河野裕のレビュー一覧

  • さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4

    Posted by ブクログ

    サクラダで起こる幾つかの事件を追った短編集だが、ラノベによくある大きな構成からスピンオフしたインターミッションという感はなく、少しずつだが全体の物語も動いている気がした。

    今のところ本作は、ケイと春埼の物語だと思うが、その2人が少しずつ成長していくのが、すなわち大きな物語の進行でもあるのだろう。後続巻に影響を与えそうな新キャラも出てきて、ますます先が楽しみになる一冊だった。

    0
    2017年01月04日
  • さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4

    Posted by ブクログ

     ある日の春埼さん、あらかわいい。

    ~お見舞い編~
     感情を無くした春埼さん、確固たる自我を持たない彼女は合理的判断として、風邪で休んだケイのお見舞いに行くことにした。
     土鍋と、米と、昆布をカバンにいれた。梅干しは先ほど買った。あとはそう、甘いものでも買っていこう。
      
    ~友達作り編~
     君ももう少し友達を作った方がいいよ?。
     ケイにそういわれて友達作りをすることになった春埼さんは、誰を友達にするか思いつかず、オススメを聞き返したら野ノ尾さんを勧められた。
     そんなわけで、小さな社の石段で猫と昼寝をする彼女に会いに来たのだ。

     
     能力者が集まる咲良田市の日常、短編6編。

     猫と戯

    0
    2016年12月25日
  • ブラックミステリーズ 12の黒い謎をめぐる219の質問

    Posted by ブクログ

    「ウミガメのスープ」、それをカードゲーム化した「ブラックストーリーズ」、の小説化です。
    アナログゲーム好きなので以前から興味がありましたが、期待と不安を軽く飛び越えていて楽しく読めました。
    水平思考遊びの入門書的にも読めそう。

    内容的にブラックでないもの、突飛すぎない問題集(?)があるなら、家族での長距離ドライブとかでも遊べそうですね。

    0
    2016年12月22日
  • 魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2

    Posted by ブクログ

    計算され尽くした物語。 面白かった。 
    未来予知ってのはほんと反則だよなぁ。 
    悪が強いのか善が弱いのか。見方次第だけど。 
    弱さは強さ。強さは弱さ。 
    そして、魔女を失い、野良猫を取り戻す咲良田。 
    大きな一波乱がありそうだ。

    0
    2016年12月05日
  • ブラックミステリーズ 12の黒い謎をめぐる219の質問

    Posted by ブクログ

    推理カードゲームの小説化らしいけど、それを知らなくても小説として面白かった。ブラックな謎解きゲームそれぞれも面白かったし、参加者の過去が謎につながるのもよかった。

    0
    2016年12月01日
  • 魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2

    Posted by ブクログ

    宮沢賢治は「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」と言っていた。もしかしたら主人公・ケイの目指す世界はそれに似ているものなのかもしれない。その割には、作中ケイの食う割は大きかったが。

    出来るだけ多くの人の幸福を願うケイの優しさが沁みてくる物語で、と同時に過去の彼が描かれることで、それが彼の生来ではなく、成長によって得られた特質と知る。

    過去の選択を一つも後悔していない人はほぼいないと思うが、やり直せないからこそ努力する、優しさと哀しさを感じる物語だった。

    0
    2016年11月10日
  • 魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2

    Posted by ブクログ

    物語が速度を持ち始める。1巻はむしろ短編的な扱いだったのでは、と思うくらいここから話が変わったように思います。もちろん良い意味で。時間の行き来が増えましたがおもしろく読めました。
    今後の展開がわかっているだけに、魔女の最初の「貴方は私の結末が、幸福なものであることを望んでくれる?」という言葉で泣いてしまいました。春埼が少しずつ変化していく姿をなんだかうれしく思います。春埼とケイがしあわせになってほしいです(物語を知っているのに祈らずにいられない)
    そしてこれから登場する相馬菫のことを思うと今から胸が痛い。

