あらすじ
佐々波と雨坂が、本当に「編集者」と「作家」だった、若き日の物語。ある一人の女性の存在が、すべての始まりだった……。本にまつわる謎が、眠れる天才を呼び覚ます。推理しない探偵コンビの語られなかった過去が明らかに!
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佐々波蓮司が編集者だったときの話。同棲していた校正者の萩原春が事故死し、蓮司は自殺ではないかと疑う。数日後、それまで何年も眠り続けていた雨坂続が突然目を覚まし、小説を書き始める。同僚の工藤凛は、担当の作家になんとか賞をとらせようと悪戦苦闘する。筋だけを追うと何のことなのか分かりにくいが、小説というものに憑りつかれた編集者と校正者の運命と小説を書く天賦の才能がテーマなのだ。結構重いテーマのような気がする。蓮司に幽霊が見えるというのは重要な意味を持ってくるのだが、都合がいいと言えばそうかもしれない。
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4巻目、幽霊要素少なめ。
佐々波の編集者時代の過去が語られる。彼女なんて居ないと思ってたらいたんだね。大学時代からなんていい話。
雨坂と違ってちゃんと青春時代があったのか。
だけど最後に少ないページで萩原のことが語られるが、残り少ないけど大丈夫か心配だったが、割とあっさり語られてた。佐々波が萩原との最後の繋がりもあっさり描写。でもあの二人ならそんなものか。
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全体像が見えて来るからか、巻を追う毎に難解さが薄れて、段々と読み易くなる。五年前を知ることで当時編集者だった佐々波の人物像がぐっと飲み込み易くなった。佐々波の恋人の萩原春の死や、賞に向けて奮闘する後輩編集者の工藤凜や、目覚めたばかりの雨坂にも引き込まれた。文章の良い意味で色のない感じが心地好くて、朽木続の「トロンプルイユの指先」の圧倒的なところも印象的だった。溢れるような校正者に対する尊敬が眩しくて、校正の仕事や文章を磨いていく作業のプロフェッショナルさが格好良い。一巻で読むのをやめなくて良かったなあ。
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シリーズ4作目。前回で物語に進展があったところで、今回は、この物語が始まる前、まだ佐々波が編集者であり、雨坂が目覚めていない時の話。佐々波と同棲する優れた校正者てあり恋人の萩原春の謎の死から「紫色の指先」へと続くこの物語の重要なパートを、文学賞における作家と新人編集者をめぐるストーリーに絡めて書かれた今作は、シリーズの今後をさらに期待されてくれました。
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紫の指の人についてようやく前進したかな。
そして、佐々波さんの過去。
佐々波さんの過去が静か過ぎるのか…何となく5年前の佐々波さんは過去だからなのか淡々としているというか、無音の世界みたいでした。色んな事が起こっているのに、穏やかな印象です。
『タイトル未定』と『非常口』が気になります。読んでみたいです。特に過程が見えるだけに『非常口』は一冊の本として読んでみたいです。『タイトル未定』は話題にはずっと出て来るのに出版もされず、原稿も残っていないだけど読んだ人は絶賛する話って滅茶滅茶気になります。内容すら分からないから余計に気になります。『トロンプルイユの指先』はこれも内容が語られていないし、みんな絶賛ですが、何となく自分には読めない気がします。覗き見はしてみたいですけど。
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新シリーズ開始とのことですが、そもそも前回までのシリーズが終わったことに気づいてませんでした。ていうかシリーズくくりがあったのですね…今回はまさかの佐々波の過去話しでした。萩原と佐々波の関係は恋人であるはずなのに殺伐としていて悲しかったです。でもたしかに愛はあったのではないかなぁと思います。佐々波が萩原を思い出して泣くシーンと、スズキがこれからも本を書くと言ったシーンで泣いてしまいました。河野先生の文体はきれいで淡々としていて好きです。紫色の指先の情報がまた増えましたね。最後で思わず「え!?」と声をあげてしまいました。前シリーズよりもシリーズ感が出ていたので、忘れる前に次が読みたいです。
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謎の「紫の指」にグッと近づいた(;゜∇゜)今回は5年前の話で、佐々波は編集者勤め、雨坂続は7年の眠りから目覚めたところ(^^)ミステリーだけじゃなくて、編集や校正の仕事、小説賞の仕組みなど本好きには少しうれしい話盛りだくさん(^^)♪
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編集者の佐々波が出版社に勤めていた時代が主な舞台。当時の恋人で校正をしていた萩原春との別れ、事故から目覚めて小説を書き始める雨坂との作家と編集者という関係の始まりがえがかれ、紫色の指先という謎の解明に近づいてきている。
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とうとう「紫色の指先」の正体が…ん?でも…ああー個人を指す名称ではないからか…。
そりゃあ誰だって…私だって究極の小説を、待ち望む作品の続編を永遠に待ち続けたい。