河野裕のレビュー一覧

  • きみの世界に、青が鳴る(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    6巻にわたる群青シリーズが終わった。最後のエンディングに向かう部分は今までの要素が収斂されてきて良かった。
    ただ間の数巻は必要なかったと思う。同じことの繰り返しで冗長とも思われる部分も散見していた。

    0
    2019年11月24日
  • さよならの言い方なんて知らない。2(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

     殺伐としたサクラダリセット、と呼ぶことにするよ。
     シリーズ二巻目、破壊された無人都市・架見崎の世界が現実の世界というプレイヤー同士の認識のずれを通じて提示され始める。
     
     八月の一か月での、能力バトル殺し合い陣地取り合戦を繰り返す(殺伐としたエンドレスエイトともいえる)。
     香屋と秋穂がこの世界に訪れた次のループで、戦いは最大勢力の三グループ、PORT・平穏な国・架見崎駅南改札の参戦という異常事態が勃発した。

     誰よりも臆病で、なるべく人が死なないように引き分けを狙う。
     香屋はこの世界で再会した旧友トーマも巻き込み、戦争の結末から逆算して手札を揃える。

     三つ巴の戦いの結末は。
     次巻に続く。

      
     なんとなく、”ぼくらの”っぽい話になってきたと思うのは俺だけ?

    0
    2019年10月11日
  • 片手の楽園 サクラダリセット5

    Posted by ブクログ

    河野裕の片手の楽園を読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの5冊目でした。
    夢の世界を実際の咲良田の町と同様に構成する超能力をもつ少女の夢の中が今回の物語の舞台でした。

    他の登場人物もその少女の近くで眠ることによりその世界で活動することが出来ます。
    浅井ケイと春﨑美空たちはある目的を持ってその世界に入っていきます。

    前作から登場する管理局の中枢にいる浦地と索引さんは咲良田の住人たちが持っている超能力全てを消すという活動を進めています。
    この活動がどのような結末になるのか楽しみです。

    浅井ケイの超能力が記憶を全て保持するというものであることに対し、浦地の能力が記憶を消すというものであることが面白いと思いました。

    0
    2019年09月17日
  • 機械仕掛けの選択 サクラダリセット3

    Posted by ブクログ

    河野裕の機械仕掛けの選択を読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの3冊目でした。
    最大3日時間を戻すことが出来る春﨑美空とリセットを越えても記憶を保持できる浅井ケイとの物語です。

    あまり感情の起伏のない性格の春﨑ですが、公園で出会ったクラカワマリとの交流の中で少しずつ自分の感情を持つようになってきます。
    この物語の世界観は現実とは異なり、コンピューターの中で構成されている仮想現実の世界のようにも思えてきます。
    このシリーズの最後はどのような結末になるのか、楽しみです。

    0
    2019年09月10日
  • その白さえ嘘だとしても(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    河野裕のその白さえ嘘だとしてもを読みました。

    階段島を舞台にした物語の2冊目でした。
    主人公の七草、同級生の真辺由宇、佐々岡、学級委員長の水谷たちが、クリスマスの七不思議に翻弄されながら、クリスマスパーティの準備に走り回ります。

    登場人物たちはそれぞれ性格に欠けたところがあるのですが、それでも必死に行動していきます。
    七草はクリスマスのうちに、階段島を管理しているという魔女を探すことが出来るのでしょうか。

    0
    2019年08月21日
  • きみの世界に、青が鳴る(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    真辺への信仰心の比喩を多用している場面が多すぎる。
    互いに尊い存在 ピストルスター として追い求め続ける二人の関係性に憧れた。

    どこまでも希望があるという絶望。
    この矛盾を何度も訴え続けている。

    それ理解してもなお、足を止めずに進み続けてく真辺、それを愛する七草。

    二人のどこまでも繋がり続け、信仰し続ける。

    0
    2019年08月04日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない

    Posted by ブクログ

    読書録「つれづれ北野坂探偵舎心理描写が足
    りてない」4

    著者 河野裕
    出版 角川文庫

    p298より引用
    “「物語が作り物でも、それを読む人間は現
    実にいるんだ。問題は君が、何を感じて、何
    を信じるかだよ。読者の感情に僅かでも影響
    を与えられるなら、フィクションにはリアル
    で具体的な意味がある」”

    目次より抜粋引用
    “本を探す幽霊の誤謬
     迷子のリドル
     心理描写が足りてない
     リリカルファイア”

     小説家と元編集者でカフェオーナーの探偵
    所長を主人公とした、短編連作ミステリ小説。
     カフェでお茶を飲みながら、男性二人の会
    話に耳を澄ます少女。二人は反対方向を向い
    て座ったまま、しかし決して険悪な雰囲気と
    いうわけでもなく話を続ける…。

