寺山修司のレビュー一覧

  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    戯曲は面白い。小説と異なり物語の情景が、観客席から舞台を観ている視点と状況として目に浮かんでくる。大きな劇場ならば豪華なセットを想像できるし、小さな小屋を想像するならほとんどが見立てとなる。奥行きだけは曖昧にならざるを得ないし、想像と実際では上下は異なるかもしれないが、たぶん想像する動きは違わないだろう。この本には5編の有名な寺山戯曲が収められているが、最も好きなのは「アダムとイヴ、私の犯罪学」だなぁ。

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    2014年04月16日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    5篇を収録する戯曲集。篇中の白眉はなんといっても「毛皮のマリー」だろう。この作品は、こうして戯曲として読んでも、想像力が拡がって十分に楽しめるのだが、やはり舞台で見てみたい。寺山自身による演出で、1967年新宿文化劇場で初演されている。その時には都内21件のゲイ・バーが協力したというから、さぞかし賑やかで楽しい舞台だっただろう。また、その後もフランクフルト国際実験演劇祭やニューヨークでも上演されたようだが、舞台の様子は、その都度大いに違っていたようだ。それでこそ寺山劇だと思う。天井桟敷、見たかったなあ。また、姉妹編の「星の王子様」は、宝塚OBやレズビアンバーが応援に駆けつけたらしい。お芝居がラ

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    2014年01月21日
  • 寺山修司青春歌集

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    読み直すたびに、その時の自分に響く作品が変わる。
    自分のバイブル的な本。



    草にねて恋うとき空をながれゆく夏美と麦藁帽子と影と

    マッチ擦るつかの間海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

    ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲のかくまで苦し

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    2017年03月11日
  • 寺山修司少女詩集

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    現実と非現実の狭間が不明瞭でかつ、不明確であるがゆえに無限の事象を目の当たりに出くわしてしまう詩集作品。奇才ならではの視点に圧巻、この人の目となりたかった。

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    2013年11月20日
  • 寺山修司少女詩集

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    これもまた読み応えのある詩集でした。
    寺山修司って方は、すごい才能の持ち主だったってことが
    たった一冊のこの詩集で、誰にでも難なくわかるのです。

    難しい言葉はありません。

    誰もが奥底に潜ませる匣に持っているような
    さみしさや悲しみ。
    追っても戻らぬ大事にしていたなにか。
    今、夜の隅から捧げたくなるような愛の言葉とか

    冬の海と空の風景とか

    巴里のあやしげな裏町やサーカスや
    良くできた機械人形に眩惑されるような
    取り返しのつかない酩酊感があるだけです。

    おそらく私もあなたも、よく見知っているはずです。
    扉を開けて、無垢で凶暴で、切なかった頃に
    出会いにいらしてください。

    お勧めです。

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    2013年05月19日
  • あゝ、荒野

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    群像劇。

    「モダンジャズの手法で書いた」と本人は言っているけれど。

    ポールトーマスアンダーソンの映画みたいな。

    それぞれが闇を抱えていて、それぞれの人生が交差する場所としてのリング。

    世の中に問題提起している感じがする。


    荒野。

    って、いいことばだな。

    バーのカウンターは、荒野。

    リングは、荒野。

    ベッドは、荒野。

    みんな別の方向を向いている、そしてそれぞれが重みを持って生きている、それがひとつの物語で収束している感じがいい。音楽的。

    この、孤高なロマンチストな感じが、今俺でもやり直せそうな青春を感じさせてくれるよな寺山修司。

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    2013年01月04日
  • ポケットに名言を

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    サルトル、サン・テグジュペリ、ドストエフスキー、マルクス、太宰治、三島由紀夫、ゲーテ、ブルース・リーといった著名人の名言集です。

    『涙は人間のつくる一番小さな海です』
    という言葉はとても美しいと感じました。

    読みやすくて,気のむくままにページをめくっていきながら,自分にあった言葉を見つけるといいでしょう。

    心に響く素敵な言葉が沢山つまっている一冊です。

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    2012年12月08日
  • 寺山修司少女詩集

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    物事を、うまく例えるなぁと。

    目から入って、口から出る。

    その間は物理的には10cmくらいなんだけど、
    その間にうまく編集されている。

    そんな人になりたい。

    余白の使い方。

    相手の心に絵を描かせる方法。

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    2012年11月11日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    戯曲集。冒頭からぐいぐい寺山ワールドに引っ張られる。「血は立ったまま眠っている」のテンポの良さ、台詞回しは圧巻。声に出して読みたい。

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    2012年09月11日
  • 寺山修司少女詩集

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    中学1年の時に出会った本です。
    どっぷりと はまって
    抜けられないまま20年経ちます。

