河野裕のレビュー一覧
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河野裕の片手の楽園を読みました。
咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの5冊目でした。
夢の世界を実際の咲良田の町と同様に構成する超能力をもつ少女の夢の中が今回の物語の舞台でした。
他の登場人物もその少女の近くで眠ることによりその世界で活動することが出来ます。
浅井ケイと春﨑美空たちはある目的を持ってその世界に入っていきます。
前作から登場する管理局の中枢にいる浦地と索引さんは咲良田の住人たちが持っている超能力全てを消すという活動を進めています。
この活動がどのような結末になるのか楽しみです。
浅井ケイの超能力が記憶を全て保持するというものであることに対し、浦地の能力が記憶を消すと -
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読書録「つれづれ北野坂探偵舎心理描写が足
りてない」4
著者 河野裕
出版 角川文庫
p298より引用
“「物語が作り物でも、それを読む人間は現
実にいるんだ。問題は君が、何を感じて、何
を信じるかだよ。読者の感情に僅かでも影響
を与えられるなら、フィクションにはリアル
で具体的な意味がある」”
目次より抜粋引用
“本を探す幽霊の誤謬
迷子のリドル
心理描写が足りてない
リリカルファイア”
小説家と元編集者でカフェオーナーの探偵
所長を主人公とした、短編連作ミステリ小説。
カフェでお茶を飲みながら、男性二人の会
話に耳を澄ます少女。二人は反対方向を向い
て座ったまま、しかし決 -
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階段島シリーズの2冊目。
プロローグの中で、真辺由宇について『ルールを破る人を目にしたときに顔を覗かせる健全な感情に、手足を生やして人の形にしたような、そんな女の子』と書いてあるのを見て、確かにと笑ってしまう。
更に『階段島はあまりに都合よく設定された箱庭だ』とあり、ここだけ切り取るのはどうかと思うのだけど、反面、作者もそう思っているのかと苦笑いが続く。
前作から引き続き、自分に捨てられた人々が住む、しかし、それなりに快適な島という設定だが、今回は、クリスマスを前にネット通販が使えなくなってというところから始まる話。そうそう都合良く生きられないってか。
ところどころに思索的な文章が挟まれな -
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階段島シリーズも本巻にて完結。
これ読んでる同じ時期に、ちょうど涼宮ハルヒシリーズが文庫化してて、そっちも読み進めてるから、つい対比してしまう。
真辺は一人で突っ走ってるハルヒなんだ。
両人ともに自分の意志を貫き通してるけど、真辺は他人のあるべき姿を理想として突っ走って世界を変えようとする。
変数が他人なわけで、絶対に理想の世界にはたどり着かない。
七草は傍観者でありキョンなのだ。
ただし、キョンは傍観してなすがままに流されているけど、七草は傍観しながらも真辺の否定すべきところはキッパリと否定している。
シリーズは魔女だったり、家庭の事情のだったり、いろいろとテーマにな -
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ネタバレなんだか終わりに近づいてるなぁという感じ。というか、3巻以降、急展開が多い。少なからずちりばめられていた伏線や何かしらのアイテムが一気に回収されつつあるというか。ピストルスターがここまで引っ張られたりや逆上がりなど、伏線らしい伏線から、それも活かすのかというところまでいろいろ。
それに伴って1巻を読んだときには語られないことが多すぎてよくわからなかったことが、やっとこわかってきた。
信仰という言葉がでてきたのは2巻だったか、3巻だったか。それの対象がピストルスターであったわけだが、ピストルスターの意味させるところが、この作者のうまいところなんだろうな。もともと抽象的であったものをなんとなく -
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ネタバレ階段島シリーズの1作目を初めて読んだときは、正直よくわからなかったけども、もう1度1作目を読み、続けて2作目を読んだときに、少しずつ面白さがわかってきた気がした。
そんなわけで、3作目に至ったわけだけども、今回の作品はパラレルワールドの主人公が主役。というか、パラレルワールド自体が主役というべきか。どちらが表か裏か、魔女の思惑一つ。その上で現実世界のリアリティのなさは、おそらくあえてなんだろうなぁ。
作者が「色」に意味を込めている理由はいろいろあるんだろうけども、その1つは2つの平行世界に色を固定させないことじゃないかと思う。一方の色が決まってしまえば、もう一方も自ずと色が見えてきてしまう