     上記の引用は、フィクションの意味につい
    てとある人物?に答える、主人公・佐々波の台
    詞。
    山本弘氏の「アイの物語」の解説だったでしょ
    うか、「作者は本気で、小説の力で世界を変
    えようと思っている」というようなことが書
    かれていたように記憶しています。たとえフィ
    クションでも、人に何かしらの影響を与える
    ものなのでしょうから、その影響が悪い方向
    に出ないように、書き手は作り続けてほしい
    ものです。
     穏やかな雰囲気ながら少し切ない話。会話
    が多い書かれ方なので、好みの分かれるとこ
    ろかもしれません。
     短編連作としましたが、続編への謎が残る
    終わり方をしていて、長く続く作品なのかも
    しれません。

    ーーーーー

    0
    2019年07月18日
  • さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サクラダリセットのシリーズ第4弾。
    短編集。


    特別収録の「ホワイトパズル」はシリーズとは関係なく読める作品。この作品の透明感が好きです。

    0
    2019年06月22日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 物語に祝福された怪物

    Posted by ブクログ

    シリーズ完結。雨坂続が再び眠りについて2年が経った。二人の小説家は、自らが求める究極の小説家を目指し、ついにそれが何かを知る。雨坂続は最高の小説を書き上げる事ができるのか?そして再び戻ってこれるのか?“紫色の指先”の正体とは?そして、“紫色の指先”が作り出す世界とは?雨坂聡一郎はどう絡んでいるのか?このシリーズを読み始めた時は、ここまで深い話に発展するとは思わなかった。結局、謎のまま終わったものもあったけど、まぁ…それもいいかな。『なんて気持ち悪いのだろう。なんて病的なんだろう。なんて純粋なんだろう。』佐々波の思いが印象に残った。

    0
    2019年06月13日
  • きみの世界に、青が鳴る(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

     階段島シリーズも本巻にて完結。

     これ読んでる同じ時期に、ちょうど涼宮ハルヒシリーズが文庫化してて、そっちも読み進めてるから、つい対比してしまう。

     真辺は一人で突っ走ってるハルヒなんだ。
     両人ともに自分の意志を貫き通してるけど、真辺は他人のあるべき姿を理想として突っ走って世界を変えようとする。
     変数が他人なわけで、絶対に理想の世界にはたどり着かない。

     七草は傍観者でありキョンなのだ。
     ただし、キョンは傍観してなすがままに流されているけど、七草は傍観しながらも真辺の否定すべきところはキッパリと否定している。

     シリーズは魔女だったり、家庭の事情のだったり、いろいろとテーマになっていたけど、
     最後には真辺と七草の物語に収束する。

     捨てたい感情を捨て、捨てられた感情が集まった島、階段島。
     「嫌いだよ。でも、悪くないところもある。そんなもんだろ、自分自身なんて」

     ラストが清々しい。

    0
    2019年05月11日
  • きみの世界に、青が鳴る(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    長かった。
    2014年からなので、もう5年になるんですね。
    以下、ネタバレ注意。



    途切れ途切れの記憶を辿りながらだと、どうも見えなかった部分はある。

    「愛情」を預けてしまった母親と暮らす大地を、幸せにしてやりたい。
    そこで、真辺は魔法の力で、母親が大地を愛するようなシミュレーションを何度も繰り返す。
    失敗する度に傷つき、トライアンドエラーを繰り返し、やっと得た小さな幸せにも、満足しない。

    そんな真辺の崇高さに、七草は感嘆しながらも、対峙する。
    大きな幸せ、持続的な幸せという、たった一つの正解を探し当てるまで、トライアンドエラーを繰り返すのなら、真辺はこの世界から永遠に出られない。
    それはつまり、シミュレーションが現実にはならないことと同じだと突き付ける。

    彼女が壊れる前に、彼女を止めたのは七草だった。
    小さな幸せを積み重ねた世界を持って、真辺は階段島を去ってゆく。

    そして、七草は階段島に残る。

    自分の中の不要なパーツを残していける世界。
    不要なパーツたちが安心して暮らせる世界。
    それは魔女である堀の、人に対する優しさから生まれた、少し悲しい幸せの世界だった。
    その中で、七草は「何も捨てなくても、人は成長できるか」を目指そうとする。

    受け容れるということは諦めだけではなく。
    受け容れることが出来て、成長もあるのだと。
    私なりに勝手に落ち着けたのだけど、今の自分にはこう思えると、スッキリする。

    見たくない部分を切り離せたら楽で、現実世界と適応しない部分を、病的に遮断してしまわなければ生きていけない人もいる。

    こんな自分だったらいいのに、と思うことはあって、でもそこに辿り着く道筋は、きっと切り離すことだけではない。
    受け容れることは、難しい。
    どうすれば、諦めたのではなく、受け容れたことになるのかは、正直分からない。

