河野裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「隣にいる人が笑うことを、幸せと呼ぶんだ」
シリーズ5巻、幸せの青い鳥を夢の中で探す少女の話。
浅井ケイは管理局から、ある女性の能力調査の依頼を受ける。
片桐穂乃歌は九年間、昏睡状態にあり、彼女の能力は夢の中で現実世界と同様の世界を創造すること。
夢に他人を引き込むことから、その能力が管理局から危険視された。
依頼は、夢の世界と現実世界との違いを調査することだった。
さらに、夢の中にいる老人に会いに行くと野ノ尾盛夏も加わり、ケイと美空の三人は病室で眠りにつくのだが。
夢の世界の咲良田ではチルチルとミチルの兄妹が三人を待っていた。現実と異なる世界を創造した彼らが守るものは。
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Posted by ブクログ
今までで一番面白かったような気がするようなしないようなくらいには面白かった。
やっぱ相麻菫の存在は大きい。 それにそのほかの登場人物も多かったし。
そして変わりかけて心の中で葛藤する春埼さんもとても良い。
内容に関してはまぁ何が正しくて何が悪いのかとか、正しければ善なのか、間違いは悪なのか、とか、基準は何なのかとか、法律なんてワードは出てこないし、まぁ哲学は人それぞれだし、何が言いたいかって法に依らない善悪なんてどうでもいいって感じ。水掛け論だし平行線だし。
あともっとどうでもいいことだけど、どうもアニメの声優のチョイスがズレてるような気がするんだ -
Posted by ブクログ
非常に冗長な物言いが好きな人は気に入る作品だと思う。
かくいう私は文体が好きなのでお気に入りだ。
本シリーズにおいては、設定がある種「奇をてらった」と言わんばかりの設定ではあるもののそこを気に入ってしまった。
作家と編集者がそれぞれの立場、目線から物語を進めていく様子は新鮮であり、作者のキザったらしい文体も相まって掛け合いを見ているだけで楽しい。
彼の物語の登場人物にはそれぞれ役割が与えられていると思う。物語である以上、役割があるのだろうが彼の物語ではより明確にその線引きがなされているように思う。
それぞれの役割を最大限にこなそうとする登場人物に私は好感を覚える。