河野裕のレビュー一覧
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ひとりの女の子の夢の世界のお話でした。夢は彼女そのもの、というのは難しかったように思います。今回は夢と現実を行き来して、時間も前後してすこしややこしかったかな。
相麻と浦地の思惑が垣間見えてどきどきしました。今後どうなるのか、こわいけど気になります。
そして、リセットしたことによる代償を改めて思い知って悲しくなりました。春埼がもう一度あの感情を知ることができるのだろうか…ケイと春埼と相麻の三人の関係がうまくいくといいなと思うけど、難しそうだ。
野々尾さんと老人の話は悲しいけれど、なんとかいい結末になったようでよかった。老いはどうにもならない問題だ。チルチルとミチルも、今後ちゃんと生きていくことができそうでよかった。 -
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サクラダリセットシリーズ4巻、と思ったら短編集なんですね。
最初の「キャンディ」はいままでのサクラダリセットっぽいと思いました。津島先生そんなこと考えてたんだ、みたいな。
ショートショートのある日の春埼さんは、どちらもかわいかった。野々尾さんとのからみは癒されます。お見舞いで悩む姿もとてもかわいい。ついにやにやしました。久しぶりに皆実の姿が見られたのもうれしかった。
月の砂を取ってくる少年の話もおもしろかった。野々尾さんも淡白な人だと思ったけど、やさしさも見えてちょっと安心しました。出てくる女の子あんな感じの子ばかりじゃこわいです。
最後の「ホワイトパズル」はかなりよかったと思います。サクラダリセットとは関係ない話でしたが、違和感なく読めました。ハッピーエンドでよかった。
相変わらずの独特の哲学とリリカルで美しい言葉がすてきでした。次の本編も楽しみです。 -
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シリーズ2巻目。前回に引き続き淡々とお話が進みました。
今回は前回よりもさらに、過去と現在を行ったり来たりして、ややこしかったです。過去も大幅に変わってて、複雑でした。それなのに、すらすらとお話を読み進められました。淡々としているけれど、きれいであたたかい言葉でつづられる文章はすてきでした。
新キャラも違和感なく馴染んでいて特徴的で魅力的でした。わずかに変化していくヒロインがどうなるか気になります。歪なふたりの関係がどう変化していくかも気になります。
異能系、そして女の子キャラに主人公が囲まれたハーレム系ともいえる設定の作品なのに、ラノベっぽくなくていいですね。イラストもお話の雰囲気に合っててかわいくて繊細できれいで好きです。 -
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紫の指の人についてようやく前進したかな。
そして、佐々波さんの過去。
佐々波さんの過去が静か過ぎるのか…何となく5年前の佐々波さんは過去だからなのか淡々としているというか、無音の世界みたいでした。色んな事が起こっているのに、穏やかな印象です。
『タイトル未定』と『非常口』が気になります。読んでみたいです。特に過程が見えるだけに『非常口』は一冊の本として読んでみたいです。『タイトル未定』は話題にはずっと出て来るのに出版もされず、原稿も残っていないだけど読んだ人は絶賛する話って滅茶滅茶気になります。内容すら分からないから余計に気になります。『トロンプルイユの指先』はこれも内容が語られていないし、みんな絶賛ですが、何となく自分には読めない気がします。覗き見はしてみたいですけど。 -
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新シリーズ開始とのことですが、そもそも前回までのシリーズが終わったことに気づいてませんでした。ていうかシリーズくくりがあったのですね…今回はまさかの佐々波の過去話しでした。萩原と佐々波の関係は恋人であるはずなのに殺伐としていて悲しかったです。でもたしかに愛はあったのではないかなぁと思います。佐々波が萩原を思い出して泣くシーンと、スズキがこれからも本を書くと言ったシーンで泣いてしまいました。河野先生の文体はきれいで淡々としていて好きです。紫色の指先の情報がまた増えましたね。最後で思わず「え!?」と声をあげてしまいました。前シリーズよりもシリーズ感が出ていたので、忘れる前に次が読みたいです。
