童門冬二のレビュー一覧
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江戸時代、米沢藩(今の山形あたりにあった)の藩主で、財政難に苦しむ藩を大胆な改革により立て直した上杉鷹山の歴史小説。なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり、という名言は広く知られているが、彼が実際に何を行ったかを知る人は少ない。
息子がいなかった米沢藩藩主のもとに九州から婿入りし、17歳で藩主になった。政治腐敗が進み、侍にも藩民にも意欲がなく、藩は巨額の負債を抱えていた。若くして藩主になったはいいが、古い体質の藩では拒絶反応がすごく、ひどい妨害やいじめにあう。彼が目指したものは、藩士(侍)だけでなく、農民や商人を大事にし、皆が富める藩であった。藩民に示すために自ら倹約 -
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江戸時代の企業再生ならぬ、藩再生。
経営って結局、金でしょ?とか、
経営する人って何考えてるんだろう?
って思っている人には是非ご一読お勧めします。
過ちて改むるに憚ることなかれ
根本に優しさといたわり、思いやり
まず気づいた方から自分を改める
書を捨てて町に出よ
大会議の全員ヒアリングからの大決断
泣いて馬謖を斬る
など、たった500円で、自分が大切にしたい経営観を学びました。今読み返しても、ああここ、最近怠ってるななど反省します。
ひとつ、そんな立派な鷹山をもってしても、身分の違いからくる「越えられない壁」はあったようです。それについては一度はアプローチしたがその後はとやかくしなか -
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榎本武揚の生涯川わかる内容になっています。私は勝海舟に興味がもともとありましたので、二人の共通点を、知ることになりました。それは二君につかえた点です。そのこと福沢諭吉が痛烈に批判していますね。当時の思想背景からすれば武士の世界では切腹もんでした。今の現代社会ではヘッドハンティング等の言葉でもわかる通りむしろカッコいいことのような意味があります。昔は考え方が窮屈でしたよね。でも考え方一つで命を自らたったりしますから、思想ほど恐ろしいことはありません。この事からも。どうしたら所願満足の人生を、送ることができるかやはり法華経の思想に学ばなければなりませんね。
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長年気になっていて、ようやく読むことができました。予想以上に感動的な歴史小説でした。
財政難で今でいえば倒産寸前の米沢藩に九州の小藩から養子に来て藩主となった治憲(のちの鷹山)。わずか17歳にして、トップダウンの倹約、殖産興業の施策を打ち始めます。彼の素晴らしさは、改革は幹部のためでなく、藩の民が幸せになるために行うという信念を貫いたこと。古い慣習に染まった反対派の強い抵抗を乗り越え、ついに米沢藩を立て直すことに成功します。やがて、改革は上からやらされるものではなく、民が自ら考え実行するものに根付いていったといいいます。
危機における組織改革、リーダーシップ、部下の扱い方、評価の仕方など、 -
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竜門冬二による「上杉鷹山」の上下巻は事実に基づく歴史小説。17歳で米沢藩主となった上杉鷹山の責任と、それに押しつぶされない鷹山の成熟した価値観、若く鋭い感性、改革の勇気、そして元来もつ人間に対する愛や人権尊重の心に感銘を受けた。熱中してあっという間にこの本を読み終えた。
江戸時代のこれほど重要な人物について、本を通して出会い学ぶことができたことを嬉しく思う。
この本の時代背景は江戸時代であるが、現代にも通ずるものの考え方が豊富に盛り込まれており、いかに上杉鷹山が慧眼の持ち主であったか、優れたなリーダーであったかを実感した。
国を変えたいなら、改革を進めたいなら、まず自分自身が変わる必要