    0
    2016年11月06日
  • 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1

    Posted by ブクログ

    なんてことはない、摩訶不可思議なボーイ・ミーツ・ガールなお話だ。 
    優しい世界の作り方を探して、今日も彼は三日飛ぶ。 

    生まれ変わったら、幽霊になってみたい。それもまた一興。

    0
    2016年11月05日
  • 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1

    Posted by ブクログ

    やはり美しいレトリックだ。新海誠監督の「新海モノローグ」のように、「河野レトリック」とでも勝手に名付けたくなる、特徴的な修辞が心地よい。そして本作でも、著者らしく、突飛な設定を前触れもなくぶっ込んできた。とはいえ、多少の戸惑いはあれどそれはすんなり受け入れられるし、その上に広がる本来ファンタジー的なはずの物語も、まるで日常系青春小説の如しだ。特殊能力が日常的な世界での一種のミステリーは、お伽話のようですらある。誰もが優しい世界はなくても、そうありたい世界を見られるのは、物語の幸せだ。

    0
    2016年10月31日
  • 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     この街、咲良田で生活している人の大半は、何かしらの能力を持っている。
     しかし、街から出るとその能力は失われるため、特に問題なく毎日が過ぎる。

     特に力の強い能力者たちは能力管理局の監視下に置かれるが、少しは自由になるために浅井ケイは、学校ではボランティア部で管理局の手伝いをしている。

     浅井ケイの能力は、全てを記憶する能力だ。

     そして彼とペアを組むのが春埼美空、彼女の能力は三日以内に設定したセーブポイントまで時間をリセットこと。

     時間を巻き戻すと春埼自信も、巻き戻った時間の記憶を失ってしまうが、ケイはその間の記憶を保ったまま時間を遡ることができる。


     ボランティア部の顧問、

    0
    2016年10月21日
  • サクラダリセット7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA

    Posted by ブクログ

    完結編。
    透明感のある雰囲気、文章は相変わらず素敵です。

    しかし、シリーズの最終巻、完結編ということで、なにかと複雑、というかなんというか。

    話としてはひたすらに、共依存な三角関係というか、互いに互いを思いあうがゆえにすれ違うというか、つきつめるとシンプルではあるんですが。
    良くも悪くもライトノベルっぽい冗長な語り口になってしまったのはちょっと残念。

    0
    2016年08月02日
  • サクラダリセット6 BOY, GIRL and ──

    Posted by ブクログ

    物語もいよいよ終盤。
    物語は加速し、かなり密度の濃い内容に。

    前半部分で学園祭の話があるが、レビューするために読み返したときに思い出したぐらいには内容が濃い

    サクラダの歴史、タイトルの意味、相馬菫の計画、などなど明らかになってきた
    次回が最終巻。どう完結するのか楽しみである。

    0
    2016年07月31日
  • サクラダリセット5 ONE HAND EDEN

    Posted by ブクログ

    相変わらず綺麗な文章。
    とても読みやすい。

    本作はメーテルリンクの青い鳥がモチーフとなっており、鳥かごの中に閉じこもってしまった女の子の青い鳥を探す物語。
    その脇ではそれぞれがそれぞれの本当の幸せを探している。知っている、わかっている、近くにある、それを幸せと認識していないから幸せと感じないだけで、やはりそれは幸せである、ということが言いたいのかな。結局のところ、青い鳥である。
    「人が隣で笑うことを幸せという」いい言葉ですね。

    また、本巻はサクラダリセット全7巻の後編の始まり、と位置付けている作品らしい。たしかに、相馬菫の物語が始まった感じはする。
    文化祭がどうなるのかが気になる。

    0
    2016年07月19日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション

    Posted by ブクログ

    シリーズが続くにつれ面白くなってきた。
    作家ならではの目線で物語としての整合性から事件の真相を読むというアイデアはなかなかいいな。

    0
    2016年04月02日
  • サクラダリセット5 ONE HAND EDEN

    Posted by ブクログ

    ひとりの女の子の夢の世界のお話でした。夢は彼女そのもの、というのは難しかったように思います。今回は夢と現実を行き来して、時間も前後してすこしややこしかったかな。
    相麻と浦地の思惑が垣間見えてどきどきしました。今後どうなるのか、こわいけど気になります。
    そして、リセットしたことによる代償を改めて思い知って悲しくなりました。春埼がもう一度あの感情を知ることができるのだろうか…ケイと春埼と相麻の三人の関係がうまくいくといいなと思うけど、難しそうだ。
    野々尾さんと老人の話は悲しいけれど、なんとかいい結末になったようでよかった。老いはどうにもならない問題だ。チルチルとミチルも、今後ちゃんと生きていくこと

