童門冬二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
あまりに有名なこの言葉を残した上杉鷹山について書いた歴史小説。
歴史小説にしてはかなり書き方が砕けているというか、現代的。会社になんかにもなぞらていているくだりが多いこともあり、読みやすかった。
上杉鷹山は信念を持ち、真っ直ぐに政治を実行した。一度も信念を曲げなかった。全体感を持っていた。潔癖であった。慣習を破った。常識人だった。愛があった。
ひとつのことにパワーを注ぐことの大事さ。全体感を失わないことの大事さ。
彼が今の日本の舵取りをしたら、今のような世の中になるだろうか?
それとも、投げだす?世の中は複 -
Posted by ブクログ
身のある書とは本作品のことをいうのだろうと思える書であったあ。「小説」と題しているが、紛れもなく経営書であり、企業の管理職や役員の研修において課題図書として使用できそうな内容である。
著者による脚色はいくらかあるとはいえ、名君:上杉治憲の私心の無さには本当に恐れ入る。米沢藩の中興の祖となりえるのであるが、改革の見通しが立つや否や前藩主重定の世子:治広にさっさと家督を譲り隠居してしまう。それも35歳で、である。視野の広い経営者とは上杉治憲のことをいうのだろう。
故ケネディ米元大統領が「もっとも尊敬する日本人」として上杉治憲を挙げているが、このような世界に誇れる名君が存在したことを、誇りに思うべき