童門冬二のレビュー一覧
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先輩の先生からお薦めされて、いただいた本。
上杉治憲は、高校生くらいで一国の長になり(しかも生まれ育ったところでもない)、重鎮や若手やらの反対、反抗、天災、信頼していた同僚の裏切り…数多くの壁にも「愛情」を揺るがさず改革を押し進めていった。
心の強さ、時代を先取る知識の深さなどには恐ろしさも感じるほど驚いた。
543 人を知るには、まず接触しなければならない。ことばを交わさなければだめだ。
564 どんなに優れた人間にも、好事魔多しというたとえがある。まして権力は魔物である。知らないうちに堕落する。
583 探るということは、もうその人間を信頼していないということになる。不信の念が湧いたから -
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ネタバレ黒田官兵衛って聞いたことあったけど、どの時代の人物なのかとか功績とか知らなかったので読んでみました。福岡にゆかりがある人なんですね。
情報収集力、分析力、問題解決能力に優れ、「日本切っての頭脳の鋭い男」と称された官兵衛。一方で「人情味が薄い」と評されることもあるようですが、筆者は彼の経歴や人柄に関する史実から「人情深い人物だった」と主張しています。黒田官兵衛の祖父も人材育成が上手かったようです。
著者は戦国武将たちのリーダーシップにも考察しています。
武将たちトップは役割として「絶対的決定権」を持ちますが、それこそ信長・秀吉をはじめとした優れたトップは「軍師性」も兼ね備えていたと言います。 -
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改革に必要な条件とは
国の改革ができる条件とは国と国民が現状を理解し、双方がより良い環境を望むかで決まる。最後の藩主上杉茂憲が沖縄県令に赴任し「吏員改正」(改革案)を提出したが新政府のトップが理解できず傲慢な税収と既得権を望んだことでの「却下」は、現代の岸内閣政治(不透明なままの裏金事件)と国民との意識の差を垣間見るようだ。
上杉家の改革の内容は現代でも通じる「質素倹約・組織の簡素化・産業改革」である。現代の日本政治にはこの3つが全く見られない。政治家の既得権と名誉地位保持(貪欲な闇金隠蔽など)が最優先となり国民への負担が増すばかりとなっている。 -
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多分新聞の書評でみて、購入した本だと思いますが、680ページの大作故、手つけていなかったが、読み出せばあっという間の内容でした。歴史物でもあり、ビジネス書でもある。倒産寸前の米沢藩を、養子として弱小藩から迎えられた若干17歳の鷹山(治憲)が改革していくというもの、節約を自らが率先して取り組んだり、士農工商の枠を超えて、殖産興業に取り組んだり、藩民の為にと言った当時にはあまりに画期的な民主的な考えだったり、下級藩士まで含めて直接語りかける等々。小説という点意識必要もある程度史実に基づいていると思われる点、故JFKも尊敬する日本人であげている点なども今回知ったエピソード、当時の歴史理解、ビジネス書
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【50歳からの勉強法】童門冬二の著書を読んで学んだこと
私は、2024年に50代になる予定の人間です。最近、心も体も老いを感じることが増えてきました。
そんなときに、ふと手に取った本があります。それが、童門冬二さんの【50歳からの勉強法】です。
この本は、私にとって「縁」のようなものでした。なぜなら、この本は、私がずっと悩んでいた「勉強する目的や方法」について、著者の考え方や体験を紹介してくれたからです。
この本のタイトルを見て、勉強の方法論を期待する人もいるかもしれません。しかし、この本は、そういう本ではありません。
この本は、勉強する目的や心構えについて、著者の人生観や哲学を語って -
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「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
子供の頃から大切にしている言葉。高校受験はこの言葉を胸に勉強に励んだな、としみじみ思うところ、いまだに上杉鷹山の小説を読んだことがなかったので、今回、ようやくその活躍を知ることができました。
米沢藩の財政を建て直したということは聞いたことがあるのですが、その実態は決して容易な道のりではなかったようです。藩のしがらみや伝統を重んじる重鎮らによる妨害、改革を主導してきた側近の堕落など、困難に次ぐ困難の連続で、いつ気持ちが萎えてしまってもおかしくない状況が続きます。しかし、鷹山は決して諦めることなく民のために行う改革を貫きます -
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我慢!
① 「敵は己」改革を成功する為は、感情に流されては、ダメ!
②高い志!常に現場にとってどうなのか?を考える。考え続ける。何が正しいことなのか?
小さな「火種」
③スピードと変化と人。
改革には、チームづくりが重要。
実行力!
なぜ?江戸の時代に上杉鷹山治憲さんは、そういった考えを持てたのか?
時代を超えて、人の本質が見えてくる。
この本が書かれたのが1983年。
昭和58年。
その後に登場する凄腕の経営者の考え方にも共通するところが多い。
不思議だった。
人は、繰り返す。それとも本質は、いっしょなのかもしれない。
人の為に何が大事なのか?
人だけかもしれない。人の為にできる能力が -
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他家から養子ながら、藩士や領民に対し愛と信頼をベースにした政策を実行し、米沢藩のの危機的財政難を凄まじいスピード感で立て直し、人々の心までも蘇らせた上杉鷹山。現代の経営立て直しにも通じる事例が江戸時代にあったことに驚きです。
鷹山の改革の手腕はもちろんのこと、改革に対する執念や信念、真摯さ、公平さ、藩士や領民に対する感謝や思いやりなど、経営をする者としての心構えを学べる一冊だと思います。
江戸中の商人に借金を断られ、幕府に大名家返上を本気で検討するほど危機的な財政状況。
それを打破する具体的な手法として、以下4つを実行。
1.可視化=財政状況の見える化、情報公開
2.コストダウン=質素倹約