    表紙は、以前の林静一さんのものを
    持っていますが、そちらの方が好きです。

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    2012年06月06日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    寺山修司の世界観に引き込まれた!
    どす黒くもキラキラしててエロティックなキャラクターたちは皆感情剥き出しで、そこが人間らしくて魅力的だった
    綺麗事で塗り固められた教科書の何百倍も、想像力をかきたてられる

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    2011年12月02日
  • 寺山修司青春歌集

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    歌は映像だと初めて意識した作品

    一遍一遍に目を通す度に、様々な映像が頭の中に浮かんでは動き出す。初めての体験でした。

    寺山修司が、ようやくあぶりだした、日本の暗き田舎像についても、共感まではいかないまでも、理解できるような気がします。

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    2011年11月15日
  • 幸福論

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    一番好きな作家。
    正直文章自体は理系の自分には中々難しく、かなり読み飛ばしている部分もある。
    けど、この人の書く文章には力学がある。秩序を前提とした「当たり前」の矛盾に立ち向かってるパワーがひしひしと感じられる。

    私の詩のなかには
    いつも汽車が走っている
    だが私はその汽車に乗ったことがない

    心を撫でてくれるような文章はないけど、だからこそがつんときました。出会えて良かった

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    2011年08月14日
  • 誰か故郷を想はざる

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    切ない刹那。故郷がないと嘘ぶくやつの、生命をめぐる抒情詩。父の銃口向かう先にアナーキズムと努力を感じる。太宰よりも軽く、安吾よりも伝わる青春讃歌は思い出したいというより、思い出すべき。悲しみから得られるものも、何気に種類豊富だなぁ。

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    2011年05月10日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    ネタバレ

    ・毛皮のマリー La Marie-Vison

    2009年 美輪明宏 さん主演「毛皮のマリー 」。

    マリー「あたしは、その中でできるだけいい役を演じたいの。芝居の装置は世の中全部」

    このセリフが聴きたくて帰国した。

    何年も待ちわびた演目で今でも目の中に浮かぶ。

    下男 
    「ああ、うまいこと自分自身に化けたもんだな。これはあたしにそっくりだ。
    しかも、誰にも見せたことのないほんもののあたしにそっくり。」

    久々に本を開き頭の中で再生していると
    2006年の舞台 でご一緒させていただいた武田光太郎さん のマリーがこう言う。

    マリー
    「世間の人はあたしのことを、自然じゃないって仰るよう

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    2011年02月26日
  • 寺山修司青春歌集

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    2010/4/27購入

    ★胸病めば わが谷緑 ふかからん スケッチブックに 閉じて眠れど

    明日生れる メダカも雲も わがものと 呼ぶべし洗面器を 覗きいて

    遠き帆と われとつなぎて 吹く風に 孤りをほこりいし 少年時

    ★人間嫌いの 春のめだかを すいすいと 統べいるものに 吾もまかれん

    怒るとき ひかる蜥蜴の 子は羨し わが詩は風に 捨てられゆくも

    失いし 言葉かえさん 青空の つめたき小鳥 撃ちおとすごと

    ★遠ざかる 記憶のなかに 花びらの ようなる街と 日日はささやく

    失いし 言葉がみんな 生きるとき 夕焼けており 種子も破片も

    ★海よその 青さのかぎり 

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    2010年04月28日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    どれもこれも名作。劇みてみたい。
    台詞とナレーターで、こんなにも情景を思い浮かばせるってすごいことだと思います。
    小説とも本当の劇とも違った、不思議な味のある作品。素敵。

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    2010年02月27日
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている

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    寺山ワールドはドクドクしてていい。
    いつでも焼けて無くなってしまいそうな怪しさ。
    今度舞台を観に行くので楽しみです。

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    2010年01月11日
  • 寺山修司青春歌集

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    多方面で活躍した作者の短歌集。
    純粋な思い、人生への不安。
    まっすぐに語られることばが胸にしみる短歌集です。

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    2009年10月07日
  • さかさま世界史 英雄伝

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    この人の博識ぶりは「ポケットに名言を」で思い知らされたのだが、この本でもそれが如何なく発揮されている。
    誰でも知ってる著名人を独自の機知と切り口で論じた一冊。
    ユーモアがあって非常に読みやすい(政治家の評伝は少し辛かったけど・・・。政治に全く興味が無いので・・・)。
    偉人とはいえ探すと結構突っ込みどころがある。
    街へでよ、というのは正解だね。
    偉人も包茎だの童貞だのと散々な言われようで、北方某ではないが「ソープへ行け」みたいな論調も多い。
    そして寺山の初体験が人妻であることに感動。
    自分も人妻だったのでね。
    より彼にシンパシーを感じてしまった。
    とりあえず風俗行きます!!(何

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    2009年10月04日