    けれど、受け容れるべき部分があるのなら、それはつまり、切り捨てたかったパーツを明らかに出来るのなら、きっとそこから始められることがあるんじゃないかと思う。

    後半は、本に対するレビューというより、七草の結論に対する個人的な思いになった。
    随分、考えさせられたシリーズだった。
    難しいけれど、面白い。

    0
    2019年05月03日
  • さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4

    Posted by ブクログ

    4作目にしてシリーズの外伝的な作品です。
    本編のストーリー展開とは関係ないけれど、特に印象深いキャラクターを深掘りしたという感じで興味深かった。
    最後の短編はなんだろう?今後の暗示かな。

    0
    2019年04月16日
  • 凶器は壊れた黒の叫び(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんだか終わりに近づいてるなぁという感じ。というか、3巻以降、急展開が多い。少なからずちりばめられていた伏線や何かしらのアイテムが一気に回収されつつあるというか。ピストルスターがここまで引っ張られたりや逆上がりなど、伏線らしい伏線から、それも活かすのかというところまでいろいろ。

    それに伴って1巻を読んだときには語られないことが多すぎてよくわからなかったことが、やっとこわかってきた。

    信仰という言葉がでてきたのは2巻だったか、3巻だったか。それの対象がピストルスターであったわけだが、ピストルスターの意味させるところが、この作者のうまいところなんだろうな。もともと抽象的であったものをなんとなく想像させて、かつ裏の裏みたいな落としどころがいつの間にか語られる。

    これまでもこれからも七草と真辺の関係は変わらないんだろうけど、読み手の立ち位置が知らない間に変えられてるが故に、いろんなことを想像させられる。安達の立ち位置も。

    0
    2019年03月30日
  • 汚れた赤を恋と呼ぶんだ(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    階段島シリーズの1作目を初めて読んだときは、正直よくわからなかったけども、もう1度1作目を読み、続けて2作目を読んだときに、少しずつ面白さがわかってきた気がした。

    そんなわけで、3作目に至ったわけだけども、今回の作品はパラレルワールドの主人公が主役。というか、パラレルワールド自体が主役というべきか。どちらが表か裏か、魔女の思惑一つ。その上で現実世界のリアリティのなさは、おそらくあえてなんだろうなぁ。

    作者が「色」に意味を込めている理由はいろいろあるんだろうけども、その1つは2つの平行世界に色を固定させないことじゃないかと思う。一方の色が決まってしまえば、もう一方も自ずと色が見えてきてしまう。そうさせないためのタイトルな気がするし、決めぜりふな気がする。

    それにしてもみんな賢すぎじゃないかなぁ(笑)

    0
    2019年03月29日
  • サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY

    Posted by ブクログ

    短編集ということで3巻のひっくりかえるようなあれはなかったが
    平均点はさすがに高い
    突飛な設定でなしに ごく普通の舞台で 
    「普通の語彙でしか」喋れない人物を描写するとどうなるかも見てみたいもの

    0
    2019年01月07日
  • 機械仕掛けの選択 サクラダリセット3

    Posted by ブクログ

    時間と空間が交錯してストーリーが複雑になってきているけれど、非常に面白い。
    善性に関する考察とそれを検証するためのプロセスを、3冊分という長い文章を使って構築しているところも凄い。

    0
    2018年12月10日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない

    Posted by ブクログ

    サクラダリセット作者の新作
    一話目ひよったかと眉しかめるが
    二話目から面白くなる
    ただずいぶんキャラクタ配置やミステリとしての流れがぎこちない感じ
    サクラダリセットがとても変化球でありながら絶妙の調律だったのに対して
    題材がふつうすぎて(幽霊が出るミステリとか当たり前すぎて)もてあますのか
    あと連載時は4話目がなくて大丈夫だったのか
    ともかく続きが楽しみ

    0
    2018年11月12日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先

    Posted by ブクログ

    このシリーズを読み始めた頃は作家と編集者が、探偵事務所に持ち込まれた事件を「小説に仕上げるならこんな結論に違いない」という視点で謎解きする構成だったはずが、いつの間にか壮大なファンタジーになっていた。
    抽象的な理論のぶつけ合いのようなこの展開も良いけれど、最初からこの構想をもって書き始めたのかな?

    0
    2018年10月27日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語

    Posted by ブクログ

    余計なことがらを排してさっくりまとまった一冊
    劇中劇をするとこの作品の
    というよりこの作者の作品の劇的であることに自覚的であることがよくわかる
    鏡に映して対称を照らすのと同じく
    小説の題材にもならないありふれた事柄に映して
    お話になるだけの出来事は
    いかに日常と対称して劇的であるべきか
    そんな創作に当たり前の意識ない作品のいかに多いことか

    0
    2018年10月25日
  • つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション

    Posted by ブクログ

    ロボットが出るSFでも幽霊が出るファンタジーでもミステリなんだ
    あんまり説得力がないが
    超探偵と超犯人(何しろ幽霊だから許される)の思い通りに描かれる世界を楽しむものであって
    そこは重要でないのである
    飛び道具の味わいである
    さすがに面白い

    0
    2018年10月25日