モンゴメリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
空想好きなアンも大学生となり、過去二作には無かった、戸惑いや、嫌な一面が垣間見えたのが印象的で、そこには大人になっていくにつれて、ものの見方もそうだし、周囲の友人たちも変わっていくことへの、一種の諦観に近いものを感じたからではないでしょうか。
健全な物語といいながらも私には、そうした年齢を重ねるにつれて、どうしても向き合わねばならない鬱陶しい思いをアンも味わうのだといった、予想だにしなかった思いは、逆に言えば、アンに何か神々しい偶像めいたものを、私が勝手に抱いていたんだなと悟り、こうした現実的な描写も見せてくれるところに、名作と呼ばれる所以があるのかもしれないなと思いました。
また、「見え -
Posted by ブクログ
ネタバレミーガン・フォローズ主演の映画『アンの青春』では原作の2、3巻が下地になっている。
本巻は映画には現れない様々な人物が登場する。古き良き大学といった感じで好ましい。
フィリパのお嬢さんぶりはまるで若い世代にジェネレーションギャップを感じつつ感心するような気持ち。面食らう発言が多いのに全く嫌味がなく、ここぞと言うところでグッとアンの人生を後押しする。
パティの家に住むみんなが学生生活を振り返るシーン、猫たち、帰省した時のアヴォンリーの様子、手紙のやりとりなど本筋に関係ない場面も面白い。
アンが数名から求婚されて屈辱を感じる気分など、ひどいけど、でもわかる、若いなあと思う。人に好かれるという事実は -
Posted by ブクログ
アンシリーズの4冊目。
メインの物語はちょっと休憩といった体で、
アンをめぐる人々のスピンオフ的なお話。
アンはあくまでも脇役として時々登場する。
モンゴメリは本当に多くの短編を書いているのだが、
「アンの友達」に収められた短編はコメディあり、
涙あり、恋物語ありでどれも本当に面白い。
珠玉の名作短編集だと思う。
その中でも特に好きな話を選ぶとしたら、
「ロイド老淑女」
「ショウ老人の娘」
「隔離された家」。
あぁ、でも「オリビア叔母さんの求婚者」も良かったし、
「ルシンダついに語る」も面白かったなぁ。
結局選べない…。
自尊心が強過ぎて素直になれない人が自ら招く不幸と、
それを打開しハッ -
Posted by ブクログ
ネタバレアンとギルバートの結婚式から始まり
新婚時代を描いた巻である。
若い幸福な二人を取り巻く人々が
個性的で面白い。
ことにジム船長の含蓄のある言葉の
ひとつひとつに心を打たれる。
私は本を読んで気になった言葉や
いいなと思って心に留めておきたい言葉は
書き出しておくのだが、この本に関しては、
ジム船長の言葉ばかりである。
私はもちろん、今生きている人たちにも
響くであろう本質を突いた言葉の数々。
ジム船長の言葉は耳を傾ける若い人たちを導き、
諭し、まさに羅針盤のようである。
10代の頃に読んだ時はレスリーとオーエンの
ロマンチックな恋物語に心を奪われたものだが、
今回はそれも楽しかったが、ど -
Posted by ブクログ
アンの新婚生活が始まりました。前作のアンの新婚時代の話は、実はこの本の20年後にリクエストに応えて書いた本だったんですね。
そうするとアンとギルバートが恋愛関係になった次作でこの新婚生活なので、確かにちょっと唐突な感じがしないでもないです。
本書でも基本的にはアンが周りの人々と溶け込むにしたがって、周囲も幸せな方向に向かっていくという内容です。
アンの第一子の死産という悲しいエピソードもありますが、おおむね明るく楽しい新婚生活です。マリラも度々新居を訪れるので個人的にはホッとしました。あれだけアンを愛しているマリラが疎遠になるなんて悲しいですからね。
正直ネタ切れ感が否めない部分もありますが、 -
購入済み
モンゴメリ初期の長編ということで、たしかに未熟さもあり、最初からラストまで分かってしまうところはありますが、純粋な雰囲気もあって十分楽しめました。
-
購入済み
現代の常識では、主人公の親は放任、祖母の態度は虐待でしかなく心が痛みますが、まあ時代が時代なのでしょうがないですね。
とはいえモンゴメリですから、プリンスエドワード島が出てくると物事がうまく回りだすようで(笑)、全体的には楽しく読めました。 -
購入済み
人間、もうすぐ死ぬと思えば何でも出来るものだなと思いました。
主人公のように、人生は限られたものだと割り切って、今までやらなかったことをやれれば良いですね。
共感して勇気をもらえる女性が多そうな、良い内容だと思いました。