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コンビの掛け合いにクスッとしてしまいます。
一つの事件を一つの物語として扱い、お話しを作るように謎を解いていくのが面白いです。
「お前の推理は、全ボツだ」一駅前からゆるやかに続く神戸北野坂。その途中に佇むカフェ『徒然珈琲』には、ちょっと気になる二人の“探偵さん”がいる。元編集者でお菓子作りが趣味の佐々波さんと、天才的な作家だけどいつも眠たげな雨坂さん。彼らは現実の状況を「設定」として、まるで物語を創るように議論しながら事件を推理する。私は、そんな二人に「死んだ親友の幽霊が探している本をみつけて欲しい」と依頼して…。(BOOKデータベース) -
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編集者&作家コンビの2作目。
前作よりずっと好き。ばらばらになった脚本の順序を探る、ということ自体が、コンビの職業に合っているからかもしれない。し、ネタ自体が自分の好みだからかもしれないけれど。
「著者には書けない」。なるほどね。切ないね。
探偵役ふたり(というかおもに小説家の方)の才能こそがテーマになっているシリーズにおいて、「才能」が謎の根幹になっているのも、すんなりと納得できる。才能って、すごいことなんだけど、随分とつらく悲しいことでもあるのかな。
ナルシストでいられる作家(に限らず芸術家、なのかな)というのは幸せなのかもしれないですね。
1作目で、「幽霊」ってなんだよ、と思う部分もあったんだけど、「幽霊の未練」、「未練をかなえるための心霊現象(という力)」というものが示すものが、少しずつ見えてきた感じ。「未練」に縛られ、未練をかなえることに特化した存在になってしまった「幽霊」。なるほど、人間だったら、一つの目的のためだけに存在することなんてできないもんね。何かにすべてを賭けていると言われる人だって、ごはんも食べれば、第三者と会話もするし、別のことで楽しんだり悲しんだり。そんなことをすべて排除して、ぎゅっと凝縮されたのが、幽霊なんだね。
そしてそんな「幽霊」にとらわれた人間というのもまた、一種の幽霊みたいな存在なんだ。幽霊は幽霊で切ないけれど、その他のことにもかかわっていかなくちゃいけない人間も悲しく見えてならないなぁ。
可哀想とかつらいとか哀れとか切ないとか。そんなのとは種類の違う、しかし哀感としか言いようのない余韻を醸し出すコンビだね。萌える、なんてのは違うなあ、と思います。 -
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私は文庫本が好きなので、あくまで文庫に限った話になるが、昨今ミステリーを名乗る本が書店の平台にあふれている、と思う。それも、割とライトな雰囲気(たとえば日常系とか)で、謎解き役はまあありとあらゆる年齢や職業の方々で。まるで2時間サスペンスドラマのようでもある。あそこではかなり前から、家政婦さんだのなんだのが探偵役に取り組んでいた。
で、この本の謎解きコンビは、作家と元編集者。帯にあるとおり「萌えるコンビ」であります。で、解く謎が「幽霊」ときたもんだ。これは、キャラ設定で読ませるタイプの作品だろう、と思ってしまったのは(自分的に)仕方がないと思う。
でも。それだけじゃなかったんだなあ・・・
いろいろ思うことはある。会話に時々イラッとするなあ、とか、登場人物の根っこがみんな似ているなあ、とか、伏線の主張が強いなあ、とか。
でもね。なんていうか。タイトルにもあるように、心理描写、なのかな。現象や行動や時間の経過による結果の裏側にある、登場人物の気持ちとそれを汲み取る側の人物の気持ちが。
とても繊細で、一生懸命で、やさしい。
読んでいても、ほっこりはしない。ただ、読み終わった後、小さな傷みたいに、ずっと気になる。雨坂さんの書く小説を、読めるものなら読んでみたいなと思います。彼の「傷」、私もたぶんそれをマイナスとは思えない。