童門冬二のレビュー一覧
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隠居してからの第二の人生。退職、引退してから老後をどう楽しむか。仕事に精を出して職場や取引先との付き合いを重んじた会社生活がある日一変し、どう生きるかと迷う。現代にも通じるテーマに対して、伊能忠敬が隠居してから取り組んだ測量事業は良い模範になる。歳を取っても、自らのロマンに生きる事ができるのだと、勇気を与えられた。
伊能忠敬の偉業、精緻な日本地図を教科書で見た記憶はあるが、彼自身がどのような人生を歩んだのかは、義務教育では省略されてしまった。父子の関係に象徴されるように、決して恵まれた生い立ちではなかったようだ。しかし、誠実さと実直さと生まれ持ったセンス、これらによる実証主義の論弁は、苦労や -
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江戸時代、米沢藩の9代目藩主である上杉鷹山(うえすぎ ようざん)の経営思想について書かれた一冊。
■上杉鷹山とは?
上杉鷹山とは、田沼意次〜松平定信が老中を務めた江戸時代中期に、財政破綻の危機に瀕した米沢藩の藩主を継承した大名。
当時の江戸時代は、士農工商制度による社会であり「民主主義」という概念・言葉はまだありませんでした。
そんな世の中にあって、上杉鷹山は独自の「民主主義的思想」により政策を展開し、窮地に瀕した米沢藩を救いました。
アメリカのジョンFケネディ元大統領が、『最も尊敬する日本人』として上杉鷹山の名を挙げたことで、日本でも一躍有名になりました。
■本書の概要
本書は、そんな上 -
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黒田官兵衛と
信長→秀吉→家康との関係性を、詳しい時代背景と共に説明してくれる、良い本。
【新たな気づき】①官兵衛=権謀術数を思いのままに使った策謀家というイメージがあるが、+人情深い人物という意外な側面があった②自らも軍師であった秀吉は、官兵衛&半兵衛を戦国時代の一つの流行として側に置いた。官兵衛の役割は調略と交渉。③戦国時代の日本一頭脳の鋭い男と称される官兵衛はもちろん、家康も(人質時代に今川義元の軍師太原雪斎から学問を学んだ)大変な読書家であった。④官兵衛は実直=一言多い。バカなふりができない。晩年はユーモアも持ち合わせた。最終章の息子長政への教訓は感動物。
【備忘】信長のマイン -
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渋沢栄一という人物について、ひとつ驚いたことがありました。それは生年と没年です。1840(天保11)年に生まれ、1931(昭和6)年に亡くなっている。江戸時代に生まれた人が昭和まで生きていたことに、驚愕したのです。渋沢栄一にはそんなに昔の人ではないような印象を抱いていましたが、坂本龍馬や西郷隆盛などと同時代、つまり幕末の真っただ中を生きた人だったことを考えると、日本の歴史もまだまだ浅いものだと感じます。
本書を読み、栄一の人生における四つの転機が見えてきました。
一つ目は、幕臣の平岡円四郎との出会いにより、過激な尊王攘夷論者だったにもかかわらず、一橋慶喜に仕えることになったこと。
二つ -
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もっと早く読めばよかった!
いやでも、いま読めてよかった( ̄ー ̄)bグッ!
藩のピンチのときに若くして藩主になり、改革に踏み出すその姿はかっこよすぎます!
人格者、これぞトップに立つ者の見本のような人だと夢中で読みました。
覚悟を決めて立ち上がって、まずは仲間を集めて、自分たちが変わろうと語る姿はまさに経営者のあるべき姿だなと思います。
自分としての考えをしっかり伝えていて、心を変えることの大切さを問いている。
簡単なことではないと認識していて、それでもやろうと辛抱強く続けていて、
これはどの時代においても変わらずで、普遍なものなのだなと改めて認識しました。 -
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高校生の時に読んだものを再度読破していく。
この本自体は前半だけだが、一つの物事を達成するために自分がひたむきに変わろうとする治憲青年の姿勢に心打たれた。高校生の時は周囲を変えていくためには自分から変わるために動かなければならないということが強く印象に残った。
しかしながら働く立場の視点を持った以上、自分がここまで能動的に動けているかは不安に感じた。そのため、自分の行動の見直しとして非常にいい一冊になった。
高校生の当時、同年代でこんな人に近づきたいと妄想を散らしていた自分を思い出して、今どうなのかグサグサきた一冊。
しかし、彼のような為政者が現代の日本にどれだけいるのだろうか・・・。