寺山修司のレビュー一覧
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5篇を収録する戯曲集。篇中の白眉はなんといっても「毛皮のマリー」だろう。この作品は、こうして戯曲として読んでも、想像力が拡がって十分に楽しめるのだが、やはり舞台で見てみたい。寺山自身による演出で、1967年新宿文化劇場で初演されている。その時には都内21件のゲイ・バーが協力したというから、さぞかし賑やかで楽しい舞台だっただろう。また、その後もフランクフルト国際実験演劇祭やニューヨークでも上演されたようだが、舞台の様子は、その都度大いに違っていたようだ。それでこそ寺山劇だと思う。天井桟敷、見たかったなあ。また、姉妹編の「星の王子様」は、宝塚OBやレズビアンバーが応援に駆けつけたらしい。お芝居がラ
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Posted by ブクログ
これもまた読み応えのある詩集でした。
寺山修司って方は、すごい才能の持ち主だったってことが
たった一冊のこの詩集で、誰にでも難なくわかるのです。
難しい言葉はありません。
誰もが奥底に潜ませる匣に持っているような
さみしさや悲しみ。
追っても戻らぬ大事にしていたなにか。
今、夜の隅から捧げたくなるような愛の言葉とか
冬の海と空の風景とか
巴里のあやしげな裏町やサーカスや
良くできた機械人形に眩惑されるような
取り返しのつかない酩酊感があるだけです。
おそらく私もあなたも、よく見知っているはずです。
扉を開けて、無垢で凶暴で、切なかった頃に
出会いにいらしてください。
お勧めです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・毛皮のマリー La Marie-Vison
2009年 美輪明宏 さん主演「毛皮のマリー 」。
マリー「あたしは、その中でできるだけいい役を演じたいの。芝居の装置は世の中全部」
このセリフが聴きたくて帰国した。
何年も待ちわびた演目で今でも目の中に浮かぶ。
下男
「ああ、うまいこと自分自身に化けたもんだな。これはあたしにそっくりだ。
しかも、誰にも見せたことのないほんもののあたしにそっくり。」
久々に本を開き頭の中で再生していると
2006年の舞台 でご一緒させていただいた武田光太郎さん のマリーがこう言う。
マリー
「世間の人はあたしのことを、自然じゃないって仰るよう -
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2010/4/27購入
★胸病めば わが谷緑 ふかからん スケッチブックに 閉じて眠れど
明日生れる メダカも雲も わがものと 呼ぶべし洗面器を 覗きいて
遠き帆と われとつなぎて 吹く風に 孤りをほこりいし 少年時
★人間嫌いの 春のめだかを すいすいと 統べいるものに 吾もまかれん
怒るとき ひかる蜥蜴の 子は羨し わが詩は風に 捨てられゆくも
失いし 言葉かえさん 青空の つめたき小鳥 撃ちおとすごと
★遠ざかる 記憶のなかに 花びらの ようなる街と 日日はささやく
失いし 言葉がみんな 生きるとき 夕焼けており 種子も破片も
★海よその 青さのかぎり -
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この人の博識ぶりは「ポケットに名言を」で思い知らされたのだが、この本でもそれが如何なく発揮されている。
誰でも知ってる著名人を独自の機知と切り口で論じた一冊。
ユーモアがあって非常に読みやすい(政治家の評伝は少し辛かったけど・・・。政治に全く興味が無いので・・・)。
偉人とはいえ探すと結構突っ込みどころがある。
街へでよ、というのは正解だね。
偉人も包茎だの童貞だのと散々な言われようで、北方某ではないが「ソープへ行け」みたいな論調も多い。
そして寺山の初体験が人妻であることに感動。
自分も人妻だったのでね。
より彼にシンパシーを感じてしまった。
とりあえず風俗行きます!!(何