河野裕のレビュー一覧
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紫の指の人についてようやく前進したかな。
そして、佐々波さんの過去。
佐々波さんの過去が静か過ぎるのか…何となく5年前の佐々波さんは過去だからなのか淡々としているというか、無音の世界みたいでした。色んな事が起こっているのに、穏やかな印象です。
『タイトル未定』と『非常口』が気になります。読んでみたいです。特に過程が見えるだけに『非常口』は一冊の本として読んでみたいです。『タイトル未定』は話題にはずっと出て来るのに出版もされず、原稿も残っていないだけど読んだ人は絶賛する話って滅茶滅茶気になります。内容すら分からないから余計に気になります。『トロンプルイユの指先』はこれも内容が語られていないし、み -
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新シリーズ開始とのことですが、そもそも前回までのシリーズが終わったことに気づいてませんでした。ていうかシリーズくくりがあったのですね…今回はまさかの佐々波の過去話しでした。萩原と佐々波の関係は恋人であるはずなのに殺伐としていて悲しかったです。でもたしかに愛はあったのではないかなぁと思います。佐々波が萩原を思い出して泣くシーンと、スズキがこれからも本を書くと言ったシーンで泣いてしまいました。河野先生の文体はきれいで淡々としていて好きです。紫色の指先の情報がまた増えましたね。最後で思わず「え!?」と声をあげてしまいました。前シリーズよりもシリーズ感が出ていたので、忘れる前に次が読みたいです。
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コンビの掛け合いにクスッとしてしまいます。
一つの事件を一つの物語として扱い、お話しを作るように謎を解いていくのが面白いです。
「お前の推理は、全ボツだ」一駅前からゆるやかに続く神戸北野坂。その途中に佇むカフェ『徒然珈琲』には、ちょっと気になる二人の“探偵さん”がいる。元編集者でお菓子作りが趣味の佐々波さんと、天才的な作家だけどいつも眠たげな雨坂さん。彼らは現実の状況を「設定」として、まるで物語を創るように議論しながら事件を推理する。私は、そんな二人に「死んだ親友の幽霊が探している本をみつけて欲しい」と依頼して…。(BOOKデータベース) -
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編集者&作家コンビの2作目。
前作よりずっと好き。ばらばらになった脚本の順序を探る、ということ自体が、コンビの職業に合っているからかもしれない。し、ネタ自体が自分の好みだからかもしれないけれど。
「著者には書けない」。なるほどね。切ないね。
探偵役ふたり(というかおもに小説家の方)の才能こそがテーマになっているシリーズにおいて、「才能」が謎の根幹になっているのも、すんなりと納得できる。才能って、すごいことなんだけど、随分とつらく悲しいことでもあるのかな。
ナルシストでいられる作家(に限らず芸術家、なのかな)というのは幸せなのかもしれないですね。
1作目で、「幽霊」ってなんだよ、と思う -
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私は文庫本が好きなので、あくまで文庫に限った話になるが、昨今ミステリーを名乗る本が書店の平台にあふれている、と思う。それも、割とライトな雰囲気(たとえば日常系とか)で、謎解き役はまあありとあらゆる年齢や職業の方々で。まるで2時間サスペンスドラマのようでもある。あそこではかなり前から、家政婦さんだのなんだのが探偵役に取り組んでいた。
で、この本の謎解きコンビは、作家と元編集者。帯にあるとおり「萌えるコンビ」であります。で、解く謎が「幽霊」ときたもんだ。これは、キャラ設定で読ませるタイプの作品だろう、と思ってしまったのは(自分的に)仕方がないと思う。
でも。それだけじゃなかったんだなあ・・・
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カフェを舞台に物語が語られる安楽椅子モノ……かと思いきや、シリーズ2作目の本書では思いっきり外に出ていた。
カフェのオーナー兼探偵(元編集者)と、小説家のコンビが活躍するミステリー。大学の演劇サークルから相談が持ちかけられ、ストーリーが動き出す。探偵と小説家がまるで物語を作るときのように会話を交わし、推理していくのが面白い。
当たり前のように幽霊が出てくるのもミステリーとしては珍しいのではないか。主人公コンビは幽霊に関わる相談を優先して受けているのだが、今作では、その背景が少し明らかになった。なるほど。
この先が気になる終わり方。ラノベ的にスラスラ読むことができるし、近々3作目の「ゴース