    0
    2015年11月22日
  • サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY

    Posted by ブクログ

    サクラダリセットシリーズ4巻、と思ったら短編集なんですね。
    最初の「キャンディ」はいままでのサクラダリセットっぽいと思いました。津島先生そんなこと考えてたんだ、みたいな。
    ショートショートのある日の春埼さんは、どちらもかわいかった。野々尾さんとのからみは癒されます。お見舞いで悩む姿もとてもかわいい。ついにやにやしました。久しぶりに皆実の姿が見られたのもうれしかった。
    月の砂を取ってくる少年の話もおもしろかった。野々尾さんも淡白な人だと思ったけど、やさしさも見えてちょっと安心しました。出てくる女の子あんな感じの子ばかりじゃこわいです。
    最後の「ホワイトパズル」はかなりよかったと思います。サクラダ

    0
    2015年11月14日
  • サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL

    Posted by ブクログ

    シリーズ2巻目。前回に引き続き淡々とお話が進みました。
    今回は前回よりもさらに、過去と現在を行ったり来たりして、ややこしかったです。過去も大幅に変わってて、複雑でした。それなのに、すらすらとお話を読み進められました。淡々としているけれど、きれいであたたかい言葉でつづられる文章はすてきでした。
    新キャラも違和感なく馴染んでいて特徴的で魅力的でした。わずかに変化していくヒロインがどうなるか気になります。歪なふたりの関係がどう変化していくかも気になります。
    異能系、そして女の子キャラに主人公が囲まれたハーレム系ともいえる設定の作品なのに、ラノベっぽくなくていいですね。イラストもお話の雰囲気に合ってて

    0
    2015年10月05日
  • サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY

    Posted by ブクログ

    著者の最近の作品を読んでから処女作を読みました。昔からこの文体なんですね。難しいことを言っているようでそれでいて内容のあるような無いようなでも大事なことを言っているふわりとした雰囲気の文章が大好きなので、とてもたのしく読めました。主人公もヒロインも淡白そうだけど、春埼はしっかりヒロインっぽくケイに恋をしていてかわいいです。ケイも高校生にしては頭も良すぎるし淡々としてるようだけど、それは能力ゆえ仕方ない気もします。残酷だけどやさしいお話でした。あまりラノベっぽくないです。普段一般しか読まない人にも勧めたい。
    次巻以降も読みたいです。

    0
    2015年10月03日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業

    Posted by ブクログ

    シリーズ4作目。前回で物語に進展があったところで、今回は、この物語が始まる前、まだ佐々波が編集者であり、雨坂が目覚めていない時の話。佐々波と同棲する優れた校正者てあり恋人の萩原春の謎の死から「紫色の指先」へと続くこの物語の重要なパートを、文学賞における作家と新人編集者をめぐるストーリーに絡めて書かれた今作は、シリーズの今後をさらに期待されてくれました。

    0
    2015年07月29日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業

    Posted by ブクログ

    紫の指の人についてようやく前進したかな。
    そして、佐々波さんの過去。
    佐々波さんの過去が静か過ぎるのか…何となく5年前の佐々波さんは過去だからなのか淡々としているというか、無音の世界みたいでした。色んな事が起こっているのに、穏やかな印象です。
    『タイトル未定』と『非常口』が気になります。読んでみたいです。特に過程が見えるだけに『非常口』は一冊の本として読んでみたいです。『タイトル未定』は話題にはずっと出て来るのに出版もされず、原稿も残っていないだけど読んだ人は絶賛する話って滅茶滅茶気になります。内容すら分からないから余計に気になります。『トロンプルイユの指先』はこれも内容が語られていないし、み

    0
    2016年12月30日