は娯楽本能から出ているが、その娯楽本能は生存競争