童門冬二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
面白かった。
これを歴史小説として評価してはいけません。
直江兼続を生き様を通じたビジネスマン向けの物語。
すなわち、リーダとしてではなく、フォローワーとして何を行うか、どう考えるかを伝えているものと感じました。
童門冬二の「全一冊 小説 上杉鷹山」はリーダとしてのメッセージを、これはフォローワーとしてのメッセージを感じます。
本書では、ところどころで、現代での解説が入ったり、話が脱線したりで、ある意味わかりやすく、読みやすい物語となっています。なので、この小説を通して、関が原前後、戦国の動乱期の歴史を理解することができます。
歴史初心者にはぴったり(笑)
兼続と景勝の主従関係や、豊臣秀吉や三成との関係など、いろいろ勉強になりました。
また、兼続の奥さんであるお船との掛け合いも面白いところ。とてもできた奥さんです。
さらに、本書の副題でもある「北の王国」への野望。
戦国の動乱期を上杉家が何を思い、どう動いてきたのかがわかります。
さて、本書で語られている兼続のエピソードで、一番のメッセージは「過去を振り返らない」ということ。
なぜこうなったかを考えるのではなく、この状況をどうやって突破するか。
これは、やはり現在のビジネスマンにも必須なメッセージと思います。
しかしながら、過去も振り返らないと失敗を繰り返してしまうので、そういうところは要注意(笑)
ということで、本書はお勧め
特に新潟県人には必読の書といえるでしょう! -
Posted by ブクログ
ネタバレH27.1.17-H27.1.28
(あらすじ)
重役の反乱を克服し、家臣や領民一人ひとりの共感を勝ち取りながら、地域と人を活性化してゆく鷹山の経営手腕とリーダーシップのすべて。
”最も尊敬する日本人はウエスギ・ヨウザン”と、かつてケネディ大統領が語ったように、「愛と信頼の政治」を貫いた鷹山の不撓不屈、信念の生涯を描く。
(感想)
さて、下巻ですが、文章のほぼ8割がた、改革派竹俣の堕落と処断の物語です。残りの2割で、米沢藩はいっとき持ち直すものの、鷹山の隠居と共に再び落ち込み、最後に政治に復帰してとんとんと改革が成功に終わりました。
こう書くと文章のバランスが悪そうですが、これはこれでなかなか良かったように思います。
お勧めの一冊となりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレH27.1.13-H27.1.17
(あらすじ)
……灰の国はいかにして甦ったか!
九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷飯派を登用し改革に乗り出す。
藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人々の心に希望の火種をうえつけてゆく…。
(感想)
上杉鷹山ものの2冊目。1冊目は藤沢周平の「漆の実のみのる国」ですが、もうほとんど忘れてる(笑)。
さて、本作ですが、読み始めて最初、うーん、面白いけどちょっと表現が幼稚な部分があるな~。と感じた。例えば34Pの「松柏はニヤニヤしている」。”ニヤニヤ”ってもうちょっとカッコいい文学的な言い回しはないのかな…と。
このような感じは全体を通してあるものの、物語の展開はとてもよかった。治憲の苦労、米沢の抵抗勢力の想いが解りやすく腑に落ちるように丁寧に描かれている。
上巻は、抵抗勢力である重役一派を、なんとか改革派に取り込もうとしたがうまくいかず泣く泣く粛清するまで。