河野裕のレビュー一覧

  • 汚れた赤を恋と呼ぶんだ(新潮文庫nex)
     シリーズ三作目、書き手には相当な筆力が必要な内容。

     というのも、階段島のシリーズは捨てられた感情が人格を持って暮らす島であり、島の外では捨てた側の人間がいる。
     今作では、悲観的な性格を捨てた側の七草の視点で、島の外側(現実)が語られている。

     群青、白と同じ人物であるはずの七草だが、その特...続きを読む
  • 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1
    一度角川スニーカー文庫から出されているものを読んでいるので感想は割愛。以前読んだときよりも文章が洗練されているように感じるのは、加筆・修正されているからでしょうか。読みやすくなったように思います。それとも結末を知っていて読んでいるからそう思うだけなのかわかりません。改めて読むと、今後の展開を知ってい...続きを読む
  • サクラダリセット7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA
    完結編。
    透明感のある雰囲気、文章は相変わらず素敵です。

    しかし、シリーズの最終巻、完結編ということで、なにかと複雑、というかなんというか。

    話としてはひたすらに、共依存な三角関係というか、互いに互いを思いあうがゆえにすれ違うというか、つきつめるとシンプルではあるんですが。
    良くも悪くもライトノ...続きを読む
  • サクラダリセット6 BOY, GIRL and ──
    物語もいよいよ終盤。
    物語は加速し、かなり密度の濃い内容に。

    前半部分で学園祭の話があるが、レビューするために読み返したときに思い出したぐらいには内容が濃い

    サクラダの歴史、タイトルの意味、相馬菫の計画、などなど明らかになってきた
    次回が最終巻。どう完結するのか楽しみである。
  • サクラダリセット5 ONE HAND EDEN
    相変わらず綺麗な文章。
    とても読みやすい。

    本作はメーテルリンクの青い鳥がモチーフとなっており、鳥かごの中に閉じこもってしまった女の子の青い鳥を探す物語。
    その脇ではそれぞれがそれぞれの本当の幸せを探している。知っている、わかっている、近くにある、それを幸せと認識していないから幸せと感じないだけで...続きを読む
  • つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション
    シリーズが続くにつれ面白くなってきた。
    作家ならではの目線で物語としての整合性から事件の真相を読むというアイデアはなかなかいいな。
  • サクラダリセット5 ONE HAND EDEN
    ひとりの女の子の夢の世界のお話でした。夢は彼女そのもの、というのは難しかったように思います。今回は夢と現実を行き来して、時間も前後してすこしややこしかったかな。
    相麻と浦地の思惑が垣間見えてどきどきしました。今後どうなるのか、こわいけど気になります。
    そして、リセットしたことによる代償を改めて思い知...続きを読む
  • サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY
    サクラダリセットシリーズ4巻、と思ったら短編集なんですね。
    最初の「キャンディ」はいままでのサクラダリセットっぽいと思いました。津島先生そんなこと考えてたんだ、みたいな。
    ショートショートのある日の春埼さんは、どちらもかわいかった。野々尾さんとのからみは癒されます。お見舞いで悩む姿もとてもかわいい。...続きを読む
  • サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL
    シリーズ2巻目。前回に引き続き淡々とお話が進みました。
    今回は前回よりもさらに、過去と現在を行ったり来たりして、ややこしかったです。過去も大幅に変わってて、複雑でした。それなのに、すらすらとお話を読み進められました。淡々としているけれど、きれいであたたかい言葉でつづられる文章はすてきでした。
    新キャ...続きを読む
  • サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY
    著者の最近の作品を読んでから処女作を読みました。昔からこの文体なんですね。難しいことを言っているようでそれでいて内容のあるような無いようなでも大事なことを言っているふわりとした雰囲気の文章が大好きなので、とてもたのしく読めました。主人公もヒロインも淡白そうだけど、春埼はしっかりヒロインっぽくケイに恋...続きを読む
  • つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業
    シリーズ4作目。前回で物語に進展があったところで、今回は、この物語が始まる前、まだ佐々波が編集者であり、雨坂が目覚めていない時の話。佐々波と同棲する優れた校正者てあり恋人の萩原春の謎の死から「紫色の指先」へと続くこの物語の重要なパートを、文学賞における作家と新人編集者をめぐるストーリーに絡めて書かれ...続きを読む
  • つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業
    紫の指の人についてようやく前進したかな。
    そして、佐々波さんの過去。
    佐々波さんの過去が静か過ぎるのか…何となく5年前の佐々波さんは過去だからなのか淡々としているというか、無音の世界みたいでした。色んな事が起こっているのに、穏やかな印象です。
    『タイトル未定』と『非常口』が気になります。読んでみたい...続きを読む
  • つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業
    新シリーズ開始とのことですが、そもそも前回までのシリーズが終わったことに気づいてませんでした。ていうかシリーズくくりがあったのですね…今回はまさかの佐々波の過去話しでした。萩原と佐々波の関係は恋人であるはずなのに殺伐としていて悲しかったです。でもたしかに愛はあったのではないかなぁと思います。佐々波が...続きを読む
  • つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業
    謎の「紫の指」にグッと近づいた(;゜∇゜)今回は5年前の話で、佐々波は編集者勤め、雨坂続は7年の眠りから目覚めたところ(^^)ミステリーだけじゃなくて、編集や校正の仕事、小説賞の仕組みなど本好きには少しうれしい話盛りだくさん(^^)♪
  • つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない
    作家が探偵役になりストーリー構築を通して謎を解く設定や、一冊を通して物語が完結する連作短編集という形式など、作者の意欲が感じられてよいです。
    難を言えば表現にキレが不足していて読みにくく、そのせいで凝った伏線か空回り気味かな。
    今後の進化を期待します。
  • つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション
    里見青。嫌いだ。
    このシリーズに必要な女は、
    ノゾミとユキとパスティーシュで100%。
    その他はもう余分だ。
  • つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない
    コンビの掛け合いにクスッとしてしまいます。
    一つの事件を一つの物語として扱い、お話しを作るように謎を解いていくのが面白いです。




    「お前の推理は、全ボツだ」一駅前からゆるやかに続く神戸北野坂。その途中に佇むカフェ『徒然珈琲』には、ちょっと気になる二人の“探偵さん”がいる。元編集者でお菓子作りが...続きを読む
  • つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション
    北野坂探偵舎の二人が追う謎の全貌が、この三巻目で少し見えた気がします。その謎と今回の依頼は絡まりあっていて、謎解きも複雑ですが、とても読み応えがありました。
  • つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語
    SNEのコンベションでご本人を見かける機会があったので、どんな作品を書く人なのだろうと思って買ってみましたが、とても素敵な文章で驚きました。
    ファンになったかも
  • つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語
    レイニーの登場により更に謎が増した二作目。河野さんのいつもの感じが戻ってきた気がする。三巻目にも期待。